《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》41.巨大ゴーレムとの対戦

祭りの日の翌日、ログインした僕達はダンジョン攻略をしてやっとのことで五十階層まで辿り著いた。

これでまだあと350階層あるんだから、気が遠くなりそうだ。

因みに、五十階層のボスは巨大なゴーレムだった。見るからに兇暴そうな見た目で、材質はが黒いので黒曜石だと思う。

「あのゴーレム、結構そうだな……」

いですよ。設定では黒曜石で造られたゴーレムですから。でも、リュウさんの刀は『ドラゴニッククリスタル』で黒曜石よりもいですから、簡単に斬れますよ」

マジか……。『ドラゴニッククリスタル』って、黒曜石よりもかったんだ……。

ハヤトの説明を聞いて心していると、ゴーレムがパカッと口を開けたと思ったら、思いっきりレーザー的なものを撃ってきた。

それに逸速く対応したのは、シアンだった。

僕の肩に居たシアンがブレスを使ってゴーレムの攻撃を相殺した。

「ありがとう、シアン。助かった」

「キュキュ!」

こんなのは朝飯前だと言わんばかりにを張って鳴くシアン。……前から思ってたんだけど、シアンのその演技力は、どこから來てるんだ?

「キュ?」

僕にジッと見つめられたシアンが「どうしたの?」と首を傾げながら聞いてきたので、僕は「あ、いや、なんでもない」と言ってからゴーレムに視線をやった。

特別聞きたい事でもないし、シアンの演技力についてはそっとしておこう。

そんなことを考えていると、ゴーレムが今度はパンチをするためにゆっくりと右の拳を握り肘を引き始めた。

こんな巨大なゴーレムのパンチを喰らったら、一貫の終わりだよ……。刀でけるにしても、威力が計り知れないパンチをけて耐えうるかもわからないし、かといって避けようにもハヤト達が居るし、このゴーレムのパンチのスピードがどのくらいなのかもわからない。

う~ん、どうするかなぁ……。

考えている間にもゴーレムは、ゆっくりと肘を引いている。パンチが來るのも、時間の問題だ。

「ちょっ、リュウさん! ゴーレムがパンチしそうなのになんで何もしないんですか!?」

「いや、どうしようかなって」

「どうしようもなにも、今のうちに攻撃すればいいでしょう!?」

「ああっ、その手があったか!」

ポンッと手を打って納得した僕は、全速力でゴーレムの足元まで走った。

ハヤトに言われなかったら気づかなかった……! 完全に失念してた……!

反省しつつゴーレムの足元に著いた僕は、ゴーレムのそうな極太な足を斬ってみた。

思っていた以上になんの抵抗もなく、ゴーレムの極太な足に切り傷が付いた。しかし、ゴーレムのHPバーは減ってはいるけど、減っているのか減っていないのか一目では判斷がつかない減り方だった。

力が高いな、このゴーレム……。今考えるべきではないけど、五十階層のボスの防力がこんなに高いと、400階層のボスはいったいどれだけの防力になってるのか、考えただけでゾッとする……。

まぁ、そこに行くまでにあと349階層を攻略しないといけないけどね。

さて、ゴーレムに一撃れたはいいけど、パンチのモーションは継続しているようで、まだゆっくりと引いている。

今度こそ困ったぞ? このまま攻撃を続けたとしても攻撃はミリ単位程度でしか通じない……。

はぁ、僕の攻撃力がもっと高ければなぁ。……あっ、攻撃力が高いの居るじゃん。僕の肩に乗ってる龍王ドラゴンキングが。

シアンを使うのはズルい気がするけど、それ以外の方法が思い付かないんだから仕方ない。

「シアン」

「キュ?」

「こいつを倒してくれないか」

「キュキュ!」

僕のお願いを快くれてくれたシアンは、僕の肩から飛び立つと、特大のブレスを放った。

當たるといけないので、僕はゴーレムから離れた。

放たれたブレスは、肩に乗るくらいの大きさなのにどこからそんな力が出てくるんだ? というくらい凄いブレスだった。さすがシアン、龍王ドラゴンキングなだけはある。

シアンが放ったブレスはパンチのモーションを継続しているゴーレムに直撃し、そしてあっけなくHPバーが0になった。

シアン、マジスゴイ。あんなに防力の高いゴーレムを、一撃で葬り去ってしまった……。今更だけど、シアンをテイムできたのは運が良かった。

シアンが居なかったら、しばらくこの階層で足止めを喰らってた。べつに早く攻略がしたい訳じゃないけど、ずっとこのゴーレムと戦うのは骨が折れるからね。

「キュキュ!」

「うん、ありがとう、シアン。お疲れさま」

「キュ~」

僕の肩に戻ってきたシアンが譽めてほしそうだったのでお禮を言ってからでて労うと、シアンは余程嬉しかったのか、今までに聞いたことの無い鳴き聲を出して喜んだ。

その後、五十階層を攻略した僕達は一度ダンジョンを出ることにしたので、メニューから一時撤退を選択してダンジョンを出た。

「出たはいいけど、これからどうする?」

「決まってますよ。ホラー系のクエストをけに行くんですよ。夏ですから」

「俺、賛

「私もそれでいいわ」

「わ、私も、それで、だ、だだだ、大丈夫ですっ!」

ホラー系と聞いてガタガタと震え、噛み噛みになりながら答えるモモ。モモには失禮だけど、可いと思った。

「モモ、無理しなくていいんだよ? なんならハヤト達だけで行って、僕と違うクエストっていう手もあるし」

「します! リュウさんとホラー系じゃないクエストします!」

僕の提案にモモは目をキラキラさせながら即答した。

即答!? 余程ホラーが苦手なのか……。

「そういう訳なので、三人でホラー系のクエストに行ってきてください。私はリュウさんと違うクエストをするので」

「「「あっ、はい……」」」

久し振りのモモの笑顔なのに目が笑ってないやつだ。モモがやると黒いオーラ的な何かが見える気がするんだよね……。たぶん気のせいだけど。

そして結局、ハヤト達がホラー系のクエストをしている間、僕とモモは普通のクエストをけることになった。

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