《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》31.ノワールでお手伝い

キャリーバードの赤ちゃんをハヤトがテイムした後、もう一つクエストをけることになったので、再びクエスト注場所に向かった。

ハヤト達が選んだ次のクエストは、『ノワールにてお手伝いせよ』だった。

あれ? ノワールって、叔母さんがやってる店だよね?

「言ってなかったですけど、クエストって自分で発注することもできるんですよ」

へぇ、そうなんだ。僕はたぶん発注ふることは無いけど、叔母さんなら人気のお店を一人でやってるから、手伝いをしてもおかしくない。

「まぁ、そんなことはおいといて、早く龍さんの叔母さんのお店に助っ人に行きましょう!」

ハヤトがそう言って、僕を除いた三人を叔母さんのお店まで先導していった。

……さらっとおいてけぼりを喰らった。

僕は急いで追いかけて、叔母さんのお店に向かった。

僕がお店に著くと、既にお店にったハヤト達に叔母さんが驚いていた。

「誰か來てほしいとは思っていたけど、まさかハヤトくん達だとは思わなかったわ」

「お手伝い、任せてください!」

「ええ、よろしくね」

「叔母さん」

「龍くん! 龍くんも來てくれたのね!」

僕を見た叔母さんが、とても嬉しそうな顔をした。

「龍くんは姉さんから料理習った?」

「いいえ、習ってません。でも、ばあちゃんに習ったので大丈夫です」

「じゃあ龍くんは廚房で、他の子達は接客お願いね」

役割が決まったので、それぞれの擔當場所へ向かった。その際、ハヤトにこう言われた。

「龍さん、TPOで料理するならスキルレベルを上げておいた方が、材料を切るときにアシストしてくれるので便利ですよ!」

「大丈夫よ。お母さんに料理習ったんなら、材料は目を瞑りながらでも正確に切れるもの」

そうなんだよね。ばあちゃんの包丁の扱い方は、先祖代々け継がれているものらしく、大なんかの皮を薄~く途中で途切れることなく切れたり、千切りを全部同じ細さに切れたりと様々な切り方でも容易くできるものらしい。

そのおで、學校での調理実習ではキュウリをどれだけ一定の薄さで切れるかというテストのようなものがあった時、全て同じ薄さに切ることができた。

他にも々と料理について教わったので、廚房でも大丈夫だと思う。

「まぁ、スキルレベルを上げなくても料理が得意な人なら、現実と同じようにできるだけなので上げなくても大丈夫だと思うなら、上げなくてもいいです」

ハヤトがそう言ったので、取り敢えずはレベルを上げずにやってみることにした。

いつもはばあちゃんが朝食から夕飯まで作っちゃって僕の出番が無いのと勉強ばかりしていて、腕が鈍ってるかもしれないからだ。

そして、それぞれの擔當場所についた後、開店となり開店した途端にお客さんが大量にってきた。

さすが叔母さんのお店。大人気だ。そんなことを思っているのも束の間、次々と注文がやってきた。

それに対し、僕と叔母さんは注文された料理を猛スピードで作っていった。

「龍くん凄いわね! 私より包丁の扱い方上手いじゃない!」

「ありがとうございます」

「さすが姉さんの子ね。姉さんの料理、私のよりも味しかったのよ?」

へぇ、知らなかったな。母さん、生前は仕事が忙しくて全く料理しなかったし、稀に作ってくれたけど稀すぎて覚えてないんだよな……。

その後も他ない話をしながら次々と注文された料理を作り、やっとのことで閉店時間になった。

「みんなお疲れさま。クエストの報酬はタダで料理を食べて良いなんだけど、これで大丈夫?」

「大丈夫です! またここの料理が食べられるなんてラッキーです! しかもタダで!」

「そうだな。この前食べた時メチャクチャ味かったもんな!」

「ええ、そうね」

「私は、龍さんが作った料理を食べてみたいです!」

おっと、モモが目敏くお願いをしてきたぞ?

「私も食べたいなぁ。龍くんの料理」

叔母さんにまで頼まれた……。

「……仕方ないなぁ。ご注文は?」

「じゃあじゃあ、私はナポリタンでお願いします!」

「私もナポリタンお願いね」

注文を承った僕は、廚房へ行ってナポリタンを作り始めた。

因みに、僕は安定のオムライスを叔母さんに注文した。

そして、他の三人の注文を承った叔母さんも注文された料理を作り始めた。

先に作り終えた僕が、出來上がったナポリタンをみんなが座っているテーブルまで持っていくと、みんなが置かれたナポリタンを見た途端に褒めてきた。

「やっぱり凄いです龍さん! こんな綺麗に盛られたナポリタン見たことありません!」

「運んでるときに思ったんですけど、龍さんスペック高すぎでしょう……」

「剣道強くて頭が良くて料理ができるってヤバイよな」

「そうね。家事全般苦手なモモの彼氏としてはこの上なく立派な彼氏よね?」

ヒカリがモモに向かってそんなことを言った。それを聞いたモモは顔を赤くして「わ、私だって料理くらいはできるもん!」と言い返していた。

そっか、モモは家事全般苦手なのか……。まぁ、家政婦さんがほとんどやってくれてるからなんだろうけど。

そんなやり取りをしていると、叔母さんが料理を終えて出來上がった料理を持ってやってきたので、全員席に座り料理を食べた。

僕が作ったナポリタンは好評も好評。叔母さんに「お店が開けるレベル!」と言われた。

食べ終わると、叔母さんが再びお禮を言ってきた。

「今日はありがとう。またなにかあったら助けてね」

「はい、任せてください!」

ハヤトがドンッとを叩いてそう答えた。

「龍くんもありがとう。ナポリタン味しかったわ。またなにか作ってね」

「あ、はい、わかりました」

「私にも作ってくださいよ?」

「わかってるよ」

そんなやり取りをした後、僕達は叔母さんと別れるともう一つクエストをけることになったので、再びクエスト注場所へ向かった。

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