《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》next stageへ 7
東京ドーム公演を目前に控え、リハーサルの方も佳境になっていた。
セットリストも決定し、バンドのグルーブも日に日に増して來ていた。
ただ、唯一気になるのは來蘭の調だけだった。
相変わらずあんまり食べれないようで心配だったが、加奈とスタッフが、しっかりサポートしてくれているから大丈夫!と言うので、口出しはせず見守ることにした...けど...やっぱり心配で...
今日は、ゲネプロの為に福井県にある『福井サンドーム』に來ていた。
この會場は、東京ドームを5分の1サイズにしたような會場で、しばしば東京ドーム公演のゲネプロ會場として使われるのだ。
ゲネプロを前に、ステージセットを確認する。
メインステージ中央から真っ直ぐにびる花道の先に、センターステージがある。
ライブ中、このセンターステージに行けるのは、來蘭と介と加奈。
俺と優輝は、ここに來ることはない。にも関わらず、メインステージからセンターステージまでの花道をゆっくり歩いて確認する俺の様子を舞臺監督の淺川さんが首を傾げて見ていた。
「丁度良かった、淺川さんに伝えておきたいことが...」
ゲネプロは、無事に終わった。
來蘭の調子も悪くなかった。ひとまず安心した。
福井と言えば越前ガニ!海の幸!
だけど...來蘭の食は...
めっちゃ食べてる!
「來蘭、食戻ったのか!良かった!
蟹そんなに好きだったんだ、來蘭」
「蟹...も好きだけど...蟹酢だけ飲みたい...」
「蟹酢?」
「ほら、もう、來蘭!そんなに一気に食べると障るから...はい、ほらグレープフルーツジュース」
世話を焼く加奈
障る?...
そういえば最近、グレープフルーツジュースばっかり飲んでるなぁ...前はいつも『いちごみるく』だったのに、ここの所とんと飲んでる姿を見ていない...好みが変わったのかな?
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