《聲の神に顔はいらない。》68 クリエイターはぶつかり合い

「これは……オホン」

「へへ……やっぱまだ諦めるには早いか」

なんかバッシュ・バレルから不穏な言葉が聞こえた。こいつは此花さんに全く相手にされてないとわかってあきらめれたじだったんだが、食系のが騒ぎだしたらしい。案外いける奴といけない奴をかぎ分けてて、いける奴にしか行かない系だったのかもしれないが……その格を超えて今の此花さんは食いたいと思わせてしまったらしい。

こんな派手な街で監督……というか、それっぽい事をやっててをたくさん食ってるだろうに、そんな奴の本能にまで訴えかける此花さんの魅力がヤバイ。

ちょっとしたイタズラ心だったんだ。けど後悔はしてない。なにせこんな此花さんが見れたんだからな。

取り敢えずバッシュ・バレルの興味を此花さんから離さないといけない。

「自分の作品を読んで頂けたなんて栄です。貴方の作品には興味ありましたよ」

「お…おおぅ。いやこっも有り難いぜ。あんた中々良いもの持ってるな。まぁ、俺には敵わないがな!」

そういって、遠慮なく笑うバッシュ・バレル。その時此花さんが呟いたのを自分は聞き逃さなかった。

「何が中々よ、先生のほうがアンタなんかよりもよっぽど……」

小聲だったからバッシュ・バレルには聞こえてないだろう。それは彼には幸運だったかも知れない。何故なら、今の此花さんの目は凄く鋭いものだった。

チラッと見た自分が震えるくらいには凄い眼だった。

「調子に乗るな。全てを決めるのは彼だ。お前はしはを売ってたほうがいいんではないか?」

そう言うのはバルクさんだ。けど自分にそれだけの権限があるのかは正直不明じゃないか?

確かに日本では原作者の力はとても強い。原作者がnoと言えば例えその作品が出來上がってたとしても放映も出來なくなる。

自分はそんな我儘通したことはないが……それは自分が々と恵まれてるからだ。最初に念にり合わせを行うし、そもそもが此花さんとかがちゃんとした所に仕事を振ってくれる。

ちゃんとした所ってなんだ? 普通どこもちゃんとしてるだろう……と思うかも知れないが、あるんだなこれが、ちゃんとしてない所が。

――と、なんか話しが逸れたな。今は日本の事よりもハリウッドの事だ。実際自分がそこまで権力があるのかと……だって今の自分、完全にバルクさんにおんぶにだっこだぞ? これで権力があるなんて……ね。いや、確かに納得できない事を語に組み込むことはない。そして自分のイメージを現化できる相手が絶対條件だが、願わくば自分の想像以上のものを作り上げてくれたりしたらこっちも嬉しい。

でもそれがこの目の前のバッシュ・バレルか……というとまだ判斷はできない。でも彼の作品を見て、自分は素直に「凄い」とそう思ったのも事実だ。もしかしたら彼となら……予想外の化學反応が作品にも起こりうるかもしれない。

「ははっ、耄碌したかジジイ? 俺がを売る? 俺に仕事を持ってくる奴は俺の作品に惚れてんだ。俺がへりくだる必要は一切ねえ!」

ドドドン! という効果音が聞こえそうなほどに自信満々にそういうバッシュ・バレル。それだけ斷言できる彼のその心はうらやましい。けど……絶対に彼を監督にしたら々とぶつかることになるなって確信した。

そんな時だ。周囲の人々の視線を集めてオーレライが再びきた。

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