《聲の神に顔はいらない。》73 世界は平等なんかじゃない
「匙川さんって聲だけですよね」
「ケンカ売ってる?」
そうなるよね!? いきなり聲だけって言われたらそうなるよね!? いや、実際そうなんだけどね。けどこう直で言われるとね……しかもまあ靜川秋華は年下なわけだし……いや、年功序列なんてくだらない。そう思ってるよ。
なにせ聲優界は実力主義だ。実力と人気を兼ね備えた奴が偉いのである。だから実は靜川秋華に逆らって得することなんてない。今の模範的な回答はきっと――
「えへへ、そうなんですよ~。もう本當聲だけしかないんですー。靜川秋華さんは全部あってうらやましいですー」
――とかだろう。自分を貶めて靜川秋華を上げなければならない。それが社會というだ。けど咄嗟に私は反抗してしまった。あの靜川秋華に……
「あっ、いや実はその通りだけと……私なんて聲だけなんて當然だけど……その……」
「いえ、気を使わなくてけっこうですよ。ちょっと本音がれただけですので」
そう言って笑って許してくれる靜川秋華。と良い奴……なんて思わないよ。だって本音って堂々言ってるし。まあある意味、靜川秋華の様な奴はわかりやすくていいけどね。ずっとずっといい子の皮を被ってるよりもこうやって本音をさらしてくれた方が、こっちとしてはありがたい。
「でも、その聲が凄いのも事実じゃないですか」
「私は……ちょっとは容姿にパラメーターを振ってもよかったと思いますけどね」
私の人としてのパラメーターは聲だけ突出しすぎだと思う。もうし容姿にもパラメーターが振ってあったら、きっともっと生きやすかっただろうと思わずにはいられない。
「けど、それじゃあきっと先生の関心は引けなかったと思う。今の匙川さんの聲だから先生は……」
「先生?」
先生とはどの先生かな? 私達聲優からしたら先生なんて一杯だ。今の作品の原作者さんだろうか? けどその人は一度も現場に顔出してないんだよね。先生といわれて真っ先に思い浮かぶのはあの人だ。今、一番売れてるあの人。
「まだ海外でしたっけ?」
「何で!?」
めっちゃビビった。だって靜川秋華が凄い勢いでを詰めてきたからだ。なにその勢い。どういうことなの?
「何で先生が海外だって知ってるの?」
どうやら私が思ってた先生と、靜川秋華が言ってる先生は同一人のようだ。なるほど……確かに普通は先生とのつながりなんてアニメ期間中だけだろう。私が先生の事を知ってるのは不自然だ。あの人、SNSもあんまりやってないしね。
どうしよう……けど、ん?
「どうしてそんな事気にするの?」
それである。だって私と先生の関係が珍しいものなら、今先生の事を知ってる靜川秋華も珍しいのでは? 私の言葉に、靜川秋華はもじもじしだす。
「それ……は」
「靜川さんってあの先生の作品に出た事なかったですよね?」
「あ、あるし! 最初の頃に一度だけ……」
あるんだ。てかこの反応はもしかして……この靜川秋華よりも全てを持ってる奴がいた……それはあの先生である!!
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