《スキルを使い続けたら変異したんだが?》第三十二話 夢
強さに憧れを抱いたのは、いつだっただろうか。
弱さに打ちひしがれたのは、いつだっただろうか。
夢を見た。
もう幾度となく見た夢だ。
それほどまでに、その時の出來事は俺の心に深く刻まれていたのだろう。
それは、悪夢であった。
それは、俺が一番好きな夢でもあった。
まだ俺が小學校に上がったばかりの頃の話だ。
今はもう閉店してしまっている個人商店で、人気のカードゲームのパックを買った。
俺は超レアカードを引き當て、店で凄い聲をあげて大喜びした。
だが、ニコニコとカードを眺めながら田んぼのあぜ道を抜けて家に帰る途中、背後から上級生の男子に取り上げられた。
恐らく、俺がカードを當てたのを見ていたのだろう。
よくある話だ。
取り返そうとしても、稚園を卒園するまでおままごとが好きだった弱な俺は、軽くあしらわれて田んぼに転ばされた。
俺は泣いた。泣き喚いた。
カードを取られたこと以上に、母さんの買ってくれたピカピカの服が泥に汚れたことの方が悲しかったことを覚えている。
ここまでが、悪夢。
ここからが、俺の好きな場面。
こちらを嘲り笑って、去っていく上級生。
涙で視界が歪む中、耳にトットットッ、と小気味の良い足音が響いてきて。
「らぁっ!」
掛け聲と同時、上級生の悲鳴。どすんっと思い何かが地面に落ちる音。
しばしの喧騒の後、上級生が意味不明なびを殘して去っていくのがわかった。
それからすぐ。ひょこっと、あぜ道から俺と同い年ぐらいの年が顔を出して。
「大丈夫か?」
ニカッと歯を見せて笑い、こちらに手をばしてくれた。
引き上げられてなおぐずつく俺に、彼は上級生に取られたはずのカードを渡してくれた。
「ほら、これお前のだろ」
彼が取り返してくれたのだ。
それでも一度湧き上がった激は中々収まらず、涙がポロポロと零れ落ちる。
「男がいつまでもメソメソしてんじゃねえよ」
困ったように頭を掻く彼は、ふと思い至ったように。
「お前、名前は?」
「ぐすっ、ゆ、ゆうと……」
「ユウトか。
俺はグレートナイトだ」
いながらに疑問を覚えた。
「ぐーれとないと?」
「ああ。すごい、ナイトさ。
お前みたいな弱い奴を守るのが仕事なんだ」
言ってることはよくわからなかったが、自信に溢れた笑みで頷く彼は凄く輝いて見えて、ヒーローみたいでカッコいいと思った。
俺もそんな風になりたいと思った。
夢はいつもそんな大団円で幕を下ろす。
それから彼に付きまとうようになって、ウザがられながらも一緒に遊ぶようになって、友達になった。
それが現在の悪友、林原和樹との出會いである。
◆
ピピピピッ! ピピピピッ!
「う……ん……」
スマホの目覚まし機能による電子音で、俺は目を覚ます。
枕元でる畫面をタッチして目覚ましを切り、上半を起こして大きくびをする。
そして、今まさに験したかのようにじる夢を追想して、恥ずかしさやらなんやらで自然に笑みがこぼれる。
本當に、あの時の俺は泣き蟲だった。
和樹に出會ってなければ、今よりもずっと々しい格だったかもしれない。
ふと、橫目でピコピコとスマホのランプがっているのが見えた。
電源ボタンを押して畫面を點燈させると、メールが屆いていた。夢は蟲の知らせだったのか、和樹からのものだった。
容は八時に町の酒場前に來てくれ、という簡潔なもの。
やはり昨日の件で、和樹も俺がゴーレムを倒したことを知ったのだろう。
久々……というよりは、ゲームを始めてからゲームキャラの和樹に會うのはこれが初めてだ。
時計の針はまだ六時半。だが、八時には父と妹が仕事と朝練へ出るので、それまでに朝食と弁當を作らなければならない。
長期休み中は、家事をローテーションするのが我が家のルールで、今週からは俺が炊事當番だった。
早くゲームをしたくてはやる気持ちを抑え、俺は著替えを始める。
ここで投げれば、ゲーム機も投げられることになるのは目に見えていたから。
やることをやれば寛容だが、やることをやらないと、母さんはとことん厳しい。
今日の獻立を頭に浮かばせながら、俺は自分の部屋をあとにした。
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