《聲の神に顔はいらない。》372 運命の日 7

 「ととのちゃんもやっぱり來てたんだ〰ライバル?」

「違う……から」

フレンドリーに話しかけてきて、いきなり鋭い眼を向けるのはやめてよね。それに私が靜川秋華のライバルになり得るって本當に思ってる? いや、こいつなら先生の事で冗談とか言わないし、本気なのかもしれないけど……でもゴメンだけど、私があの人に釣り合うなんて思えないから……そこは安心してほしい。

実際立場とか容姿とかを考えると、靜川秋華はいい線言ってると思う。けど、もっとアピールの仕方は考えた方がいいと思うけど。

「なんの話ですか?」

「こっちの話よ。宮ちゃんも來たんだね。まあ、先生の作品のオーディションを見逃すはずはないよね」

「えっと……靜川さん的には、私は……その……」

どうやら靜川秋華は宮ちゃんとも面識が會った見たいだ。まあ宮ちゃんは今來てるからね。たくさんのアニメにも出てるし、んな仕事をやってたら同じく……というかそれ以上に忙しくしてる靜川秋華と仕事が被るのは考えられる。知り合わないわけがない。

むしろ靜川秋華が私へと真っ先に聲を掛ける方がおかしい。だって私はちょっと話題にはなったけど、ここ數ヶ月で再び鳴りを潛めた……その程度の聲優だ。周りからも宮ちゃんとかは『あの子ほら』とか聞こえるが、私なんか『誰あのブサイク?』である。

此の違い……もう慣れたけどね。

「私は靜川さんのライバルにはなりえませんか?」

おお……なんか宮ちゃんが私の服の裾を握りながらそんな事をいいだした。そんなライバルって部分に引っかかってたの? でもライバルっていうか、ここの所、ポスト靜川秋華とか宮ちゃん言われてるよね? めっちゃ良い扱われ方してると思う。

「宮ちゃんの事はライバルというか? 妹みたいな?」

「ライバルは私よね靜川さん」

「あー、えーと確かととのちゃんの後輩の」

「淺野芽依――何度も……そうそこの先輩よりもお會いしてるはずなんですけど……もう靜川さん覚えてくださいよ〰」

「ごめんなさい。なにせ淺野さんそういうキャラだから。そっちのほうが味しいのかなって」

「私は蕓人ですかぁ? やめてくださいよー」

そんな風に淺野芽依もって喋ってる。けど……あれ淺野芽依の奴、結構頭きてるんでは? たって蕓人扱いだし。口ではキャピキャピしたじを貫き通してるが、絶対に「この野郎潰してやる」とか淺野芽依なら思ってるだろう。

「へくちっ」

別になんでもいいけど……早く中にはいって溫まりたい。そんな事を私は思ってた。

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