《聲の神に顔はいらない。》92 魔の男がやってきた

宮ちゃんの事務所の社長さんは私の願いを葉えてくれた。流石は聲優大手事務所だけはある。仕事が早い。

私は次の日にはマネージャーと一緒に宮ちゃんの、事務所を、訪れていた。

「あまりビクビクしない。そんなしてたら怪しまれるだろうが」

「わかってますけど、家の事務所と全然違うじゃないですか……家なんてボロいビルの數階を借りてるだけですし」

「おい、それ以上言うなよ。悲しくなるだろ」

わかってますよ。だってそれは自分自にも刺さる刃だし。だからこれ以上自の會社のデスりはやめた。

やはり大手はってから直ぐに違いが分かる。まぁ本當はる前からわかってたけど……なにせビルがデカかったしね。もうなんかオシャレだし、付のお姉さん人だし……あなた達はモデルですかと聞きたかった。

「あれは絶対に顔で採用してますよ」

「君では絶対に採用されなさそうだもんな」

「あはは、何言ってるんですか? 私ならそもそもこんな場所けませんよ。自覚してるんで」

「あはは」

「あはは」

「「…………」」

なんか虛しくなってくる。なんで他の事務所の會議室みたいな所で自しなくちゃいけないのよ。私達は勿論アポイントメントを取ってたから、ここに通された。會議室もとても広い。それに景もいい。そこでそわそわして、変な會話した結果がこれだよ。私達は二人共そんなに會話が上手じゃない。私もマネージャーもいつだって簡単なやり取りしかしてないんだ。

それなのに……早く誰か來て……そんな事をきっと私達は思ってる。するとガチャッと重厚そうなドアが開く。するとなんとまたもや社長さんがやってきた。

「うげっ……」

そう言って目ん玉向いてるマネージャー。この人もこんな反応するんだ。ちょっと面白い。そう思ってる更にもう二人位、なんか社長が引き連れてきた。あれが、ラジオの腳本の人? でも社長が連れてくるだろうか?

「すまないね。待たせてしまって」

「いえ、手早いご対応……ありがとうごさいます」

私はまじめに対応する。これでも一応、そう一応社會人だ。このくらいは出來る。勿論ボソボソと喋ってるんだけどね。

「このくらいは當然だよ。なにせ篠塚君を私達はとどめる事が出來たんだからね。君には本當に謝してるんだ」

そう言って渋い顔に笑みを見せる社長さん。ヤバイなこの人……これが大人の魅力と言うやつか。先生もかなりできた人だが、この社長さんもかなり出來てる。てか若くして社長になって禮儀も正しく、渋面で……絶対にこの人モテるだろうなってじだ。

まあ若いと言っても四十くらいだろうけどさ。社長にしては……若い方だ。

「ま、まさか織田社長がいらっしゃるとは……」

「ははは、かしこまらずに楽にしてください。これはお禮なのですから」

ヤバイ……年上の魅力にやられそう。私を見ても眉一つ下がらないなんて、なんて出來た人なんだろうか。先生も……うん、今だからいうと先生もかなり衝撃だった。でも、大人の魅力が……それが先生よりも一段と漂ってるじ……これが魅力に酔うと言うやつか?

……とかいうことあるけど、この人絶対に魔の男とかだ間違いない。だってこの私がドキドキしてる。おかしいな……この前もあったんだけどな。なんなのこれ?

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