《聲の神に顔はいらない。》52 世界が近い時代だよ

    訳がわからない外人に絡まれて助けを願って必死に荷にしがみ付いてると、聞き覚えのある聲が耳にってきた。

「先生? 何やってるんですか?」

「此花さん!」

待ち人來たる。いや向こう的にはこっちが待ち人なのか? いやそんなのどうでもいいことか。彼は優秀だ。自分の作品を海外展開するために、海外を飛び回ってくれてるからな。彼は一何ヵ國語話せるかもわからない。

とりあえずこれで勝てる。自分は此花さんへと言葉を飛ばす。

「大変です! 外國怖い!」

「何言ってるんですか?」

確かに。てんぱり過ぎて言葉がおかしくなってしまってた。小説家なのに……取り合えずこの危機を此花さんに伝えて、悲鳴でも一つ上げてもらえば、流石に警備員とか來るだろう。そんな事を思ってると白人の奴が此花さんへと言葉を飛ばしだした。不味い……邪魔になりそうなを狙うとか最低な奴だ。

だが、自分はこのかたケンカなんて一度もやったことはない。だが、だからと言ってこのまま此花さんを危険にさらす事も出來ない。一どうしたら……海外は日本よりもグイグイ來る割にはこういう時はなにもしてくれないらしい。

こうなったら自分がやるしか……取り合えず自分の荷は捨てよう。此花さんの事を思えば、荷なんて……だろう。荷から手を離し、震えるに鞭打って此花さんへと向かう白人に背後から抱き著く。

わお!? ――といって、何やら言ってるが、離す気はないぞ。

「此花さん早く警備員を!」

「ふふ、私を助けてくれたんですね先生。けど、大丈夫ですよ。彼らは私が雇ったんです」

「へ?」

今なんて? ちょっと興しててわからない。

「だからですね。この方々は先生を現地でサポートしてもらう人たちです」

「せめて日本語も喋れる人にしてしかったんだが……」

なんか急速に冷えた頭で自分はそんな事をいった。いやなんかもっと他に言う事あるだろうとか思ってるんだが、出てきた言葉はそれだった。

俺は抱き著いてる白人の男を見上げる。ガムをくっちゃくっちゃしてるが、確かに暴力とかは振るわれてない。けど……ね。もっとまともな人選を此花さんには期待したかった。それともアメリカではこういう方がフォーマルとかなのだろうか? 標準なのか? わからない。外國怖い。

取り合えず自分は彼から離れて「そーりそーりー」と言っておいた。白人の彼は変わらずくっちゃくっちゃやってて、なんか差し出してきた。最初それが何か分からなかったが、なんか見た事あるような?

「それはこっちで出版されてる先生の本ですよ。サインがしいんですって」

「おっおおう、そうなんだ。よし、おーけーおーけー!」

サインしてあげたら、ガム風船を膨らませて、サムズアップしてくれた。うん……やっぱり外人怖い。それから白人と黒人に挾まれて車にのり、連行される犯人気分を味わって移した。

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