神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社會でたくさんの嫁を娶りたい!》青年編 第46話 仕事依頼

とある撮影スタジオにて、カメラマンそしてファションデザイナーたちの中でもエリートと呼ばれるような人々がその現場にたくさん居合わせている。

その中にはファション雑誌の編集者と思われる冴えない男が1人、そしてその男たちとは対照的にその場の空気を掌握しているかのような威圧的なオーラを解き放つ1人の

長でスタイルも良く、凜とした面持ちで男顔負けの気迫をそのからじられる。

カメラマン、それにファションデザイナーはそのの迫力に呑まれているのか、彼に常に気を使っているようにも見える。

みんなの注目の的である彼から突如一聲が放たれる。

「カメラマンさんに、デザイナーさんたち今日も一日よろしくね!」

のオーラは重厚で猛しいものをじるのであるが、発せられた聲は外見からは想像できないほど若い聲で、カメラマンたちの張を和らげる。

このオーラの暴風を撒き散らすの正はというと、小さい頃は子役として大ブレイクを果たし、徐々に大人になっていくも大人になるにつれとしての魅力を持つようになった人。子役としては彼と対となる人、佐藤篤樹と大人気ドラマ『マリモの決まり』で共演した相田真奈である。

もまた昔の姿からは打って変わって、昔のような可さは霞んでしまったものの、大和子とも呼べる人へと長していった。

歳はまだ18歳と若いのではあるが、蕓歴の長さから醸し出される雰囲気が無意識にもれ出してしまっている。

そして、先程発した一聲はカメラマンたちをさらに張させるものではなく、彼なりの配慮であった。

口調もやさしくオーラとは似つかない可い聲がスタジオを覆い、張り詰めていた空気を一気に弛緩させる。

これもまた蕓歴の長い彼だからこそできることなのだろう。

「真奈さん撮影までしばかりお待ち下さい!」

「えぇ。わかった。今日は楽しみにしてるからよろしくね!」

カメラマンらしき人がスタジオりした相田真奈に待機するように指示を出す。

待機を指示された相田真奈は別に不満をらすなんて稚なことはせずに、大人の対応ですんなりとその指示に従った。

近くに用意された椅子にストンと座り、あの威圧的なオーラとは打って変わって、可らしく足をパタパタとさせていた。

そんな様子に相田真奈の専屬マネージャーはというと、

「真奈さん。嬉しいのはわかりますけど、しは落ち著いたらどうですか?」

「ぅぅぅぅ! そんなこと言ったって落ち著けるわけがないじゃない!」

「ふふ。そんなに強く言わなくたっていいじゃないですか。ふふふ」

「もぉぉ! そんなに私をからかわないでよ! 言っておくけどあなたは私のマネージャーなんだからね!」

「はいはい。わかったますよ! 私はあなたの奴隷のようなマネージャーですよ!」

「えぇ。そうなんだから。わかってるならいいよ」

そんな風に権力に嵩を著るような言葉を発するものの2人の間の空気は穏やかなもので、

「それにしても真奈さん、あの人遅いですね〜」

「そうだね……」

ある人の登場を待ってるのに、その人が來ないことに不安をじた人気モデルは先程までプラプラさせていた足の単振をやめてしまっていて、

「おそいよ……おそい」

先程まで、歳不相応な落ち著きと余裕を持參していた彼はカメレオンのように変化して、今は歳相応のする乙のような神狀態で怒ってはないもののしばかりの苛立ちをじているのであった。

そんな心境に心をやきもきさせている彼のもとにようやく待ち人がスタジオに到來した。

同じく『マリモの決まり』で子役を演じ、今もなお人気の暴風を撒き散らす國民的スターの佐藤篤樹。

187cmの高長に、切れ長の瞳。それに艶のある黒髪。

ようやく登場した彼はというと禮を関係者にしながらも華麗な足取りでってくる。

瞳には自信が宿ってるのか鋭い眼で、それでも表は誰もが微笑みを催してしまうような優しげなもの。

の関係者は彼の登場に興している様子で、男の関係者はある人は畏敬の念をじるもの。ある人は羨の眼差しを向けるもの。様々であった。

と、スタジオりした彼は関係者に遅れたことを謝罪しながらも挨拶をした後、とある人の元へと歩いていった。

向かう先は先程までスターのようなオーラを撒き散らしていた人

今は花みたいにしゅんとこまってしまっていて、指と指をくっつけたり離したりするので忙しい様子だ。

佐藤篤樹がしおらしくなった相田真奈のもとへと向かい、

「久しぶりですね真奈姉さん。元気にしたましたか?」

「うん。元気にしたたわよ。篤樹も今もあちこちから引っ張りだこにされて忙しそうね」

「まぁ、そうですね……でも、真奈姉さんも同じじゃないですか? まぁそれもそうですよね……どんどん綺麗になっていく真奈姉さんをテレビや雑誌が放っておくわけありませんからね」

「…………」

となんの気もなくそんなことをのたまう彼に対し、姉さんとも呼ばれている相田真奈は褒められていることを認識にしたのか顔を真っ赤にさせて俯いている。

と、そんな彼の橫に控えたマネージャーさんはというと、

「流石ですね! 今をときめく大スターはを手篭めにするのがうまいようですね!」

と、相手は國民的大スターであるのに強気な真奈の専屬のマネージャーさん。

「ハハハ。そんなことないですよ! 俺は正直な気持ちを姉さんに伝えただけですから……」

「ふふ。それなら問題ないんですけど……よく聞きますよ……あなたが學校や街中でいろんなを侍らせて遊んでいるという報を」

と言った形で俺のことは結構リサーチしているらしい。彼が言ってるのはおそらくナツとかフユのことを言っているのだろう……

だが、なぜ彼がこんなことを言うのかというと……

「早くあなたもお認めになったらどうなんですか?」

「ハハハ。一なんのことなのでしょうか……」

「いやいや、惚けないでくださいよ……あなたも真奈さんがお好きなのですよね? 早くお認めになって際をしたらどうなんですか?」

この真奈のマネージャーはおそらく真奈が俺に惚れていることを知っており、さらに俺が真奈に気があることにも気付いている。

だがこのマネージャーの尺度は現代日本の常識という規範に則ったものなために、俺の考えとは相れない。

俺は確かに國民的スターの相田真奈のことをしているかと聞かれると肯定せずにはいられないだろう……だがしかし、他のたちつまり今まで【魅了】してきたたちもしていると言わずにはいられない……

それに対してマネージャーの主張というのは真奈1人だけをしてると認めて、そろそろ際してもいいのではということなのだ。

完全に俺の考えとは相反した意見を頑固な俺はれるはずもなく……

「ハハハ。事務所的にはちょっと……」

と、マネージャーに見えいた噓をついて惚けてみる。

「そうやって、またお逃げになるのですね」

「まぁ……こういうのは2人の問題でもありますからね……」

と、俺と真奈のマネージャーが話しているのを黙って聞いて、時にショックをけ、時に嬉々とした表をしていた真奈姉さんへと俺は優しく微笑んであげる。

と、彼はそんな俺を見てがドキドキしているのがわかるくらいの鼓をあげていて、そんな彼の様子を見た専屬マネージャーさんは……

「やれやれ……毎回毎回あなたにはしてやられますね」

「ハハハ。なんのことを言っているのかわかりませんね」

「早くくっつけばいいのに……」

とだけ最後に呟いて、それ以上にマネージャーが何かを言うということはなくなった。

まぁ、真奈のマネージャーが言う通り、蕓能界では俺と真奈姉さんの熱報道が何度か報道されている。

それは全て誤報であると訂正されてはいるものの、俺と真奈姉さんがくっつくことをんでいる人たちもかなりいるようだ。

まぁ、確かにい頃からの付き合いもあるし、お互い今をときめくスターともてはやされて理想のカップルなんて言われるほどだ。

今日のファッション雑誌もそのような世間の風の波に乗って、ファッションコーデというテーマで俺と真奈姉さんがモデルとして起用された。

仕事の依頼を俺のマネージャーがけてしまったので、仕事は仕事としてこなすしかない。

真奈姉さんも仕事と私は割り切れるくらいのベテランではあるのでお互い撮影時にゴタゴタになることはないのだが、こういう空き時間はやはり気が抜けてしまうみたいで、辿々しい様子が真奈姉さんからうかがえる。

まぁ、辿々しいのは俺の【魅了】の力が効いていて異として意識せざるを得なくなっているということが原因の一つにあると思われるのだが……

こういう時は俺は男として人がなければないならない……

周りから見ればたらしに見られるかもしれないが俺と真奈姉さんの付き合いなのだから特に気にする人もいないだろう。

俺は何気なく真奈姉さんの近くに座る。

「真奈姉さん。アレ今日も持ってきましたよ!」

と、俺は真奈姉さんだけに意図が伝わるように曖昧にぼやかしてそんなことを言った。

それを聞いた真奈姉さんは先程までのしおらしい態度を捨て去って、子供のような無邪気な目で俺を見つめて、

「あつき。ここではダメ。あ、後で私の楽屋に來なさい! これは命令よ」

と、剣呑な空気を演出して、真剣な表示でそんなことを言った。

俺の言うアレというのはもちろん、真奈姉さんの大好きなエッチな本。

大人になってもエッチな本が大好きなのは変わらずのようで、真奈姉さんは男×男ものもいけちゃう雑食系な腐子であった。

最近俺は真奈姉さんならエッチな本を獻上するのであらのだが、真奈姉さんは出版されているエッチな本は大読破してしまっていて、獻上するにもいちいち迷ってしまう。

そんなことを悩んでいた俺に突如閃きの神様が舞い降りた。

先輩が絶対に見たことのないようなエッチな本を渡すには、俺自が創り出したエッチな本を渡せばいいと……

そう思って初めてエロ同人というものを描いてみて、真奈姉さんに渡したのだが、真奈姉さんは紙を抜くような鋭い目で俺のエロ本を凝視していた。

想はどうだろうと気になっていたところ、真奈姉さんはというと、

「あつき。よく聞いてね。わたしと共演するときの差しれはかならずこれを持ってきなさい。お菓子なんて下らないものはいらないから、わたしにはあなたの描いたエロ本を持ってきて」

と、そんな風に國民的スターのに真剣な表で言われたのである。

まぁ、俺も一度やってみて自分で作品を作ることに楽しさを見出したので、姉さんの願いもすんなりとれたのであった。

そして、今日も姉さんとの約束通り例のブツをしっかりと持ってきた。

渡すのは彼の楽屋での會の際である。

俺は強く命令された後、力強く肯いた。

エロ本という話題を出して、俺と真奈姉さんとの間に不思議な調和が生まれた時に、ようやくカメラマンさんが呼ぶ聲が聞こえた。

「それではあつきくんと真奈さんよろしくお願いします!」

「「はい!」」

と、2人揃って返事をしてカメラと反板が置かれた場所へと向かっていく。

俺と真奈姉さんはカメラマンさんや編集者にお辭儀をして、

「じゃあ、よろしくお願いします!」

「お願いします!」

と、丁寧に挨拶をして撮影が始まった。

著る裝は20著程度あって、何回も著替えながらの撮影となるのだが、別にこんなことはモデルをやっていれば當然であるので、ベテランの俺と真奈姉さんはいつも通りにスターとしての仕事をこなす。

「はい、いいよー!」

カシャリ。カシャリ。カシャリ。

「じゃあ、次は真奈ちゃんは篤樹くんの腕を組んでー」

と、真奈姉さんは別に恥ずかしがることなく、カメラマンさんが言われるがままに行をする。

カシャリ。カシャリ。カシャリ。

「いいね。いいねー。じゃあ次は篤樹くんが真奈ちゃんの顎を持ち上げて、顔を近づけてくれる?」

俺もなんの躊躇いもなく顎をクイっと持ち上げて、真奈姉さんの瞳をぐっと覗き込む。

真奈姉さんは顔を赤くはしないものの、覗き込んだ瞳は小刻みにいていた。

カシャリ。カシャリ。カシャリ。

と、どんどんカメラマンさんの要求はエスカレートとしていき、

「じゃあ、とりあえずハグをしてもらってもいい?」

まぁ、仕事の範疇だから斷ることなんてできないので、俺は真奈姉さんの腰に手を當て、グイッと自分の方へと近づける。

そんな俺の行に要求をしたカメラマンさんも大興のご様子。

「いいね! いいね! いいねぇー!」

カシャリ。カシャリ。カシャリ。カシャリ。

と、カメラマンさんの興が冷めるまで寫真撮影が続いたのだが、それも永久に続くというわけでもなく、夕方の6時ごろにようやく雑誌に載せるの寫真の撮影が終わった。

「お疲れ様でしたー!」

「お疲れ様ー!」

俺と真奈姉さんは関係者たちに謝の気持ちを込めて労いの言葉をかけ、スタジオを後にする、俺と真奈姉さんは楽屋でまた會うのだが、とりあえずスタジオのところで一旦別れることとなった。

先程の寫真撮影のときまで平靜を裝っていた真奈姉さんはスタジオを一歩出た途端に、

「ふぁぁあわわわ! すごく恥ずかしかったぁぁあ!」

と、脳が熱を堪えたせいか突沸してしまったようで、

「ふふ。よく耐えられましたね……あんなことやこんなことをしていたというのに」

マネージャーさんがそんな様子の真奈姉さんのことが面白くなったのか、わざと気にしていることを言ったのける。

「…………ぷひゃぁああ!」

と、あの國民的スターである相田真奈は個人的なで完全にのぼせ上がってしまった。

先程までのスターのオーラを撒き散らしていた人に関してはまだまだ赤子のようだった。

「はぁ……真奈さんも真奈さんですよ……もうこっちが焦らされてるじがするので早くお二人は際を始めたらどうなんですか?」

と、茹蛸のようになっているスターを見て、専屬のマネージャーさんは呆れ顔でそんなことをいう。

「ぅぅぅぅぅぅう!」

そんなことを専屬マネージャーに言われても、國民的スターの真奈は犬みたいに唸ることしかできない……

まぁ、それもそうである。

確かに蕓能界でというのは事務所の許可が必要だったり、際を初めて報道されるとその沙汰を餌にされて、相手自分共々に多大な迷がかかってしまう。

自分の私を優先すれば、後で歪みが生じてくるのは目に見えている。

それに真奈自も別に今の関係に不満を抱いているわけでもない。

だから、際をして一段関係をあげるということは魅力的なのであるが、その先このような関係が壊れてしまうことを考えると一歩踏み出せずにいる。

とはいえ、側からみたら真奈と佐藤篤樹の関係というのは世間の人々、蕓能関係の人々が噂するように人のようなもので、共演の際は2人の間には2人だけの獨特な空間が形されるし、仕事終わりにもお互いの楽屋にり浸る仲。

さらにその後も予定が無い場合は近くのお店などで一緒に食事しているところも度々目撃されている。

こんな風な関係を築いていたら、報道人が熱と報道してもおかしくはないのだが、事実上は真奈姉さんと俺は付き合ってはいない。

真奈姉さんが俺に惚れているのは確実なのではあるが、俺の目的上1人を選ぶということはあり得ないので、俺は真奈姉さんをいわばキープしている狀態だ。

そんな狀態でも真奈姉さんは不満を抱かずに俺のいには乗ってくれるし、いつも良くしてくれる。

いわば人のような位置づけとなるのだろうか。

俺は撮影の際にやったことを思い出し、茹蛸狀態になっている真奈姉さんのことなんかはつゆ知らず、自分の楽屋へと戻っていく。

と、俺の隣にずっと黙って控えている人がいる。

「花宮さん。今日はこれからの予定はありませんよね?」

「ええ。ございません」

俺の隣に靜かに控え、俺の質問にきっちりと答えてくれる人は花宮香織。

名前から発せられる華やかなオーラはすごいのだが、実はというと顔は目が切れ長で鼻を整っていて、も薄い人なのではあるが、格は機械的で合理的、を表に出すこともなく、他の人から見れば冷たい印象を持つような人である。

俺のマネージャーは子役の時は母さんが仕事と兼用してやってくれていたのだが、どんどん売れていくうちにさすがの母さんもマネージャーを両立できるはずもなく、事務所からマネージャーを派遣してもらうという形になった。

俺のマネージャーは3回ほど代があった。

最初の1人目のマネージャーさんは40歳くらいのおばさんで、容姿は凡庸だったものの、我が子のように俺を可がってくれて、とても好が持てたのだが、さすがに力的にも厳しくなって、心惜しかったのだが、おばさんはやめてしまった。

おばさんは別れ際にはごめんね。といって、優しく頭をでてくれた。

その次のマネージャーさんは前の反省を活かしてか、20代の若い活気ある人であった。顔も一般的に見れば可いと思われるもので、元気もあってきっと學生時代にはモテていたと推測できるような人だった。

最初の方は俺もお姉さんみたいなじで親しくしていたのだが、出來心で俺はそのマネージャーさんに自分の飲んだペットボトルを渡した。

となると、當然起こるのは【魅了】の効果の発現。

容姿端麗で人気なおれのマネージャーをする中で親度も十分に上がっていたので、簡単に攻略することになったのが……

そこで問題が発生することになった。

もともと気で活発な人

俺のスキルで魅了された彼はというと、仕事がどうでも良くなるくらいに俺を溺するようになってしまった。

そのあとは仕事のミスが立て続き、結局上の方から解任の2文字が送られてきて、俺とそのマネージャーは別れることとなった。

最後の別れに彼が発した言葉はというと

「あつきくん! わたしまだ諦めないから!」

といったじだ。彼も俺のマネージャーは解任されたものの同じ事務所で働いているのでたまに見かけることもある。

最近は見かけると今俺の隣にいる花宮さんに妬心を抱いて、殺さんばかりの鋭い眼を向けている。

そして、3人目はというと今マネージャーをしてくれている花宮香織さん。

が俺にあてがわれたのは前の反省を生かした結果であろう。

1人目は力的な問題が反省點に上がり、2人目はあまりに余った活力が問題點に上がりと、その結果、上が適任だとじた花宮さんをおれのマネージャーにしたのであった。

初めて會った時の印象はまるでロボットみたいな人

生気はじられず、無表。言葉に熱が籠るなんてことはなく単調なもの。

そんな印象を初対面で抱き、不安をじていたのだが、仕事に就いてもらうと不思議にもパズルがぴったりと合わさったようなそんなじがした。

合理主義的な考えを持っているおかげなのか、仕事のスピードはかなり早い。

それに無なのか、おれの私には一切口出しをしてこない。

気を遣わずにいつもの自分でいられるそんな居心地のよさをじるのであった。

それからは何の問題も起こることなく、マネージャーは花宮さんが務めてくれている。

「じゃあ、今日は真奈姉さんの楽屋に行ったあとは食事に行くことになるだろうから、今日は帰っていいよ」

「そうですか。わかりました」

「うん。いつもありがとうね! また何かあったら連絡するよ」

「はい! なんなりと」

返答はやはりも何もこもっていない様子でどこか機械的。

まぁそんなことは長い付き合いであるので気にはならないので、マネージャーとは楽屋の前で別れる。

俺と花宮さんの関係はクールなもので、真奈姉さんとあのマネージャーとの関係は親が満ち溢れていて、俺たちとは対照的だ。

俺は楽屋にり、裝を著替えた後、荷を纏めて、真奈姉さんの楽屋の方へと向かう。

相田真奈様と張り紙がされた扉の前に立つと、仲からの話し聲が聞こえてくる。

真奈姉さんとマネージャーさんが戯れているようだった。

俺は扉をトントンとノックをする。

と、その瞬間に中の話し聲は聞こえなくなり、

「どうぞーーー!」

と、真奈姉さんの聲が聞こえてくる。

俺は中にることを許可されたので、扉を開いて先は進む。

「じゃあ、真奈さん。わたしはこれで帰らせていただきますね! あとはごゆっくり〜」

「もぉお! 早く出てってぇえ!」

「はいはーい」

と、真奈姉さんのマネージャーさんは姉さんを軽く茶化したあと、俺の方をギロリと睨んだあと、楽屋の外へ出て行った。

真奈姉さんと楽屋という室で2人きりになった俺は真奈姉さんの隣にすっと座る。

「じゃあ……さっそくだけど……いい?」

俺は楽屋で2人きりになった瞬間に言葉を切り出す。

真奈姉さんはいきなり俺が到著してすぐにも関わらず、嫌な顔なんてせずに頬を紅させていて、首を縦にこくりとする。

俺はそんな様子の真奈姉さんをみてから……

「じゃあ、いくよ……」

といって相田真奈をそっと後ろに押し倒す。

なんてことがあるわけもなく、俺は到著して真奈姉さんの隣に座ったあと、鞄の中からあるものを取り出す。

「はい。真奈姉さん。今日も持ってきたよ」

「うんうん。さすがはあつきね! わかっているわね」

俺が取り出したのは一冊のノート。

はもちろん、真奈姉さんの大好きなエロ本。

「今日のはかなり自信作ですよ。ストーリーも姉さんが好きな陵辱ものですし、絵もかなり決まったと思います!」

最近の姉さんは男×男を味しくいただくものの、陵辱系にもハマっていてこちらもペロリと味しそうに食してくれる。

俺が苦労するのは話を練ることくらいで、絵に関しては師匠の力によって、畫力を上げている。

前の人生では絵を描くなんて大したことないなんて思っていたのだが、絵がうまく描けるとそんな価値観は一転して、絵を描くことが楽しくなって好きになった。

そんな気持ちが俺の自制心を緩ませ、今日書いた絵は師匠を使ってかなりレベルを上げたものにした。

ドラえ◯んで出來そうな暗記ペンを使っている覚なのであるが、自分から生み出されるしい線を見ているのがたまらなくいい。

そんな経験のおかげで師匠なしでもかなり絵が描けるようになった。

俺は自信作を真奈姉さんに渡すと、姉さんは目をキラキラさせていて、

「うわぁあ! 今日も一段とすごいわね! さっそくみるわね!」

「はい! どうぞ!」

「うん!」

と真奈姉さんは本を読むのに集中するのであった。

の隣でエロ本を真剣な眼差しで読む國民的スター。

ドキドキ洩れる興した聲。

ふふふ。

だったり、

ぬふふ。

だったり、

でへへへ。

だったり

グへへへ。

だったりと徐々にの子が出してはいけない聲になり、俺は俺の作品を真剣に見ている真奈姉さんをじっくりと見ていた。

真奈姉さんはときどき足をモジモジとさせながらもエロ本を読んでいた。

かなり満足して興している様子。

最後のページに差し掛かって読み終えた後、

「あつき! 面白かったわ。それに絵が急にうまくなったね! これなら篤樹はイラストレーターでも活躍できるんじゃない?」

「真奈姉さんが喜んでくれて、本當に嬉しいよ。でも、俺みたいな初心者はイラストレーターになんかはならないよ!」

「そんなことはないと思うぞ!」

「いやいや。そんなことありますって」

って、ぞ! なんて真奈姉さんが使う言葉だったっけ?

真奈姉さんは俺のことを見ているようで見ていないような、真奈姉さんは俺の後ろを見ているような……

「またあんたが來たの? それによりにもよって……」

「はっはー! 近くに來たからなぁ。ついでに寄ってみたのだが、なんといいとこに出くわしたみたいだな! はっはー!」

俺の後ろから聞こえてくる笑い聲。

後らにいる人を振り返ってみてみる。

と、俺の目に映ったのは、140センチくらいの低長の長が小さいせいか顔と目のバランスがどこから見ても児のような風貌。

俺は聲と姿のギャップに一驚をくわされた。

俺はそんなをじっくりと見ていると、

「おいおい! のことをジロジロとみるんじゃないぞ! セクハラになるぞ!」

と、が見た目とは似つかない渋い聲でそんなことを言う。

「あっ。すみません。ついつい……」

「はっはー! まぁ仕方がないことだ! お前の絵に免じて許してやろう!」

「あっ。はい。ありがとうございます!」

「よいよい! もう気にしておらん!」

と、機嫌のよさそうな

そんなとは相反して、真奈姉さんはというとそのに対して鋭い眼を向けている。

「真奈姉さん。この方はいったい……」

「この方はね——————」

と、真奈姉さんがの紹介をしようとしたところ、その言葉をが遮って

「これはすまん! 紹介が遅れてしまって。私はこういうものでございます」

は先程の調子づいた口調を改めて、丁寧な大人びた口調で一片の紙を取り出した。

手渡された紙に書かれていたのは

雷撃文庫ライトノベル編集長。

川 音菜(おさながわ おとな)

と書かれていた。

          

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