《験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》1時限目
「「えぇ!?」」
7人3様の驚きを見せる。
3様というのは、本當に驚いているティム・エウレア・シャロン。
ちなみにエウレアは無言。
面白がっているウィル。
そして嬉々として撃ちたそうなゲイル・デラロサ・マロン。
「現段階でのみんなの実力も知っておきたいしな。大丈夫、ここで何かの間違いで俺が死んでしまったとしても、それは學校で起こった不慮の事故だ。気にすることはない」
後半部分はゲイルに向かって言う。
俺への憎悪が全から立ち上ってるからな。
このくらい言ってやれば全力でやってくれるだろ。
「全員で、ですか?」
「そうだな、そのくらいでいいんじゃないか?」
面白がっているウィルの確認にも敢えて自があるように答える。
こっちが自信があるように見せていれば、気弱なシャロンでもやってくれるだろ。
「では、皆さんよろしいですか?」
「は」
「なんでお前が仕切ってるんだよ!?」
「いきますよ?」
ウィルが仕切っているのにゲイルが噛みつくが、そんなことは気にせずにウィルはカウントダウンをする。
「今です!」
一応、ウィルに合わせて全員がこっちに魔法を放つ。
7人中、4人が火の魔法。
1人は水、もう1人は雷。
そしてもう1人は氷だった。
うん、まぁ、火魔法が多いっていうのは予想通りだ。
強いし、単純だしな。
大抵は火魔法から覚えるものだ。
S級(クラス)だけあってほぼ全員が特大の球を撃ってきた。
魔力制は訓練しなければどうにもならないが、魔法の規模云々に関してはほぼ才能に依存しているからな。
「えっと……」
まず水魔法の制を奪って1つの火魔法と相殺させる。
俺に到達した雷魔法を避けつつ、氷魔法の制を奪い2つの火魔法を足止めする。
そして自分で水魔法を発し、魔法の核となっている部分を殘り1つの火魔法と止めていた火魔法もろとも破壊する。
この間大1秒。
「なんとかなったな」
流石、S級(クラス)だけあって魔法の規模が大きい。
食らってたら死ぬまではいかないまでも、1週間安靜が必要なくらいにはなっていただろうな。
とりあえず、全員の魔法を見れたので満足し、皆の方へ振り向く。
まぁ、予想通りしっかりと全員驚いてくれたようだ。
「今、何をなさったんですの? 先生」
「あぁ、順番に説明していこうか」
ウィルが代表して聞いてきたので、今俺がしたことを細かく伝える。
「今の一瞬にそんなことを……」
「は! はったりだろ! B級(クラス)にそんな真似ができるわけがない!」
「でも、ゲイルー。違うなら、どうやって無傷だったのかなー」
「ぐっ。それは……」
マロンに論破されてるし。
「違うと思うなら、それはそれでいい。俺がどうやってあの狀況を無傷で切り抜けたのか、上手い理由を考えてみるんだな。っと、まぁ、そんなに敵対視しなくてもいいじゃないか。どうせ先生である俺との関係なんか1年間なんだから、仲良くしてくれよ」
ちょっと喧嘩売りすぎだと思ったのでフォローはいれたが、ゲイルは聞いていなかった様子。
ミスったな。
「えっと、じゃあ、皆の魔法にけた印象を言っていくから、一応聞いててくれ。まず、ゲイル」
自分の名前を呼ばれ、ゲイルも一応こちらを見る。
「火魔法の大玉だったが、7人の中で規模は1番大きかったな。凄いと思うぞ。ただ、制が甘くてこっちに來る頃には弱まってしまっていたな」
「當然だろ! 俺を誰だと思っているんだ!」
誇らしげにを張るゲイル。
褒められたところしか耳にっていないのか。
「次は、デラロサとマロン。2人も火魔法だったが、制が苦手だろう? 形の維持に制力を使いすぎて速さがなかった。そのあたりの配分を覚えたらすぐに強くなると思うぞ」
2人とも自覚はあるのか、素直に頷く。
「で、最後の火魔法のティム。逆に速さを求めすぎてたな。形が崩れまくって威力がほとんどなくなっていた。なくなってたって言っても、俺からすれば脅威ではあったんだが、お前の実力ならもっとできるはずだ」
「はい……」
「えっと、雷魔法はエウレアだよな?」
無言でエウレアがコクリと頷く。
「現段階で雷魔法をあれほど綺麗に使えるのは凄いぞ。かなり努力してるんだなというのがわかった。なぜ雷魔法を使ったんだ?」
「他の人が、使わないと思ったから……」
「なるほど、いい判斷だな。多くの屬があった方がこっちとしても対処しづらい。エウレアの魔法は避けることになってしまったからな」
銀髪をくしゃくしゃとでると、ちょっと顔が赤くなった。
褒められなれてないのかな。
「シャロンの水魔法は、規模はゲイルに次いで2番目だったな。速さも中々だった。これから丁寧に練習していけばもっと強くなれるぞ」
「……はい」
消えりそうな聲で返事をするシャロン。
「最後のウィルだが……。氷魔法だし、制でちょっととげつけてただろ」
「あ、お分かりになりました?」
こいつの氷魔法はただの球ではなく、いわゆるモーニングスターのような形になっていたのだ。
とげはあまり鋭利ではなかったが、それでも既にその制ができるのは凄い。
「まぁ、思いっきりやれって言ったのは俺だからいいんだけど。適當にあれをするなよ? 危ないから」
「しませんよ。実力が保証されている方にしか、ね?」
ウィルはいたずらっぽくウインクしながらそう俺に言うのだった。
「ただいまー……」
「お帰りー。お疲れのようだねー。ご飯にするかい?」
「お願いします、荷置いたら降りてくるんで」
このマンション(?)はエレベーターの代わりに昇降というものがある。
人1人分のを自らの風魔法で上り下りできるようにしたものだ。
最上階だからその労力も多必要になる。
今日は、初日ということもあり、授業自はあのあとすぐに終わった。
ゲイルやデラロサはすぐに帰ったのだが、なぜかウィルに付きまとわれて、他の先生方に理不盡に怒られる姿を見られるなどしていたらいつの間にか夕方になっていた。
どう考えてもおかしい。
「先生ってこんな職業だったけなぁ……」
もちろん、楽な職業だとは思ってないが、苦労をしている方向が違う気がする。
生徒のことで苦労するのはしょうがないというか、むしろ本質のような気がするが、先生方による嫌がらせは知らない。
「こんばんはー。あぁ!?」
「お、いらっしゃーい」
現在2人でしか使っていない食堂に行くと、管理人さんが食事を用意して待ってくれていた。
未婚のにあるまじき刺激的な姿で。
的には白いタンクトップのようなものに黒のホットパンツのようなもの。
白のタンクトップのようなものからは黒の下著がけている。
ちなみにこれらの日本にあるような服裝は本人お手製。
楽なんだそうだ。
「ちゃんと服を著てくださいよ!」
「なに? 私のこのしいのどこが不満なのさ!」
「しいからこっちは困るんですよ!」
「あ、そう? なら、しょうがないなぁ」
パーカーのようなものを羽織ってくれてやっと落ち著く。
綺麗な腳は出されたままだが、まぁ、そこには目をつぶろう。
いや、つぶらずに見せていただくわけだが。
「毎回言ってるじゃないですか、他の人が來たらどうするんですかって……」
「毎回言ってるだろう? ここになんか誰も來ないから大丈夫だと! 君には私を娶ってもらうから何の問題もないしね」
「問題しかありませんよ……」
この人は俺の2つ上の學校の先輩でもある。
S級(クラス)のフィオナ・ストラス。
現在ニート。
「ここの管理人だって言ってるだろー!?」
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