《聲の神に顔はいらない。》84 VoLTEが全てを伝えてくれる
「宮ちゃん?」
最近はまずはラインが一般的だ。いきなり電話なんてビックリする。まぁさっき、電話しようとしてた私が言える事じゃないけど。だってあの靜川秋華だし。
意味が分からないが、なんか電話しか頭に無かった。そもそも私はラインだってあんまりやる人いないんだ。
スマホは報ツールであり電話なのだ。けど、こと現代っ子の篠原宮ちゃんにとっては私の覚は當てはまらないはずだ。
彼はちゃんとした子高生でありそしてどちらかと言うとリア充側の人間だからだ。そもそも最近は宮ちゃんとばっかり他もないラインをしてるといっても過言じゃない。今まではハコさんが一番のライン相手だったが、今では宮ちゃんが優勢だ。
うん、私のライン相手そのくらいだね。一応先生とかもあるけど……蜘蛛の上の存在だからこちらからラインなんて出來ない。向こうも別段送ってこないし……ただ換しただけだね。
靜川秋華もラインは知ってる。でも靜川秋華は常に複數のSNSに呟いてるからね。しかも結構別々の事を呟いてる。面倒な事をやってるものだと思う。仕事なくても忙しそうである。そんな靜川秋華からは時々変なラインが一方的に來る。
意味がわからない。そして本當の要件の時は靜川秋華は電話してくる。だからだろう。私も電話をしようと思ったのは。
「とりあえず出てみるか」
あんまり宮ちゃんを待たせるのもわるい。靜川秋華に電話を掛けるのとは違って宮ちゃんなら気軽だ。宮ちゃんは段々と、著実にアニメの本數を増やしてる。前はちょくちょく會ってたが、今はもう月に一回合えればいい方だ。
ホップステップジャンプってあるじゃん? あれのジャンプ段階にってるのかもしれない。ブレイク――そんな兆しを宮ちゃんからはじる。まあ、あの子可いからね。見た目良し、聲良し、格良し――で非の打ち所がない。
ブレイクする要素しかない様な子だ。きっと嬉しい事があったんだろう。それをこうやって私と共有しようとしてくれる優しい子なのである。私の様な不細工に言ったって水差すだけじゃないか? とか思うのは私の心が汚れてるからだろう。宮ちゃんは純粋なんだ。
聲優仲間の私とその喜びを共有しようとただしてる――それだけだ。
「はいもしもし、宮ちゃん」
「ととのさん……」
あれ? 私は電話越しに違和に気づいた。私は嬉しさのあまり宮ちゃんが電話を掛けてきたのだと思った。でも……電話越しに聞こえる聲のテンションはかなり低い。てか、こんな聲の宮ちゃんを始めてだ。聲に乗って宮ちゃんの今の姿まで見えてくるよう。
恐るべしVOLTE。綺麗な音はまで赤々にしてしまうのは私達聲優なら周知の事実。
「なにか……あったの?」
私は意を決して宮ちゃんにそれをきいた。宮ちゃんが悲壯にくれてる姿が電話の聲を通じて見えてる私には、それを聞かずにいられない。しばし、間が空いた。もしかして電話を置いてどっか行った? とか思うくらい間だ。
けど私にはわかってた。小さいけど、宮ちゃんの吐息が聞こえる。そして時折しゃくりあげる様な音も……きっと宮ちゃんは泣いてる。私はただ待った。宮ちゃんのペースで話せるように。
「私……聲優をやめようと思います」
その音は、跳ねる様な彼の聲とは思えない思い聲となって私に伝わってきた。
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