《VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい》59.僕の誕生日會

3日経ち、僕の誕生日になった。

僕の誕生日になったということは、龍二くんの誕生日でもあるわけで、一昨日に叔母さんが誕生日を家で一緒にやらないかと連絡してきた。

それは名案だと桃香が「是非お願いします!」と言ったので、僕と龍二くんの誕生日會が一緒に行われることになった。

そのせいで、今日になるまで桃香を筆頭に僕以外の全員が、僕そっちのけで誕生日會の準備に勤しんでいた。

その間とても暇だった僕は、一人でゲームにログインして遊んだりして暇を潰していた。

今回の誕生日會も晝頃に叔母さんのお店でやるということで、晝頃お店に行くと、お店のり口に「本日、都合により休みとさせていただきます。ご了承ください」というり紙がってあった。

中にると、いの一番に目にったのはなぜか幸也と佐倉さんだった。

「よう、龍。誕生日おめでとう」

「よう、じゃないよ。なんで居るの? 佐倉さんまで」

「呼ばれたからだよ」

「桃香ちゃんが呼んでくれたんだよ」

そう言われて桃香を見ると、「驚きました?」と満面の笑みで聞いてきた。

「驚いたけど……いつの間に連絡先を換してたの?」

「プールで會ったときに」

なるほど、あの時ね。でも、途中で別れたからどうやって換したのか気になる……

「すきあり!」

考え事していると、そんな掛け聲と共に視界の下の方から棒が橫に振られるのが見えた。

それを間一髪で避けて下を見ると、龍二くんが居た。

手にはいつぞやのチャンバラで使ったプラスチックの刀が握られていた。

「あーあ、よけられちゃった……」

肩を落としてしょぼんとする龍二くん。

「惜しかったね。すきありって言わなかったら當たってたよ」

「あ、そっか、いったらきづいちゃうもんね。あ、おたんじょうびおめでとう、りゅうにいちゃん」

「龍二くんもおめでとう」

「ねぇねぇ、おいわいがおわったらけんどうやろうよ。ね、いいよね。ね?」

やろうって言われても、持ってきてないんだけど……。

「まさか、龍の従弟も剣道やってんのか?」

「そうだよ! りゅうにいちゃんをたおすのがもくひょうなんだよ!」

「それは結構難しむぐっ、むぐぐ!?」

「はいはい、子どもの夢を壊さない」

幸也が言おうとしたことを察した佐倉さんが、口を塞いでそう言った。

「ねぇ、やろうよぉ~、りゅうにいちゃん~!」

「やりたいのはやまやまなんだけど、剣道の道一切持ってきてないんだよね……」

「龍二くんならそう言うと思って、家から出た後使用人に連絡して持ってきてもらいました」

桃香がそう言ったのを聞いて桃香を見ると、僕の剣道の道を持っていた。

あるのならやらないわけにはいかないので、龍二くんに「やろうか」と言うと、龍二くんは満面の笑みで「うん!」と大きく返事をした。

やり取りが一段落したところへ、叔母さんと叔父さんが料理を持って出てきた。

「さぁ、席に座って。誕生日會始めるわよ」

「龍君と龍二は中央に隣同士で座ってね」

叔父さんにそう言われて、正方形の4人席のテーブルを東西に3つ一列に並べた席の北側の中央に座った。

テーブルには4人席ずつに同じ料理が置かれ、わざわざ取りに行かなくてもいいようになっていた。

僕の隣は、左隣が龍二くんで右隣が桃香。僕の向かい側に叔父さんで龍二くんの向かい側に叔母さん。

なぜか、桃香の右隣が佐倉さんで向かい側に幸也が座っており、幸也の隣は速人。

叔母さんの隣はばあちゃんでその隣は輝。ばあちゃんの向かい側にじいちゃんで、その隣が楓季となっている。

図で表すと……

―――――――――――――――――――――――

佐倉 桃香 僕 龍二 じいちゃん 楓季

幸也 速人 叔父 叔母 ばあちゃん 輝

―――――――――――――――――――――――

ちゃっかりじいちゃんから距離を取る叔父さん。

なぜこんな席順になったのかと言うと、桃香は僕の隣がいいのと佐倉さんとも話がしたいらしく、この3人が並ぶことになった。

龍二くんの隣がじいちゃんなのは、二人目の孫とお喋りがしたいかららしくそうなって、叔母さんとばあちゃんも積もる話があるらしく隣同士になった。

それで、余った席に速人,楓季,輝の3人がるわけだけど、幸也と叔父さんの間は不評で端っこの2つの席が取り合いになった。

そして、じゃんけんの末勝ち取ったのが楓季と輝だったため、このような席順になったというわけだ。

それから全員飲みを持つと、速人が「龍さん、龍二くん、お誕生日おめでとうございます! 乾杯!」という乾杯の音頭で乾杯し、誕生日會が始まった。

會が始まるやいなや、桃香が「龍さん、どうぞ」と言いながら箸で摑んだ料理を僕の口元へ差し出してきた。

チラッと見れば、佐倉さんも幸也にやっていた。

されてる幸也は、恥ずかしいのか顔を赤くしている。

「龍さん? どうぞ?」

「あ、うん」

桃香が早く食べてほしそうな目で見ながらそう言ってきたので、差し出された料理を食べた。

ところが、次の瞬間、桃香は僕が口をつけた箸で料理を取ると、そのまま自分の口の中へれてしまった。

そしてボソッと「えへへ、間接キス♪」と呟いた。

それが目的だったのか……! でも、普通のキスしたことあるんだから、間接キスなんてしなくてもいいんじゃないの?

僕は、桃香の考えることに鼻で軽くため息をついた後、自分で料理を食べ始めた。

    人が読んでいる<VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください