《終末デイズ〜終末まで殘り24時間〜》椎名 蒼の章:5
「はぁはぁはぁ、ふっっ!」
一呼吸置いた私は限界まで淺く鋭くした刺し面を紅菜の元をつくように放った。
「かあぁっ!」
その一撃に驚愕した紅菜はすぐに竹刀で刺し面を払うために右手を左上に跳ねあげる。それにより紅菜の右腹、つまりの有効打突部位が曬されたのだ。
「ぅぉぉぉぉぉ!!」
私はこれを狙っていた。
9月に開かれた県大會ではここで私は対応することが出來ず、そのまま面を打たれてしまった。しかし私だって反省をして長することができる。最初から私はこの流れに導し、この一瞬を狙っていたのだ。
(もらった!)
確信した一本。
しかしその一本はたった一言によって負けの一本となった。
「ほい、面」
その瞬間頭にそっと降ろされる一本。
9月の大會の時とは違い、その一撃はとても優しくて痛かった。
私の放った渾のは無慈悲にも彼の曬した有効打突部位にはれていない。
あっさりと一本取られてしまった。
私は、岡本紅菜に今日初めて敗北した。
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