《スキルを使い続けたら変異したんだが?》第三十五話 トップギルド
「マスター。こいつが、ユウトです」
そう言って俺を指差す和樹。
マスター……?
関係を探るため、わからない振りをして訊ねる。
「カーレル、この人は……?」
「おまっ……⁉ 知らないのか?
シヴァさんはゲームのトップギルド、『蒼穹の証人』のマスターだぞ!」
それは知ってる。
わからないのは、
「なんで、そんな凄い人とお前が一緒に居るんだ?」
「なんでって……。そりゃあ、俺が『蒼穹の証人』のメンバーだからだよ」
さも當然のように、和樹は答えた。
目が點になる。
は? プレイ人數、二十萬弱。その頂點に立つギルドの二十五人の中に、俺の知り合いの和樹が居る?
「お前、確か部活で剣道やってたよな。やめたのか?」
「いきなり何わけのわかんないこと聞くんだよ。やめるわけないだろ」
「なら、夏休みは部活を全部休んでたりするのか?」
「休むわけないだろ。先輩に呼び出し喰らうわ」
至極、當然の答え。
だからこそ納得できない。
學校どころか、部活優先の和樹がトップギルドにれていることが。
レベルを確認してみれば、まだ35。和樹の存在がギルドの平均レベルを下げている。
昔俺が所屬していたギルドなら容赦なく蹴っていた。
ならばレベル以上のもの。俺と同じでユニークスキルやユニーク裝備を持っているのだろうか。
「カーレル。お前、なんか特殊な裝備やスキルを手にれたか?」
「今日はやけに攻めるな。
普通に店売りの裝備に、普通にポイントを振って手にれたスキルしかねえよ」
うん、わからん。なんでトップギルドへれたんだ。。
思考を放棄する俺に、
「……いつまでも立ち話をしているのも、マスターに悪い。
もしよかったら、私にドリンクを奢らせてくれないか?」
やり取りを見守っていたシヴァさんがそう提案した。
偶然か。
マスターに通された酒場の個室は、昨日祝杯を上げた場所と同じ部屋だった。
向かいのソファーへ腰を下ろすシヴァさんと和樹。
カップに湯気立つ褐のを一口啜り、シヴァさんは話を切り出した。
「すまなかったね。
友人同士の集まりに私も同席させてもらって。
驚いただろう」
それはもう。
だが、見た目に反して丁寧な口調に、最初にじた恐怖は薄らいでいた。
鬼は鬼でも、まるで昔話の青鬼のような優しい人であることが言葉の端々から伝わってくる。
「はい。
それでその……、なんでトップギルドのマスターが自分のところへ?」
「心當たりはあるのだろう?」
「……はい。
自分がゴーレムを倒したプレイヤーだからですか?」
「ああ、そうだ」
また一口。を潤して彼は続けた。
「私は今日。君にそのことで忠告をしにきたのだ。
これからの君のの振り方について」
「の……振り方?」
「ああ。
突然姿を現したレベル50のプレイヤー。しかも、私たちですら倒せなかったゴーレムを討伐している。君の存在は、上位ギルドの間でとてつもなく大きいものとなっている。
君のったギルドがトップギルドになるといっても、過言ではないのだから」
確かに。現在一番レベルが高いのは、俺とレナの二人。
そのどちらかでも引き込めれば、一気に形勢は覆るのだろう。
だが。
「トップギルドになっても、別に特典があるわけじゃないんですよね?
なのに、そこまでトップにこだわるものなんでしょうか」
「強いて言えば、トップギルドであるということが特典のようなものなのだろうな。
尊敬、羨。そんな眼差しを向けられたいと思うのは、人間として當然のだろう」
そんなものに執著が無さそうな彼が言っても、説得力はない。
しかし、理解はできる。シグナスの街にって噂話をされた時。こそばゆいものもあったが、その裏で俺は多の優越を覚えていた。
だから、彼のギルドにレベル47のメンバーが居ると知った時、し焦燥を覚えていた。
今の地位が脅かされ掛けているということに。
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