《ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~》中間テストで結婚できるかが決まることってあるんですね…
『私、奏太君と別れなきゃいけないかもしれない!!』
涙聲の婚約者からこんな突拍子もない容の電話をもらい、慌てて彼の自宅に駆けつけた俺だったが…今現在、完全に予想の斜め上をいく現実に思わず頭を抱えていた。
「奏太君、すっかり男前になっちゃって~ジャニーズとかれるんじゃない?」
「そうっすか。おばさんも綺麗になりましたね」
「あら、奏太君ったら相変わらずお上手ね~!そんなに褒めても何もあげないわよ?」
「ははっ…大丈夫ですよ。別にしさで言ってるわけじゃないですし」
「もう~!嬉しいわ~!!」
波志江家ダイニングの食卓にて。俺の向かいには申し訳なさそうに、ただでさえ小さいをさらに小さくしながらこちらをチラチラ見てくるなごみと…明らかに笑顔を引きつらせた俺のことなど微塵も気にすることなく、テンション高くしゃべり続ける中年の――なごみの母親が座っていた。
元々は泣きながら電話してきたなごみが心配で來たのだが、出迎えてくれたなごみ母に『あら、丁度良かった。ちょっとなごみと奏太君に話したいことがあるんだけど、いい?』と半ば強引にダイニングへと通され今に至る。が、しかし…
「あの…とりあえず本題にりませんか?おばさんも夕飯前で忙しいでしょうし」
ここに來て早15分。未だ本題にる予兆すらない現狀に痺れを切らした俺は、取ってつけたような言い訳と共に、自ら本題を切り出した。
この狀況じゃなごみの話を聞いてやるのは難しいし、ここはさっさと本題とやらを適當に聞いて立ち去るとしよう。
そんな軽い気落ちで出されたお茶に口を付け…
「話っていうのは、あなたとなごみの結婚の話なんだけど…」
「ぶはっ!!」
なごみ母の口から飛び出した衝撃的な言葉に、思わず口に含んだお茶を盛大に吹き出してしまった。
「ごほっ!ごほっ!」
「そ、奏太君、大丈夫!?」
「ごほっ…大丈夫だ――それより、なんでおばさんが結婚のことを…?」
俺がなごみとのことを話したのは平だけのはず…。もしかしてなごみが…?いや、コイツも親に知らせるのはもうし後がいいって言ってたし…。
と、どこから俺たちの報がれたのか思考を巡らせていると…
「あ、もしかして、何で私が二人の婚約のこと知ってるか気になっちゃってる?」
答えはすぐに明らかになった。
「別に誰かから聞いたわけじゃないわよ。――だって、直接見ちゃったんだもん。二人が結婚の約束してるところ」
「……へ?」
「いやぁ、引っ越しの日にどっちかが告白するんじゃないかと思って覗きに行ってみたら、まさかプロポーズしてるとは。さすがにあれは驚いたわ~!」
もう一人の當事者であるなごみの方を見ると、恥ずかしそうに顔を赤らめ俯いている。
うわぁ…これはマジで見られてたっぽいっすわ…。
「青春よね~!なごみ~アンタも隅に置けないわね~」
「も、もう…やめてよ、お母さん…」
「あ、ちなみに、このことは奏太君のお母さんも知ってるわよ」
「なっ!?う、噓だろ…」
「だって、藤岡さんも二人のことめちゃくちゃ気にしてたし」
まさか自分の母親にまで知られていたとは…。っていうか、知ってるなら知ってるって言ってくれよ!既にバレバレなのに気付かずに一生懸命隠し続けてるって、逆にめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!!
「いやぁ、それにしても、まさか奏太君がプロポーズとはねぇ…。私は娘の告白シーンを除きに行ったつもりだったんだけど」
「な、何で私が告白しようとしてたこと知ってるの!?」
「え~?だってアンタ、あの日の數日前から告白の練習してたし…」
「!!!」
あまりの恥ずかしさに顔をゆでだこのように真っ赤に染めて直するなごみ。
…実はあの數日前、一人部屋に籠ってコッソリとプロポーズの練習をしていた俺は、今の彼の気持ちが痛い程理解できた。
「…それで、本題なんですけど」
これ以上は心が耐えられないと危機を察知し、早急に線した話題を元に戻すように試みた。
「あの、それで…おばさんは俺たちが付き合ってたり、結婚の約束をしてることに反対してるってことでいいんですか?」
『私、奏太君と別れなきゃいけないかもしれない!!』――というなごみの言葉を考えれば、おばさんの話というのはこれしかないだろう。
そりゃあそうだよな。大した取り柄もなく、家が金持ちってわけでもなく、將來どうなるかもわからないような男と大事な一人娘が結婚するなんて、親としては反対するのが普通だし。
まぁ、だからこそ、ちゃんと進路が決まるまでは互いの親には黙っていようと思ってたんだけどな…。
でも、こうなりゃあ説得するしかない…。
一人どうやったらなごみ母に結婚を認めてもらうか、頭をフル回転させる俺だったが…
「え?何言ってるの?基本的に私も藤岡さんも二人の結婚には賛よ?」
「……え?」
返ってきたのは意外な言葉だった。
「え…?賛…?え、じゃあ何で――」
「反対なんてするわけないじゃない。むしろ大歓迎よ」
え?何この展開?もしかして“ちょっと話したいこと”って『結婚認めるからこれからもよろしくね!』ってこと?
それならまぁ、いいか。予定よりもだいぶ前倒しになったが、親公認になったてのは悪いことじゃないし。
よくわからないが悪くはない展開に安堵しかける。が、ふとなごみの方に目を向けると、シュンと暗い顔をしていて…
「でも、このまま結婚を許すわけにはいかないわ」
その理由はすぐに明らかになった。
「え?どういう――」
「このままじゃ、奏太君の將來をうちのなごみが潰してしまうからよ」
先程までの軽い口調ではなく、まっすぐこちらを見據えて真剣な口調で告げるなごみのお母さん。
「すみません、よく意味が分かんないんですけど…」
「奏太君、あなたなごみの績がどれくらい絶的か知ってる?」
「?ええ、まぁ」
まぁ、一人で勉強すれば全教科赤點は確実ということは重々承知している。
「なごみの績が悪いのは知ってますけど、テスト期間中は俺も勉強教えますし、赤點くらいなら何とかなると――」
「だけど、そうすれば奏太君の績はどうなるの?」
「!!」
「このままじゃ、奏太君のためにもなごみのためにもならないし、あなたのご両親にも顔向けできないわ」
ここまで言われてようやくなごみ母の言わんとしていることを理解した。
彼は心配しているのだ。俺がなごみの勉強を見ることで俺自の績が下がるんじゃないかと…。その結果、俺の進路の選択肢を奪ってしまうんじゃないかと…。
「おばさんの言いたいことは分かった。でも俺は――」
「『でも、なごみを放ってはおけないし、別れたくもない』ってところかしら?」
そう言ってなごみ母はフッと笑った。
「言ったでしょ?私もあなたのお母さんも二人のことは大歓迎だって」
「え、じゃあ――」
「だから、私と藤岡さんで條件を考えたの――これよ!」
彼が差し出したどこか見覚えのある一枚のプリントを見てみると、
「…え?これって…」
「そうよ。もうすぐある中間テストの案よ」
それは今日のホームルームで配られた『中間テストの範囲表』だった。
「この中間テストで、二人とも前回よりも點數を上げること。勿論、奏太君はなごみに勉強教えるの止で――この條件をクリアできれば際でも結婚でも認めるわよ?ちなみになごみは渋々だけど了承したわよ。――で、奏太君、あなたはどうする?」
俺を試すような目で問うてきたおばさんに対し、俺の答えは考えるまでもなく決まっていた。
「はぁ…。やるよ。っていうか、やるしかないんでしょ?」
「さすが奏太君!話が早いわ!!」
「いや、ちょっと痛いって、おばさん!」
そんな俺からの期待通りの回答をけ、バンバンと俺の肩を叩いて労うなごみ母。
まぁ、現狀了承する以外道はなさそうだしな…。
しかし、そんな中…
「ご、ごめんね。奏太君…また私のせいで…」
か細い聲が聞こえ振り向くと、そこには申し訳なさそうな顔で頭を下げるなごみがいた。
ったく…。なごみの奴、どうせ自分のせいで俺を巻き込んじまったとか思ってんだろうな…。
まったく…こんな時世のイケメン達は一どんな言葉をかけてやるんだろうな…。――と、イケメンの気持ちになって考えてみようとしたのだが、殘念ながら真のイケメンでない俺に都合よくカッコいい言葉が浮かんでくるはずもなく…。
「ったく、何で謝ってんだよ。言ったろ?――“迷かけ合うのが當然。それが婚約者なら尚更だ”って」
仕方なく、俺は思いついた言葉をそのまま口にした。…あれ?俺、今意外と良いこと言えたんじゃね?今のセリフ結構イケてたよね!?――と、一瞬自分の発した言葉に酔って浮かれていた俺だったが…
「へぇー、奏太君そんなこと言ってたんだー。さすが高校生、かっこいいこと言うね~」
うっかりなごみ母がいることを失念していた…。
「なっ!?ちょ、別に俺は…」
一瞬にして自分の顔が熱を帯びていくのがわかる…。うん、やっぱり一般人が背びしてイケメンの真似事なんてするもんじゃないですね…。
「まぁまぁいいじゃん、そんなに照れなくても~」
目の前にはとても楽しそうに男子高校生をからかう主婦が一人…。
もしかして、なごみの人前用のドSな格ってこの人を參考にしてるんじゃなかろうか…。ってことは、もしかしたらこの先、素のなごみもこんなじになる可能が…?
目の前の親子を見比べて、自分の將來に一抹の不安を覚える俺。
が、しかし…
「そっか。そうだったね。――ありがとう、奏太君!」
そう言って屈託ない笑顔を見せるを見た途端、そんな不安は一瞬にして消えてしまった。
「おう。頑張ろうぜ」
「うん!」
こうして、俺となごみは親の出した試練に立ち向かうことを決意し、やる気を漲らせる。
だが…この時の俺たちは理解しきれていなかった。――試練というのは簡単に乗り越えられないから試練と呼ばれるのだということを…。
すみません!投稿遅れてました!昨日まで國家試験の勉強があってなかなか更新することが出來ませんでした。多分次話からは元の投稿ペースに戻ると思います。
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8 113サブキャラですが世界と戦います
2222年に10000人中1999人の高校生に能力が発癥した。 その能力は様々であるがその三年後、いち早く適応したのは日本だった。 主人公ムラサキとその親友アオは自らの能力と立場から己を「サブキャラ」としている。 しかし、能力の発癥が遅かった2人は世界の殘酷さを知っている。 これは何気に強い2人がなんやかんやで政府(そして世界)に立ち向かっている行く恐らくサブキャラ?の話である。
8 78Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~
辺境の騎士爵長男として生まれたアルスは5歳になったときに頭痛と共に前世の記憶を思い出す。自分が日本人である桜木優斗(47)であることを。ただ、自分がどうして転生したのかまでは思い出せないのだが、前世は獨身貴族だったこともあり未練は、まったく無かった! そんな彼は自分の領地を豊かにするために、前世の知識を使い領地を富ませていくのだが、その手法が畫期的すぎるあまり天才扱いされ王族から目を付けられてしまうのだった。
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