《聲の神に顔はいらない。》46 一緒に居ることに幸せをじるってレベル高い
上映時間が來た。私がそわそわし始めたからか、先生は「そろそろいこうか?」と聲を掛けてくれる。なんて気が効く人だろうか。私からは言いづらかったからね。なにせ立場が上なのは先生の方なんだ。
それなのに下の立場の私から「あの、そろそろ……」とか無理だからね。自分から言うことで私の目當ての映畫を見逃さないようにと配慮して下さったに違いない。
(ここまでだよね……)
私はそんな事を考えてしまう。案外……案外だよ。殘念に思ってる自分がいる。別段、先生とお茶をすること自は張しまくりで、そこまで楽しかったかと言われると、そうでもない。
けど誰かと……いや異とこうやって居たのは初めてで、そんな貴重な験が終わるのかなって。私にはもうこんな事ありえないだろうし……
「お待たせ。じゃあいこっか」        
「はい……え?」
あれ、なんかまだ先生は私といる気のような? まさかね。こんな不細工と小一時間居ただけでもギネス級なのに、んで延長を申し込むなんて……この人はなに? 薄々思ってたけど、聖人君子かなにか? 普通これだけ偉かったらもっと天狗になるでしょう。橫暴やわがままになるじゃない。それなのにこんな不細工にまで気を使って……確かに収録時は怖かった。
ちょっと収録に行くのが怖い時もあった。でもそれは今思えば期待だったのかなって思える。今私がやってる二つ目のアニメの仕事の辛さとは違うんだって思う。あれは期待とかじゃ全然ない。頼られてるとは思うけど、そこには都合の良さがみえる。労われる事なんかないし、これはあれは――と要求は何故か増えて、それでいてやると音響監督に笑われるというね……不快以外の何ものでもない。
けど……この人は違う。私の事は、ちゃんと必要としてくれてたんだって今ならわかる。もう関わりなんてないのに、わざわざ覚えててくれてて、心配もしてくれてる。人としての出來が違うよね。
「えっと……その先生は先生の見たいものを観てください」
私の都合に合わせるなんて恐れ多い。この人の予定を私の都合で変更とかされるとね……なにか天罰が落ちそうじゃん。
「いや、実は目當ての映畫がある訳じゃないんだよ。良かったらご一緒させてくれないかな?」
「えっと……はあ」
私はしがない底辺聲優。拒否れるわけがない。それに私のお目當ての映畫を知ったらきっと先生も引いてくれるだろう。
「そのこれなんですけど……」
私はそのポスターを指さす。それはもう十年以上も続く日朝アニメでの子が敵をバッタンバッタンとしばくアニメだ。勿論それだけじゃなく、大人でも唸らせられるメッセージもある。そしてなんといっても元気がもらえる。
これを男が見るとなると結構なハードルがあるだろう。もちろんそんなの気にしない大きなお友達もいるが、先生はそんなタイプじゃない筈だ。
「なるほど……よし行こう」
(ええええええええええええ!? 行くの!?)
私は普通に付でチケット買って戻って來た先生にあんぐりした。まさかスマホからじゃなくお姉さんにあの映畫のタイトル言って普通に買うなんて……この人……聖人君主なんかじゃない。もはや……
(神か?)
どうやら私の頭はキャパオーバーしたみたいだ。
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