《デフォが棒読み・無表の年は何故旅に出るのか【凍結】》11 人になれるかな
「ゴルテ」
「まだ寢ていなかったのか」
俺の歓迎會らしきものが開かれた日の夜。
「人と話すってどうやるんだろ」
「私とは話せているではないか。それに、人見知りというわけでもないだろう」
「ゴルテは…俺と話しても何も思わないでしょ」
自分でも良く分からない。
話したくないわけでもないし、話してしくないわけでもない。
人がいる。
ああ、話しかけようか。
俺はそういう思考に辿り著かないのだ。
何故か。
「人はお前を嫌ったり好きになったりするからな。好のと負のに仕分けするのが人間だ」
「違うんだ。多分」
何だろう。
どう言えばいいんだろう。
「人からどう思われるか、なんてのはどうでもいい。それなら話しかければいいって話だけれど、どこか話しかけちゃいけない、って気持ちがあるんだ。それと同時に話しかけなくちゃいけないんだって焦る思いもある。何だろうね。これって本當何なんだろう」
長く喋りすぎた。
深呼吸をして息を整える。
「…獣相手なら話しかけるのに躊躇いは無いということか」
「違うと思う。村にいた時、に話しかけようなんて考えたこともなかったよ。喋るなんて居なかったし」
ゴルテを見ながら寢返りを打つ。
部屋の中には機と椅子、空っぽの本棚と寢臺、俺とゴルテだけが存在している。
両隣の部屋、どちらからも音がしない。
もうすっかり寢てしまったのだろうか。
「お前は」
人ではないな。
「そんなわけないよ」
流石に俺が人以外だってことはないよ。
「分からないぞ」
捨て子なのだろう。
「言ったっけ」
言った覚えはないけれど。
「何となく、な」
そうだろうな、と思ったのだ。
「そんな分かる?」
捨て子オーラが滲み出てたりするの?
「いや」
私は何人もそういう者を見てきたからな。
「何、人も」
じゃあ、聞くけれど
そういう人たちは
            ヒトになれたの?
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