《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》48.ホラーイベント4
余談だけど、みうちゃんがモモから剝ぎ取ったブランは、僕がベッドの下にあった本の(ぬいぐるみのクマ)くーちゃんを見つけたことで返してもらうことができた。
どこからどういう風に飛んだらベッドの下にるのか甚だ疑問ではあるけど、そこは敢えてスルーした。
結果的に、みうちゃんにくーちゃんが戻り、僕にブランが返ってきたので問題なし。
そして現在、僕達的に最後のスタンプがある學校に居るんだけど、異様にプレイヤーの數がない。
屋敷でもそんなに見かけなかったし、どうしたんだろう? 怖くて止めちゃったのかな?
そんなことを思いつつ、すっかりいつもと変わらなくなり僕の腕にしがみつかなくなったモモと學校の中にった。
「もう怖いのは大丈夫?」
「はい! いきなり出てきたら驚きますけど、怖くはないです!」
「そっか、よかった」
僕の質問にモモが笑顔でそう答えたので、僕も笑顔で返した。
それから學校の中を一階から教室という教室をしらみ潰しに探索していった。
そもそもここは、ビルの時のように最上階に有るのか、それとも屋敷のように何かやってゲットするものなのか、どっちなんだろう。
可能としては、屋敷の時の方がある。
だとすると、どんなイベントがあるのかと、どこに行けばそれが始まるのかが問題になるんだけど、まあ、今現在しらみ潰しに探してるからそのうち何か起こると思う。
……たぶん。きっと。おそらく。
そんなことを考えていると、いつの間にか先へ行っていたモモの呼び聲が聞こえてきた。
「リュウさん!! こっちですこっち!!」
向かってみると、そこは調理室だった。
モモに促され中を覗くと、そこにはモモと同じ歳ぐらいのの子が、包丁を持ち、まな板の上に置かれた魚とにらめっこしている橫の姿が見えた。
短めの茶髪でラフな服にエプロンを著たそのの子は、大きい。何とは言わないけども、モモと同じ歳ぐらいなのに、エプロンを著けていてあの大きさは凄い。いや、エプロンがあるからこそ強調されているのかもしれない。
僕がそんなことを考えているとは知らず、モモが話し掛けてきた。
「何やってるんでしょうね」
「魚をどうやって捌くか悩んでるんじゃないかな」
「だったらリュウさんの出番ですね! 料理得意ですし!」
「そうだね」
モモの言葉に頷いて同意し、一応禮儀として扉をノックしてから調理室にった。
「な、なんや、あんたら!?」
お、生の関西弁だ。まぁ、ゲームの中だから生かどうか怪しいけど……。というかそれより、包丁を人に向けないでほしい。
「人に包丁を向けると危ないよ。怪我するから」
「へっ? ……あ、すみません」
そう言っての子は慌てて包丁をまな板の上に置いた。
「それで、魚を捌いて何を作る予定だったの?」
「え、えっと、アヒージョ風ニラ鰤(ぶり)ソテーを作ろうと思ってたんやけど……」
「なんでそんな凝った料理を?」
「彼氏が好きやってん。ウチは作ったこと無いねんけど、彼氏の家に泊まりに行ったとき味しそうに食べてるのを見て、作ってあげたいなぁ思てたら、ある日彼氏が事故に遭(お)うてしもうてな。作ってあげられへんかった……。だかららせめてお墓に供えてあげよう思てん」
「そうなんだ……。ごめん、嫌なこと思い出させて」
「ええよ、気にせんでも。ウチが話したくて話したんやから」
の子は、苦笑いしながらそう言った。
なんでここでやってるのかという疑問は盡きないけど、仕様なんだろうな。
たぶん、これ手伝って味しいのが作れたらスタンプが貰えるんじゃないかな。
「じゃあ手伝うよ。彼氏さんに味しいアヒージョ風ニラ鰤ソテーを食べてほしいからね」
「えっ? いや、手伝ってくれるのは嬉しいねんけど、お兄さん料理できるん?」
「リュウさんの料理はお店が出せるくらい味しいんですよ! 食べた私が言うんだから本當です!」
「いや、イマイチ納得いかへんな……」
まだ半信半疑だと言いたげな言い方をするの子に、僕は手を洗い彼が使うであろう食材以外の食材を探すと、ここ學校なのになぜか々と食材が置いてあった。
なので、ここは自分の好きなオムライスを作って納得してもらうことにした。
急に料理をし始めた僕を見て、オドオドし始めたの子。
そんなの子を見ていて、そう言えば名前を聞いてなかったと思い出し、料理をしながら聞いてみた。
「そう言えば、名前は?」
「あ、あぁ。自己紹介してへんかったね。ウチは、みき。よろしゅうな」
「みきさんね。僕はリュウ。よろしく」
「私はモモです。よろしくお願いします」
「……なあ、二人は人同士なん?」
「そうですよ。みきさんに見せつけてる訳ではないですけど、でも、リュウさんはカッコいいですし、家事もできて剣道は高校生の中で一番強いですし、優しくていつも気を遣ってくれます。それに……」
「モモ、それ以上は恥ずかしいから、その辺で」
モモが暴走仕掛けたので、僕はそう言って止めた。
止められたモモは、「えぇ!? まだたくさんリュウさんの良いところあったのに……」と呟いた。
すると、みきさんが凄い不適な笑みを浮かべながらこう言ってきた。
「はは~、されてますなぁ、お兄さん」
「茶化さないで!?」
料理をしながらツッコミをれると、みきさんは「まあまあ。それより、お兄さん料理上手やね! もうできたやん!」と出來上がったオムライスを見ながらそう言った。
最後にケチャップでみきさんの似顔絵を描いてスプーンと一緒に渡すと、子二人が絶句してしまった。
「あれ、似てなかった?」
「似てない訳あらへんがな!! 上手すぎやろ!? なんなん、お兄さん!? 畫家かなにかなん!?」
「いや、ただ単に小さい頃からケチャップでオムライスに絵を描いてたら、いつの間にかこんな風になっただけだよ」
「ケチャップって、あの容からこんなに細く出るものでしたっけ? 異様に細い気がするんですけど……」
「それも描いてるにに付いたものだよ。練習すれば誰でもできるよ。たぶん」
とは言うものの、細く出るようになったのは結構最近だったりするので、練習すれば本當に練習すれば10何年かで出來るようになる……はず。
「じ、じゃあ、いただきます」
スプーンを持ってそう言ったみきさんは、オムライスを掬うと恐る恐る口へ運んでパクッと食べた。
すると、みきさんは目を丸くしてからんだ。
「ん~!! 味ッ!! なんやこれ! 卵フワッフワやん!! どうやったらこうなんねん!」
そこ後もみきさんは、一口食べる度に味い味いとびながらオムライスを完食した。
「なるほど、モモちゃんがお店に出せるくらい味い言うてた意味がわかったわ。お兄さん、ぜひ料理を手伝ってください」
頭を下げてお願いしてきたみきさんを慌てて頭を上げさせてから、「もちろん。そのためにここに居るんだから」と言うと、みきさんは「おおきに、お兄さん。よろしくお願いします」と満面の笑みで言った。
さて、ここからが本番。彼氏さんに喜んでもらえるアヒージョ風ニラ鰤ソテーを作るぞ!
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