《転生プログラマのゴーレム王朝建國日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~》94 乙の真実(???視點)
なんてことをしてしまったんだろう。
私は目が覚めるや否や、ひどく後悔していた。
前世にいた世界では何もかもが生きにくい世界だった。何のとりえも無い私は、唯一得意だったプログラミングの能力を生かそうと、プログラミング會社に就職。だが、そこはとんでもないブラック企業だった。毎日が殘業の連続。頑張ってプログラムを完させても、次の日には仕様が変更されているなんて日常茶飯事だった。
そんな中、いつもにこにことして仕事をしている人がいた。折笠おりかさ拓海たくま先輩。私の憧れだった。火を噴いているプロジェクトにはいつも折笠先輩がいた。皆、折笠先輩を頼っていたのだ。
どんなにつらいことがあっても、折笠先輩が頑張ってる姿を見れば、元気を取り戻す事が出來た。はやく一人前になって、折笠さんにお近づきになりたい。その夢が私の心の支えだった。
だけど、不幸は突然訪れた。
その時、折笠さんは3つのプロジェクトを掛け持ちしていたせいか、いつも以上に青白い顔をしていた。
「折笠さん、今日は一段と青々しい顔ですね。休んだらどうですか?」
折笠さんと気兼ねなく會話をするため、サバサバ系子を演じて話しかける。だけど心は心配でドキドキだ。
「まあ、そのうち休みますよ」
折笠先輩はそういって、から笑いをする。
このじ、絶対休む気が無いなと分かる。まじめな折笠先輩のことだ、このプロジェクトが終わるまで休むつもりは無いのだろう。
こうなったら、上司に直談判して折笠さんを休ませてしまおう。萬が一にでも折笠先輩が倒れてしまったら――。
私が良くないことを想像したせいだろうか。その想像は、現実となってしまった。
折笠さんは「いてっ」と言いながら頭を押さえたあと、そのままの棒立ちの姿勢で地面に倒れてしまった。
大きな音がオフィスに響く。皆仕事の手を止めて集まり、社は騒然となった。
「折笠さん?! 大丈夫ですか!」
私は折笠先輩に必死で聲をかけた。
だけど、折笠さんは答えてくれない。
社が大混する中、私は何も出來ずに呆然としていた。
その日のうちに、折笠先輩は死んだ。
病院に搬送されたときには、既に死亡が判明していたそうだ。
もし私がもっと早く折笠さんを休ませるよう上司にかけあっていたら。
もし私がもっと仕事が出來て折笠さんの負擔を減らせていたら。
盡きることなく沸き出でる後悔の念。
折笠さんのいない世界なんて、生きている意味が無い。私は折笠さんが死んだ次の日、オフィスから投自殺をした。
だが、気がつけばこの世界赤ん坊として転生していた。
絶だ。せめて折笠さんの記憶が消えていれば、こんな気持ちになることは無かったのに。
そんな絶の日々に変化が訪れたのは、生後半年になった時の事だ。
ゴブリンが大量発生し、今日にでも村が襲われるかもしれない。
そんな両親の會話が聞こえてきたのだ。
「そんな、じゃあはやくこの村から避難しないと」
「いや、そう慌てる必要はない。村長の村に孫がいるのを知ってるだろ?」
「えっと、確か名前は……『巧魔』くんだったかしら」
私は心臓が飛び出るかと思った。タクマ? それって折笠先輩の名前と同じだ。ただの偶然?
「ああ。実はその子は異世界からの転生者で、すでに大人顔負けの力を持っているらしい。その子が、ゴブリンを追っ払ってくれるんだそうだ」
転生者。タクマ。間違いない、先輩だ! 折笠先輩だ!
なんという偶然。いや、奇跡。私と折笠先輩は運命で結ばれているとしか考えられなかった。
そうだ、自己紹介かまだでした。
前世での私の名前は、佐藤 音羽さとう おとはという名前でした。
今は東 乙葉あずま おとはという名前で生きています。
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