《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》メジャーデビューへ 4
無意識にここへ來ていた。
なんだかしこの匂いが懐かしい...
〈リハビリルーム〉と書かれた扉をそっと押し開け、沢山のリハビリに勵む患者さんの中に彼の姿を見つけることは容易いことだった。
(「紫音先生!」)
聲にはならなかったのに、先生は振り返った。
もうその瞬間に、大量の涙が溢れてきていた。
「來蘭!どうした!」
わたしはもう無我夢中で泣きながら紫音先生に駆け寄った。
(「助けて!聲が出ないの」)
伝えたいのに、聲にならない...
ただならぬ狀況だと察した紫音先生は、部屋の隅に連れてきてわたしを落ち著かせた。
聲が出ないことをどうやって伝えたら...
あ、スマホ!
スマホのメール畫面に文字を打って紫音先生に見せた。
『聲が出なくなってしまって、逃げてきた。助けて』
それを見た紫音先生は、何も言わずにわたしを抱きしめた...
「それで俺のところへ來たのか...よく來た...よく來たな...えらかったな...」
抱きしめられながら耳に屆いた紫音先生の聲は、心なしか涙聲だった。
(「逃げてきちゃった...どうしよう...きっとみんな心配してる...」)
スマホの畫面に打った。
「心配すんな...瀬名に俺から連絡してやるから...今日はここに居ろ...」
わたしはコクんと頷くと、目の前に居た紫音先生に抱きついた...右耳を當てた先生のから聞こえる心臓の音は、わたしを落ち著かせた。先生はそのまましばらく黙って抱きしめて、髪をでてくれた...
紫音先生がリハビリトレーニングの仕事をする姿を、部屋の隅に置いてある鍵盤キーボードの椅子に座って眺めていた...
気が付くとわたしは、リハビリトレーニングをする紫音先生の側で、アシスタントをしていた。
午前中のメニューがすべて終わる頃には、じっとりと額に汗が滲んでいた。
「ほら、飯食いに行くぞ!」
紫音先生に連れられて病院の食堂に來ると、食券機の前で
「好きなもの食え」
と言う紫音先生。
ぶっきらぼうだけど、どこか優しいこのじが、あの頃心地よかったことを思い出す...
「おばちゃーん!今日の定食なにー?」
でっかい聲で聞いてる。
「今日はあんたの好きなアジフライだよー!」
おばちゃんからもでっかい聲が返ってくる
「やった!アジフライだって!」
子供みたいな顔して喜ぶ紫音先生が、なんだか可かった。
「來蘭も食え!味いから!」
好きな食えって言ったのに、先生は定食の食券を2枚買った。
當たりのいい窓側の席にトレーを2つ並べて座ると、
「ほら、これ好きだろ?俺のもやるよ」
と言って、『桃ゼリー』をわたしのトレーに置いた。
あの頃、この『桃ゼリー』をよく持ってきてくれたっけ...
不意に溢れた涙を慌てて拭うと、紫音先生はわたしの頭をくしゃくしゃっとして
「ほら、食え..食えば元気出る...」
そう促されて食べたアジフライは本當に味しくて、その味しさにまた涙が出た。
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