《聲の神に顔はいらない。》353 わかって無いようで、わかってる奴だった

「うお……」

前に來たときと明らかに雰囲気が違う。それをった瞬間、如実にじた。だってこの前來た時は、このスタジオはほぼ死んでたといっていい。活気なんてなく、スタッフも……そもそもが使ってる機がなそうではあった。でも今や……いやスタッフ的にはそんなに多いとはいえないが、慌ただしくいてる。てか多分、人手が足りてない。多分今必死に人を集めてると思うが……なにせアニメの制作ってやつは、たくさんの人の力が必要だ。

確かに自分は原作者で、発言力とかはとても高い。だが、だからって自分がアニメを作れるわけはない。絵さえ掛けないし。でも絵描く人たちでもアニメにはならなくて、本當にアニメにはとてもたくさんの人達の力が合わさってアニメというものは作られてる。だからこのスタジオだけで完結するわけはないんだけど……それにしても大丈夫? って気はする。一応自分の作品だしな。気になるは気になる。一応此花さんがスーパーバイザー的に野村さんとみつに連絡を取り合ってるらしいから大丈夫だとは思う。

この狀況を彼が許すわけはない。それに彼の厳しい審査をクリアしたんだから、この狀況は今だけ……いや、どうなんだろう? 流石にスタジオにまで足を運ぶって今回が初めてだからそこら辺は実は自分もよくわかってない。だって原作者が呼ばれるのは話の大元の流れを決めたりして、後は設定を詰めて……そして後は見遊山のアフレコ現場を冷やかしたり……くらいしかない。

それに今までは作品を任せるところは基本大手だったし、それにその大手も自分の作品を作る時は、とても気合をれて予算だって多分多く投してたと思う。でも流石にこのスタジオに大手ほどの予算を期待するのは無理がある。一応実は自分自も個人で出資はしてる。自分の作品を出してる出版社も大口のスポンサーにってくれてるが、流石に今回は多くは製作委員會って奴は集まらないと思うし、それを待ってる時間もなかった。だからポケットマネーからね。

一人暮らしで豪遊もしてなかったら、お金なんてたまる一方だったからある意味良い使い道だろうとは思ってる。

「おう、先生。何かようか?」

「何か様か? じゃないですよ。そっちがリモートじゃ真面目にしないからでしょう」

「真面目? ははっ、お偉い先生は真面目って事がわかってないらしい」

「どういう事ですか?」

「ようは、俺はすっげえ真面目なやつってことですよ」

そう言って酒井武雄は絵コンテも出してきた。どうやらさっきまで描いてたらしい。自分が來たっていう事で、対応できそうな人が誰も居ないから監督、兼社長である彼が出てきたんだろう。とりあえず、その紙をけ取って容を見てみる。するとすぐにそれに目が釘付けになった。

そして次々と次の紙へと流れていく。そして最後の紙を読み終り、もう一度最初から見た。計三回は見直した。そして……酒井武雄を見る。

「どうでした?」

「悔しいけど……良かった。ちゃんと自分がんだに……いやもっとよくってると思う」

「それは良かった」

「けど……どうして?」

「どうしてって、そんなのちゃんと先生の言うことはここにってるんで。ないがしろになんてしませんよ。ちゃと先生の事は尊敬してますし、それにこれはどこまで行っても先生の作品だ。だからちゃんとに刻んでるんですよ。それでも俺は個ってやつをだしますけどね。そうじゃないと、俺が作る意味がねえ!」

そう行ってしてやったりって顔をする酒井武雄。この人は……なら普段からもっと真面目なじでお願いしたい。こっちだって々とやり方変えて不安なんだからな。

「ならもうちょっとリモートでも真面目に……」

「俺にはあれで問題ないんですよ。わかったでしょ?」

「まあそうだけど……」

「もっと俺達を信頼してくれてもいいんじゃないですか?」

お前がいうか……てかそのやり方だから、潰れ掛けてるんだろうが。でもきっとこの人はこのやり方を変えられない人なんだろう。確かに才能はある。でも自分の中の才能だけでもアニメって作れない。一人の天才で良いものになるわけじゃないってもアニメの難しいところだ。

そこは酒井武雄の後ろにいる野村さんとかに掛かってるのかも。あの人にも個人的に差しれとかしたほうがいいいかもしれない。そんな事を考えつつ、いい機會だから、さらに々と酒井武雄と話し合った。

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