《聲の神に顔はいらない。》360 酒の肴と疑心

「いやー酒も味いですな〰」

徳利から酒を煽りながらそのお偉い人はその顔を上機嫌に赤くしてる。いいじに酔いが回ってるようだ。するとそのお偉いさんの隣に寄り添うように座ってるがこっちに視線を送ってくる。

(あれはそろそろイケるって合図!)

あのレンタル彼的な人も當然こっちが手配した訳で……そういうお仕事を普段からやってる人の覚ってやつも自分は宛にしてた。いや、普通に此ノ花さんのアドバイスだけどな。

自分はそんなに他人の機微に敏な方ではない。なにせこういう仕事柄、そんなに他人と接するということが普段からはあんまりないからだ。だからそういう自分で出來ない事は他の人に任せることにした。

普段からいろんな男と接して々とやってる彼なら一番のタイミングを察する事が出來る。その思は當たりだろう。

「そういえば……」

自分はまずはそっちの會社の現狀から話を振っていき、そして自然とこっちの話しに持っていく。勿論、要所要所で向こうを持ち上げる事を忘れてはならない。

「いやーやっぱり皆さんの安定と言ったら……最近はそれを実する日々です。本當に何も心配いりませんでしたからね」

「ははは、それはそうでしょう。なにせ我社にはそれだけの実績と積み上げてきた信頼がありますからな! こちらからお願いすれば、皆首を縦にふってくれますよ。

この業界、一番大事なのは信頼ですからな!」

「ええ、本當にそう思います」

まるでこっちがそっちに寄り添うみたいに……そしてその大切さとありがたさを噛み締めてるかのように言って持ち上げる。更にと連攜して、次々と酒を回す。

「こちらは今、本當に大変なんです……」

そこで疲れた様に、けど重くならないよに、軽いじのトーンでそう言うよ。はっきり言って今のはちゃんと聞かれて居たのか……屆いてたのかわからない。でもそれでいい。ほしいのは言質である。

「まあ、それはそうでしょうな〰先生のぉ、作品をアニメ化するのは難しいですからなぁ〰」

そう言ってどんどん酒は減っていく。

「やはり富な人脈を生かしてくれてたんですね。実します」

「ええ、ええ、そうですとも。それを……いやいや、先生の決めたことに反論なんてないですよ」

今ちょっと本音がれてたな。でもまだ酒に飲まれてるってほどでもない。丁度いいじだ。完全にベロンベロンに酔わせたら、記憶なくなってしまう。それはこっちの狙いと違う。

「でもいい勉強でもあります。それに自分は自分の作品を捨て駒にしてるつもりはありませんよ。皆さんが納得できるくらいのを作って見せます」

「お若いですなー。いや、流石です先生! 先生にはいい作品をたくさん作ってもらってそれをこっちにも回して頂きたいですからな!」

「がんばります。皆さんの事も頼りにしてるので」

「ええ、ええ、大いに頼りにしてください!」

「業界を盛り上げるためにもたくさんのスタジオが活化してしいものですね」

「そうですな。そういう事も必要でしょう」

「ええ、でもなかなか今組んでるスタジオだと、人材を確保するにも大変そうで……」

「ほうほう、まあ吹けば飛ぶようなスタジオではそうでしょうな」

なにやらピクピクと鼻のいてるぞ。この人の特徴か? 興味は引けてるのは間違いない。

「ええ、それもそうですけど……何やら妨害をされてるようでして」

「なんとまあ、くだらない所もあるようですな」

「まあそうかも知れないというだけです。証拠は何も。それに別に特定できても何か出來るわけもないですしね。ただ」

「ただ?」

「自分の中にとどめておくだけです」

「そ、そうですか」

その後、自分たちは「あははははは」と笑い會った。これで良い? これでいいのか此ノ花さん? よくわからないけど、上手くいったと信じよう。

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