《神様にツカれています。》第一章 7
「験の神様は安定した需要に恵まれておるからな……。ただ、子高齢化がネックとなっておる。そこさえクリア出來れば……」
何だか神様らしくないと誠司にも分かる話し方だった。
「需要?そんなモノが神様の世界に重要なんですか?」
意外過ぎてついつい真面目に聞いてしまった。というか「需要」って供給の反対の言葉で合っているのだろうか?
大學の講義で聞き慣れた漢字変換を頭の中でついつい行ってしまったが、日本語も難しいのでもしかしたら違う漢字なのかも。
日本語しかまともに話せない誠司だった。いや、敬語の使い方とかは全然ダメでコンビニのバイトでマニュアルは何とか覚えた「敬語らしきモノ」は使えるがそれ以上は無理で、父親に「就活の時にはどうするんだ?」真顔で心配されている。
大學では英語の講義もカリキュラム上は存在したし、中學・高校と英語の授業の時間はあったけれども、先生の聲を聴くと睡魔が襲ってきてほぼ條件反でお晝寢タイムになっていた。
「もちろんだ。この業界にもグレードというかステイタスが存在している。ほら、ネカフェでも一般、シルバー會員そしてゴールド會員さらに通うとプラチナ會員になるだろう。
ああいうじだ」
自稱日本古來の神様とかの麻神様は、誠司がエ〇畫を観るためやマンガ代を節約するために――PCやスマホのことは父親の方が詳しいというけない有様でそういうのを閲覧すると何故かバレる――通っているインターネットカフェの仕組みにも詳しいらしい。
「この例えで分からないか?ならばクレジットカードでも良いが。ほらア〇ックスの緑のカードよりも」
何だかこの変てこな神様と話していると誠司が何となく抱いていた神様像との余りのギャップに異なった意味で眩暈めまいがしそうだ。
「えと、學問の神様、藤原じゃなかった、ええと何でしたっけ?」
「言いたいことはそこではないし、三歩歩けば忘れるような教え甲斐もない人間に教えるのは時間の無駄だ。世の中、タイム・イズ・マネーだからの……」
「三歩以上は歩いてますけど」と言いたいが北野天満宮に參ったのに、その神様の名前をすっかり忘れてしまっていたことには変わりがないので黙っておく。
それに神様の言葉が意外過ぎて頭がクラクラするのも事実だった。
【書籍化】追放された公爵令嬢、ヴィルヘルミーナが幸せになるまで。
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8 127モンスター・イン・エンドアース
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