《聲の神に顔はいらない。》53 犯人と同じ部屋になんか居られるか!

連れてこられた建は豪邸だった。まさにサイズアメリカンなデカさだ。ここにくるまでに見た建、どれもこれも豪邸だった。多分ここはHollywoodでも高級住宅街なのだろう。いやーまじで日本の詰められたじとは違って贅沢に土地を使ってる間ある。

大きな門が開いて、そこに車がってく。芝が広がってるのがなんかアメリカっぽい。なんかアメリカと言えば芝というイメージが……あれかな? どんなドラマとかにも芝刈り機をかしてる人が出てくるからかな? そんな事を思ってると建の前に付いた。門から五分くらい走ったぞ。

「それでは先生、行きましょう」

「いや、ここは何なんだ?」

「ここに來るまでに説明したじゃないですか」

此花さんに呆れらた様な目を向けられた。いやだって、左右に知らない外國人がいるんだよ? せめて隣のどっちかに此花さんがいてくれたら、自分の心の余裕も変わった筈だ。でも現実は此花さんはそうそうに助手席に言ってしまった。

この車も予め手配してたんだろう、運転手は既にいた。けど運転手の人はこっちに視線を向ける事もしない。此花さんが英語でなにかを言ったら車が出たが、此花さんにも不想だったよあの人。なんだか、此花さんらしくない……とずっとこの車でじてた。

だって彼は自分が不快になる様な事は極力しない人だ。そういう努力をやってくれてるって知ってる。けど、今回はどうだ? 意味不明な外人二人の付き人に不想な運転手。自分が知ってる此花さんという優秀な人材では選ばなそうなメンツがそろってる。

(自分は実は試されてるんじゃないだろうか?)

なにを? と言われても困るんだが、そうとでも考えないと、府に落ちない。それともただ単に、外國という事が影響してるのかも? だってここは勝手知ったる日本ではない。いくら此花さんが優秀でも、限界というはあるだろう。

仕事しながら、人選なんてやってる場合じゃなかったのかも。そもそもが荷持ちが必要か? ってじだがな。

エンジンが停止して、完全に到著したのだとわかる。その瞬間、一斉に此花さんと左右の二人が扉を開けて外に出る。どっちから出れば? とか思ったが、なんかバックミラーで運転手の人と目が合った時「早く行けよ」と言われた気がした。

完全に被害妄想だが、外國という場所はメンタルを弱らせるのだ。しかもよくわからないまま豪邸まで來てテンション高く出來る程に子供じゃないし。取り合えずは車から出る事が先決だ。別に意味はなかったが、黒人の人についていこうとしたら、自分が出るまえにドアを閉められた。

そして何やら言われる。翻訳機を活躍させると、どうやら反対側のドアから出ろってことらしい。

(別にどっちからでもいいじゃん……)

とか思ったが、勿論口にはしない。そんな度ないからな。反対側を向くと、白人のガムくっちゃくっちゃしてる奴がだるそうにドアを開けたまま待っててくれてる。

なんのありがたみもなくて逆に凄い。取り合えず「サンキューサンキュー」と口ずさんだ。そして玄関を見ると、そこにはでっかいゴールデンレトリバーを足元に攜えた恰幅のいい老人がいた。ニコニコとほほ笑んでるが、何故かゴクリと唾を飲み込んだ。どうしてだろうか? 何か強烈なプレッシャーをじる。

やっぱり足元の犬が自分にグルルと唸ってるからか? きっとそうだな。だってデカい犬ににらまれるって相當怖い。そう思ってると、不意に老人と目が合ってそして彼は両の手を広げて何か英語をいった。

多分、「ようこそ、我が家へ」的な言葉だったと思う。けどこっちはそれどころじゃなかった。だって飼い主の呪縛から解き放たれた狂犬が自分にとびかかってきたからだ。

それからめっちゃ顔舐められた。

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