《聲の神に顔はいらない。》66 誰だって監督になれるんだって

「貴方は? 私に名乗らせておいてそっちは名乗らない訳?」

私は尊大にそんな風にいってやる。日本人は奧ゆかしさを的にしてるようだが、こっちではそんなの舐められるだけだ。だから男相手だからって強気にいく。

まあ相手は勿論みる。私の勘が言ってる。こいつはらしさを武にしてはダメだ――と。見た目的にも直的にもこいつは、食系だ。だからある意味、の武が通用する相手だろう。でも、それは自分を獲として差し出すのと一緒だ。

こいつに餌と思われたら、食われるだろう。それこそ理的に。絶対に強引そうだし、やった後デリカシー無いこと言いそうが凄い。まあ私の場合は大相手の方がへばるんだけど、こいつはやけに筋がある。きっとモテる為に鍛えてるんだろう。

いるいるそう言うやつ。確かに私も筋好きだけど……そういうのはちょっと暑苦しくてね。だからって筋が純粋に好きな奴はもっとヤなんだけどね。だってここの筋が……とかうるさいし。そしてやけにこっちにも筋トレを進めてくるっいうね。いや、今は関係ないか。

「はは、流石我が強い。嫌いじゃないぜそういう

うーん、なんか目をつけられたじがする。でもこれはちょっとしょうがない。私クラスのになると、男なら誰でも抱きたいと思うものだ。だから実際、強気に出ても、を見せてても同じだったと思う。いや、そう思う事にする。

今更こいつに対する態度を変える訳にもいかないし、こいつが先生の作品の監督じゃないことを祈ろう。けどそれは數秒後に砕け散る。

「俺は『バッシュ・バレル』だ。監督をやってる」

「バッシュ・バレル……あんたが」

こいつは確かまともな映畫って作ったことないんじゃない? けど別段この業界にさほど詳しくない私でもその名を知ってるのは、こいつの作品がネット上でバズってからだ。こいつは大、五分とう十分の短めの畫を投稿してたやつだ。

本當ならただの投稿者だ。監督なんて今でもおこがましい肩書ではないだろうか? だが、こいつは確か最初から自分の事を監督と名乗って、自分のあげた投稿畫は全て作品だとのたまってた。まあネット上にはそんな自意識過剰な奴は五萬と溢れてるだろう。

普通なら小さなコミュニティで細々と続いてくか、やっぱりここは俺の居場所じゃないとかのたまって消えてくか……だったはずだ。けど、こいつの畫は話題になった。今や毎日數多ある畫が投稿され続けてるこの時代に、突出して主張したんだ。

なんでも最初はどっかの定額制の畫サービスにいきなりこいつの畫が流れたとか? なんか新作の予告かと思われてアクセスびてそれがきっかけになったとかなんとか記事で読んだ。まさかこいつが初めて撮る長編作品が先生の作品になる……の?

それは……ちょっと……いや、かなりの冒険じゃない? 私ははっきりと反対したいね。

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