《聲の神に顔はいらない。》354 頑張ってる人にご褒をあげよう
「これをどうぞ!」
自分はあの後、野村さんにも會うことにした。このアニメの全的な監督は酒井武雄だが、このアニメを功させることができるどうかの鍵を握ってるのは野村さんだと思ったからだ。酒井武雄はさっきあった限り、生き生きとしてるようだった。ようやく自分の思い描くアニメを作れるって事で、生き生きしてるんだろう。本當なら、オリジナルアニメを作りたいじゃないかと思うんだけどね。なにせ酒井武雄は自己主張が強いタイプだ。そういう人って自分っ気ってやつを作品の中に出したがる。それが原作付きのアニメではオリジナル要素って事で、たいてい悪い方向に出ちゃったりするんだよな。
自分は自分の作品でも監督っ気って奴が出るのはいいと思ってる。ただのコピーを求めてるわけじゃないからだ。原作は自分にしか作れないものだが、アニメは自分だけでは作れないものだからだ。まあけど評判が悪くなる、ただの勝手な改悪は流石に許しはしないけど。作品を全く理解せずに改変したら、それはもう元の作品ではなくなってしまう。それに作品のコアな部分を崩すとかだ。
そんな事があり得るのか……という思いもあるが、この業界ではある。なにせ今やアニメは供給過多だ。次々とアニメは作られてる。作品の出來よりもスピードを重視してるのもある。幸いにも、自分の作品はスピードよりもクオリティを取ってる方だからそれは今の所無い。おかげで評判もいい。
でも今回は今までにないくらいに時間がない。スピード勝負と言っていい。クオリティと納期のバランスをどこまでとるか……そこには多分妥協が必要になって來るだろう。こうやって自分と酒井武雄がいくら話し合ってもなかなか前に行けないとなると、制作は始められない。そうなると、作品は完しない。それだけはだめだ。いや、はっきり言えば、原作者としては納得行かない作品が世に出るくらいなら放送なんてしなくていい――って思う。でもそうはいかない。
なにせアニメにはたくさんの人が関わっていて、放送されなければ、いろんな人に迷がかかるからだ。
「それにしても……忙しいそうですね」
軽く居酒屋にった自分たち。とにかく奢る気満々でビールとか料理を頼む。なにせ野村さんは顔がヤバい。ヤバいんだけど……
「それはもう……ですが、楽しいですよ。なにせ、ようやくあの人が夜に出れる。監督として」
「本當に好きなんですね」
「あの人が作る、アニメが……ですけどね」
それはなに? 暗に人としては好いてないっていってる? まあなんとなくだけどわかってたけど、直接は聞きたくなかった。けど、それでもずっとこの人は酒井武雄を支えてきてた人だ。そして今もこうしてヤバい顔してるのに、目はなんか爛々と輝いてるんだ。多分この人は今、自分で神アニメを作ってると確信してる。それを確信してて、そして楽しくて仕方ないみたいな……まるで年みたいな目をしてる。
まあだからちゃんと食べてもらわないとヤバそうと思う。だから自分は提供される料理とかを次々と進めていくことにした。こっちの方が立場上なんだけどね。けど傲慢な仕草なんて自分には似合ってないし、たまにはこういうのも悪くない。
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