《スキルを使い続けたら変異したんだが?》第二十一話 世界の悪意
「ですが、そのオンラインゲームがサービスを終了してしまいまして。
落膽しつつも次のゲームを探していた時に見つけたのが、このVRMMOでした」
「それで、このゲームでアイドルになろうとしてるってことか?」
「はい。でも、これだけリアルなゲーム世界だったのは予想外でした。
だから、現実で葉えられなかった夢がここでなら追うことが出來ると思ったんです」
現実では無理なことでも、ゲームの中ぐらいならば葉えられてもいいか。
俺には彼の夢を手助けする義理はない。
だが、彼の夢を手助けする力はある。
結局はあの森でナツメを助けた時と同じだ。
自分にはを助けられる力があって、事も知ってしまったのだから。
今さら斷って進むようなことはできない。
「そうか。それで、俺は一何をすればいいんだ?」
「え?」
俺の問いかけに、ぽかんとした表を浮かべるナツメ。
「言っとくが、こっちはプロデューサーでもなんでもないんだ。
知名度もゼロに等しいし、お前が言うように有名人になる可能も絶対じゃない。
それをわかった上で、ダメだったとしても恨み言を吐かないっていうなら、協力してやる。
乗り掛かった舟だしな」
どうせ無視して進んだところで、気に掛かってしょうがなくなるのだ。
それが嫌だというだけで、彼に手を貸す理由としては充分だった。
ナツメが顔を輝かせ、頭を下げた。
「あ、ありがとうございます!」
舟は用意したのは彼でも、それに乗ったのは自分の意志。
乗り掛かったのだから最後まで付き合おう。
「ま、マジでレベル50だ……!」
「あんなガキがゴーレムキラー⁉ し、信じらんねぇ」
「《蒼穹の証人》の総メンバーでも、一割すら削り切れなかったって話だぞ。
それを……? でも、レベルは確かに50だしな」
「どんな廃人かと思ったら、あんな可い子供が……」
「チートでも使ったんじゃねえの?」
「よく考えろよ。そんなあからさまなチート使えば、あっという間に垢BANされてるだろ」
「っていうか、あのゴーレムキラーの隣の可い子誰だよ」
「そういや、リーレの街で変なことを言ってる奴がいたな。
初期裝備の黒髪のガキが、見たこともないスキルを使ったって」
「マジであの子可いな」
「ああ、《黃昏の円卓》の奴らだろ。目立ちたがり屋だから噓でもついてんのかと思ったが……」
「ユニークスキル持ちか」
「ユニークスキルってマジであんの?」
「フレンドに見せてもらったけど、マジであったよ。
敵の戦闘から逃げまくったらなんか習得してたらしい」
「なんか結構な數が習得報告掲示板で上がってるよな。今まで被りは見つかってないらしいが、特殊な行を繰り返してるとメッセージが來るらしいな」
「じゃあ、の子のステータス覗きまくったらスリーサイズとかわかる素敵スキルが――」
「「「ねえよ」」」
突き刺さる視線が痛い。耳に屆くひそひそ聲が、俺の心臓を跳ねさせる。
シグナスの街について三十分。どうゆう報網が通っているのか、町中にレベル50のプレイヤーが現れたという噂が広まっていた。
いつの間にか俺の呼稱も《ゴーレムキラー》に変わっている。なんか、あんまりカッコよくない。武とかスキルの追加効果的なじじゃん。
もっとこう、巨兵殺しとかそういうのがよかった。
肝心の隣のナツメはと言えば、ニコニコと想の良い笑みを浮かべ、他のない話をこちらへ振ってくる。
「うーん、今日も流れ星が落ちてきそうないい天気だね」
大災害だよ。
とんでもないキラーパスだ。しかし、自然に會話してしいという彼のお願いがある。
俺はぎこちない笑みで返した。
「そ、そうだなぁ。
まだ晝だけど、これなら夜にはそうなるかもな」
「うんうん、空から天使が降りてきそうな天気だもんね」
二人で空を見上げる。曇天だった。
「…………、」
「…………、」
「…………、」
黙んなよ。こっち見んなよ。
お前だろうが、一番最初にいい天気だって言ったの。
「ほ、本當、良い曇り空だよねっ。あたし、こういうちょっと薄暗いのがワクワクして大好きなんだぁ」
「あ、ああ、俺もだ。ずっとこんな天気が続けば――」
言葉の途中、曇り空が割れてが差し込んでくる。
世界の悪意をじた。
「ああ、せっかくいい天気だったのに! なんで晴れるのかなぁ」
「がっかりだな」
「お日様なんて大っ嫌い!」
「ずっと雲に隠れてくれてればいいのにな」
設定の引っ込みがつかなくなり、そんな話を続けながら俺たちは進んでいく。
どんどん人垣が遠巻きになっていく気がするが、気のせいだよね。
宛もなく進んでいる、幾度となくナツメは微を纏った。
どうやら、彼の考えは功をそうしているようだ。
そのうちに、巨大なドーム狀の建の前に著いた。かなりの人數のプレイヤーが人だかりを作っている。
「? なんだ、あの建」
「あたし、知ってるよ。闘技場なんだって。プレイヤー同士じゃなくて、プレイヤー対モンスターの」
そんな施設があるなんて、初耳だった。
ふと名案が浮かび、ナツメの顔を見ると視線が合う。どうやら、考えることは同じようだった。
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