6月17日(水)

俺、高橋智也は1人トボトボと歩く、鈴木幸を追いかけ、話しかけた。

その時にある約束をわした。

水曜日に一緒に帰ろう———と。

この日も一緒に肩を並べて一緒に帰った。

「幸ちゃんって中學校の頃も帰宅部だったの？」

「うん……そうなんだよね……わたし小學校でも中學校でも部活ってなかったんだよねー」

「へぇ〜。そうだったんだね！　ってみたい部活とかはなかったの？」

「う〜ん。それこそ、バスケットボール部とかってみたかったかなぁ〜」

「え！？　なんで？」

「そりゃあ、バスケットボールやってる人ってかっこいいじゃん。私もあんな風になれならなぁ。っておもったりしてね」

やったぜ。バスケットボール部にっててよかったよ。

「幸さんは家に帰ったら何してるの？　暇じゃないの？」

「う〜〜ん。暇だよ。そりゃあね。でも、もう慣れちゃったかな〜。家帰ったらゴロゴロしながらテレビ見てるよ」

「そうなんだね！　意外だよ！」

「そうかな？　私結構ダラダラしてる人だよー」

「そうか？　そうは見えないけどね」

「そうなのかなぁ？　まぁダラダラするのも好きだしいいんだけどね〜」

俺と幸さんはそんな會話をしながら、2人並んで帰っていく。

だが、そんな時間も永遠には続いてはくれ

ない。

「あっ。智也くん。わたしの家ここ！　だからじゃあね！」

「あ！　そうですか。じゃあ、また今度」

「うん。送ってくれてありがとね。じゃあまた次の部活でね〜」

「あっはい！　わかりました！」

俺と幸さんの初めての部活はこれで終わった。

次の活はまた來週。

6月24日(水)

俺は5限のチャイムが鳴り響いた後、すぐ教室を出て、ある場所に向かった。

今日は友達の篤樹も仕事かなんかで休んでいる。

俺が向かった場所は2年A組。

今日はバスケ部はないのだが、もう一つ部活がある。

「幸さーん！　いますか？」

「あっ。智也くん。わざわざ教室まで來てくれたの？」

「あっ。その〜迷でしたか？」

「ううん。そんな事ないよ〜。準備するからちょっと待っててね〜」

「はい！」

待つこと數分。

「ごめんね。待たせちゃって。じゃあ、行こっか」

「はい！　それで今日なんですけど……せっかくですし、どこか回って行きませんか？」

「うーーん……まぁ、今日もどうせ暇だったし、いいよ」

「は、本當ですか！？」

「うん。いいよ。それにどこに連れてってくれるの？」

「うーん……考えてませんでした……まさか了承が頂けるなんて……」

「なんか、すっごくくなっちゃってるよ？」

「え！？　どこが？」

「口調がない……」

「あ！　そっちですか」

やばいやばい、完全に冷靜さがなくなっている。こんなチャンス滅多にないだろうな……

頑張んないと！

「じゃあ、よもぎ商店街にでも行きますか？」

「あぁ、あそこね。あそこならなんでもあるもんね」

俺と幸さんはよもぎ商店街へと向かった。

「うわぁ。いい匂いするね」

「そうですね」

「あそこの唐揚げ味しんだよ。食べてみる？」

「あ！　是非！」

「じゃあ、ちょっと待っててね」

幸さんが小走りで『you're chicken』と書かれてお店へと走っていった。

この看板喧嘩売ってんのか？

「お待たせー！」

幸さんが小走りで戻ってきた。

買ってきたのはひとつだけ。

「あ、お金は？」

「いいよ。気にしないで。食べて」

まぁ、そういうことならここは好意に甘えて、次に何かお返ししよう。

「ありがとうございます」

アムッ。

「どうどう？」

「ん〜〜。味しいですよ！」

「でしょ。ここのお店あっちゃんも好きなんだよ！」

篤樹も確かにこの店は好きそうだな。

親友ながらそんなことをおもう……

「そうなんですね……」

「うん！　そうだよー！　小さい頃からここにきたら必ずここにきてたんだよ！」

ふーん。そうなんだ……

「じゃあ、幸さん次は僕のオススメの場所に行きましょうか？」

「あっ。うん。よろしくね」

「はい！　任せてください！」

俺がオススメするのはクレープ屋さん。

俺はここのクレープが大好きだ。

それにの子は甘いものが好きそうだし、幸さんも喜んでくれるはず。

「あそこのクレープ屋さんに行きましょう！」

「うん。いいよ」

「ここのクレープが味しいんですよ。し生地がパリッとしてて」

「そうなんだね」

「じゃあ、今度は僕が買いますね」

「うーん。じゃあ、お言葉に甘えて」

幸はさんは果がたくさんったもののを俺はチョコバナナを購した。

「ん〜〜。クレープおいしいね。唐揚げ食べた後で甘いもの食べたかったから、ちょうどよかったよ」

「幸さんが喜んでくれて、嬉しいです」

「うん！　ここならあっちゃんも気にいるだろうなぁ」

確かにアイツ甘いものも好きだったっけ？

「確かにそうですね……」

アツキの話をするときはなんだか幸さんも楽しそう。

「そういえば、アツキとは馴染なんですよね？」

「うん……そうだよ……」

「どうやって知り合ったんですか？」

「うーん。知り合ったのはねぇ。同じ小學校だったからかなぁ。仲良くなったのはあっちゃんが私の家の近くに引っ越してきたからだよ」

「アツキは幸さんの家の近くに住んでるんですね」

「うん。そうだよ。朝一緒に來るのと家が近いから。そうなっちゃった……みたいなじなんだけだね〜」

「そんなんですね……」

「でも、今は……なんだかなぁってじだよ」

「ん！？　どういうことですか？」

「ん〜。智也くんに話すことでもないかもしれないんだけど……まぁ、部員さんだし話を聞いてもらおうかな？」

「はい！　是非！」

「あのね—————————」

幸さんから語られた容はこうだった。

篤樹が幸さんの誕生日を忘れていたこと、それと最近學校に來ても用事があるのに帰ってくれなくなったこと。馴染は私以外にも他にいて、私があっちゃんの馴染でいる必要があるのか、わからなくなってしまったこと。

「———距離を置いたらどうですか？」

「え！？　距離を置く？」

「はい！　アツキは多分幸さんが一緒にいるのが當たり前だと思っているんですよ！　それなら幸さんから距離を置くんです……

そしたら、きっとアツキは気付いてくれるんじゃないですか？」

「うーーん……どうなんだろう……でも、私は何をすればいいの？」

「えぇ〜と、そうですね！　まずは朝は一緒に行かない！　ってのはどうですか？」

「うぅーん……それはまぁ、やってみようかな……」

「はい！　やってみましょう！　アツキが來るのは來週の水曜日ですよね！？」

「確かそうだった気がする……」

「じゃあ、その日は1人で學校に行く！　で、帰りは僕と一緒に帰る！」

「うん……いいよ」

「で、その帰りにアツキのその日の様子を幸さんに伝えます」

「あっ。なるほどそういうことなのね」

「はい！　何かしらアツキも思うとこがあるでしょうから」

「うん！」

「じゃあ、今日のところは時間も時間ですし、帰りましょうか」

「そうだね！」

俺は幸さんを家まで送り、帰宅部の活を終えるのだった。