《(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~》冬の風詩・中編
「……別に食べられますけれど?」
「よし。ならば問題はない。ちょうど、品をどう処理しようか悩んでいたところだ。君たちが問題ないのであれば、そのまま進めてしまって構わないかな?」
「それってつまり……モツ鍋にしよう、ということですか?」
「それに何か問題でも?」
いや、別に問題なんて無いのだけれど。強いて言えば、若干メリューさんが強引なやり方をしているかな、と思うくらいだ。
……まあ、メリューさんのやり方はたまに強引だと思う時はあるけれど、それについて言ってしまうととても面倒な話になるので何も言わないことにしよう。それが一番いい。
「まあ、あなたたちがダメなら普通のメニューも……、そう、例えばジンギスカン、だっけ? という可能も充分に考えられた訳なのだけれど、しかしながら臓って持ちが悪いものでね。だからさっさと処理しちゃおう、っていう訳よ」
「そういうもんですか」
「そういうもんよ」
謎の問答を終えて、俺は鍋を見やる。
さて。
気付けばテーブルの上には鍋が置かれていた。
鍋は土鍋で、どうやらメリューさんが直前まで火にかけていたもののようだった。
「いつでも食べることが出來るぞ。……まあ、保溫は出來ないからある程度時間が経過したらまた火をかけ直さないとな。一応言っておくが、リーサの分も殘しておけよ?」
何をおっしゃることか。
俺たちがそんながっつく人間だと思っているのだろうか。だとすればそいつはとんでもない間違いだと思う。さっさと修正してほしい。
はてさて。
そんなことはさておき、メリューさんが鍋の蓋を開けて、それを何処かへ持って行った。
そして、俺たちは鍋の中を見てみることにしてみた。鍋の中は白と緑が殆どを占めていた。
をそれぞれ分析してみると、白はモツだと思う。緑は野菜か。もしかして……キャベツ? 或いは、何か別の野菜を使っているのだろうか。それはそれで興味があるけれど。
「……どうした? もしかして食べにくいじか? だったら作り直すが……」
メリューさんが不安そうな表で俺たちにそう言った。メリューさんを不安にさせるのは正直宜しくない。それはメリューさんがこのお店のマスターだからか、って? それもあるかもしれないな。しかしながら、もう一つ言えるポイントがあるとするならば、料理人の自信に対することかもしれない。
勤めたばかりのときは知らなかったが、メリューさんは案外打たれ弱いのだという。今では結構強気にいっているメリューさんだけれど、それでも、俺は毎日カウンターで異世界の酒らしきを一人で飲んでいたのを知っている。こっそりティアさんに聞いたところ、どうやらメリューさんはプライドが傷つくといつもああらしい。ティアさんは「が不味くなるからやめてしい」と言っていた。噓か本當かどうかは解らないけれど。
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