〈奏太side〉

出席番號1番だから、當然1番前

並ぶ場所に迷うこともない。

2組の1番前っと。

程なく隣に1人のの子がやってきた。

あ、多分｢赤井 來蘭｣さんだな

その瞬間俺は、彼から目が離せなくなった。

彼の纏う、そのゆるふわな雰囲気と、どこか憂げながらも芯の強さをじる凜とした瞳にノックアウトだった。

もう絵に書いたような一目惚れだ。

彼は俺に軽く會釈をすると、すっと正面を向いた。學式が始まったが、校長の話など一切耳にってこない。ただただ彼をみつめていた。

校長の話が続く中、彼が一瞬こちらを向いた。

あまりにも俺が見つめていたから、彼も視線をじたんだろう

映畫のワンシーンのように、スローモーションで彼がこちらを向き、數秒、ほんとに數秒お互いにみつめあったあの瞬間、すべての音が消え、時が止まり、2人だけの世界になったような気がしたんだ。

天に召されるその時に、思い出すのはこのシーンだと思う...

それだけ神々しい瞬間だったんだ。