《(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~》ボルケイノの地下室・3

さて。ここでこう話をこじらせようとグダグダしていたって正直な話何の価値も無いことは俺にだって解っていた。

しかしまあ、恥ずかしい話ではあるが、心の踏ん切りがつかなかった。ただ扉を開ければいいだけの話なのに、それだけで良かったのに。しかしいざ行に移そうとなると難しい話だった。致し方無い話ではあったかもしれない。だが、それは紛れも無い事実だった。

「……いつまで考え事をしているのよ。こんなことをしていたら、あっという間にまた一話使い切るわよ?」

「一話って何のことだ?」

「さあ?」

トボけられた。

まあ、大何となく何が言いたいのか解るわけだが。敢えてあまり突っ込まなかった、と言っておこう。

閑話休題。

いずれにせよ、先ずは目の前にある地下室について考えなければならない。その地下室はいったい何があるのだろうか。流石に俺がここにってきたときも、メリューさんはその場所について教えちゃくれなかった。

半年も経過しないと使わないようなものなんて、いったい何が該當するのだろうか?

「……とにかく」

俺は息を吐いた。

いずれにせよ、前に進まねば何も始まらない。

そう思った俺は、ゆっくりと地下室へと続く扉、そのドアノブを回した。

開けた途端、風が吹き込んだ。

そして地下深くへと階段が続いていくように見える。その階段は明かりなど無かったから、その先は永遠にも続いているように見えている。

「……ここに倉庫があるのかよ?」

「そんなこと、解らないわよ。……けれど、メリューさんが言ったから」

「そう言ったなら、しょうがないか」

頭を掻いて、俺は言った。

たぶん間違っていないとは思うけれど、再度そこについて確認したのは俺の中でも恐怖が殘っていたからだろう。

そして俺は、その地下へと向かうため、階段をゆっくりと降りていくのだった。

◇◇◇

地下室の先は、ほの暗い空間となっていたが、しかし何か明かりを點けるような必要は無かった。

「……何とか見えないことは無いけれど、がたくさんあってよく解らないな……」

そこは倉庫だった。

棚にはたくさんの品がっているが、今の暗い狀況ではどれが何だかさっぱり見分けがつかない。

「ところで、メリューさんからは何を頼まれたんだい?」

「ええと……確か」

そうして、サクラがその材料を言おうとした――ちょうどその時だった。

ぼんやりと、倉庫の奧に何かっているものが見えた。

「……何だ、あれは?」

「ええ!? どうしたの、ケイタ。まさか、あんた変なもん見つけたんじゃ……!」

「いや、そうじゃ……うん、そうかもしれないのか?」

とにかく、怯えているサクラには憶測でを伝えないほうがいいだろう。

そう思って俺はゆっくりとその源へ近づくべく、倉庫の奧へと歩き始める。

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