《僕は彼に脅迫されて……る?》第5話 のスポーツドリンク

カンカンカンカンパタパタカンカンカンカン。

隣の新築アパートの取り壊し工事も終わったみたいで、今はまた何かを建て始めようとしている。

あの敷地に、土臺の大きさから考えたらまたアパートかもしれない。やれやれ不屋さんが考えるのは全く分からないよ。

「あ♡お帰りなさいあなた。ジョギングで乾いたでしょ?お水にする?それか、プロのくせに味がわからないっていうお茶にする?それとも……私の」

の考えてることも僕には分らない。

「いや、スポーツドリンクがいいかな?」

僕は、冷靜に冷靜に言葉を返した。

この際、いろいろとツッコミたいところもあるけれど、気にしない。それが、彼と付き合う中で大事なことだと最近知ったよ。

「うふふ♡そうだと思って、あらかじめ用意しておいたの」

そう言って彼は、あらかじめエプロンのポケットに忍ばせていたのであろうスポーツドリンクを手に取り、渡して來る。

僕はそれを、どう見てもエプロンしか著てないなと思いつつけ取る。

……ツッこまない。ツッこまないぞ!

「ありがと。じゃあ早速だけどいただこうかな」

からけ取ったスポーツドリンクのふたを回し、開ける。

この時、僕は違和を覚えた。

見た目はなんの違和もないスポーツドリンク。

なのに、ふたを回すと違和がある。

ふたを全て回しきり、ふたを取ったところで僕はようやく違和の正がなんなのか分かった。

そうか。新品ならふたを開けるときちょっといから、し力をれるのに、このペットボトルに関してはまったく力をれてない。

見た目からして新品だと思ってたからじた違和だったんだろうね。このペットボトルはいつの間にか一回開けてたんだね。

ペットボトルの縁を口につけながら僕は、先観は事をそうだと最初に思っちゃったらそうだとしか思えなくなるんだなーと思いつつ、ゆっくりとスポーツドリンクを飲む。

「あっ、いい忘れたけどね?太くん」

飲んでる最中の僕に、彼は言う。

「んぅ?」

飲んでる最中なので、僕は聲にならない聲で彼に応える。

「それには……ね?私の………オ○ニーの時に出た、れたの」

「ブフォオぉ!!!」

含んでいたスポーツドリンクを盛大に吹き出した。

「あ、ちょ……太くん!何してるのよ……!ペロ……かかっちゃったじゃない!」

「ゴホゴホ!ご、ごめん!って違う!今、何をれたって!?」

聞き間違いだと信じながら、僕は彼に聞き返す。

どうか、聞き間違い……言い間違いであってくれ!

「だからね?私がオ○ニーして出たをね」

「頼むから!噓だと言って!」

「噓じゃないわよ?の子がねオ○ニーをすると、の奧底か」

「そこについて言ったわけじゃないよ!」

「え?じゃあ何に対して言ったの?」

「麗華さんの言う事全部にだよ!」

「私だって○ナニーくらいするわよ!」

「やめて!これ以上玄関先でそんなこと言わないで!」

朝早い時間帯からの子の、しかもの口からあれな言葉を聞かされるにもなってよ!ご近所さんから通報間違いなしだよ!

今の狀況は、エプロン姿(エプロンではないと心の底から願ってる)の1人と、汗だくの男子高生1人が玄関先で言い合ってる狀況。誰がどう見ても僕が捕まること間違いなしだね!

「え?どういう風に、誰を想ってやっているのかって?」

「いや、聞いてない!聞いてないよ!言わなくていいから!」

「使うのは基本的に」

「やめてぇ!生々しいから、やめてぇ!」

「それで……誰を想ってやってるのかは、それは……もちろん……って何を言わせるのよ!この変態!最後まで言わせようとするなんて!」

「言っちゃてる!最後以外、重要なやつ99%言っちゃてるから!」

知りたくもない……いや、これには噓があるけど。麗華さんの事を聞いちゃったよ。

「麗華さんの言ってることが、全部噓でありますように」

神に誓うように僕は呟いた。

「嫌よ。私はあなたに噓なんてつきたくないわ」

「ちくしょう!全部本當なのか!」

一瞬。ほんの一瞬だけ、ある景が僕の頭の中に浮かんだ。どんな景が浮かんだのかは、殘念だけど割するよ。

「それで、スポーツドリンクの味はどうだった?」

「せっかく忘れようとしていたのに!」

「男の子はの子のアレのを飲みたいんでしょ?」

「違うから!中には居るかもしれないけど、僕は違うから!」

「ウィキペディア先生はそう言っていたわよ!」

「それ、ほんとにウィキペディア大先生!?ていうか、ウィキペディアにそんなこと書いてあるの?」

「なんでも、の子のアレの……えーとま」

「言い直さなくていいから!分かるから!分かってるから!」

「でね、の子のアレから出るには滋養強壯がってるかもしれなくはなくないかもしれないらしいわよ?」

「もう、わけが分からないよ」

々なことにたいして、僕は訳が分からなくなった。

ジョギングから帰った朝の一連の流れを終えて、なんとか家の中にった僕は、麗華さんに勧められシャワーを浴びることに。

ジョギングの後がめちゃくちゃ疲れるのは、なぜなんだろうね。

一緒に麗華さんもろうとしていたけれど、なんとか斷ることに功したよ。あと、スポドリかけてごめんね麗華さん。

ちなみにだけどペットボトルの中はもったいないけど捨てたよ。

「まったく麗華さんは行が意味不明すぎるよ」

ぶつくさといいつつ服をぎ捨てる。

最近は、くとすぐに汗をかいちゃうから服が水分を含んでいて重い。

「ふぅ。ん?なんだこれ?」

浴室にろうと取っ手に手をかけたら、扉に張り紙がってあった。

【ここから先、日本國憲法は通用せず】

なんだろう……すごく嫌なじがするし、怖いんだけど……。というか、怖い。怖いよ!

「麗華さん……だよね?これ、書いたの」

ゴシックで丁寧に書かれてあるし、この家には僕と麗華さんしか出りしてないことから、きっと麗華さんが書いただろう。

「まぁ、気にせずろう。気にしちゃダメだ」

いちいち気にしていたら、くたくたになっちゃうしね。もうけっこうくたくただけど。

釘で打たれていたら、取ろうにも取れないしね。

「ふぅ……」

ジョギングと、それ以外で疲れているに、程よいお湯が染み渡る。だいぶリラックスできているせいか、おじいちゃんみたいな聲を出しちゃったよ。

「平日の朝は忙しいからシャワーしか浴びれないけど、お湯に浸かるのはやっぱりいいものだね。休みの日最高だ!」

そんなことを言いつつ、鼻歌じりにお湯に浸かっていると、浴室に影が見えた。

「太くん。湯加減どう?」

影の正は麗華さんのようだ。

まぁ、この家には今現在、僕と麗華さんしか居ないはずだから、當たり前なんだけど。

僕の借りているアパートの部屋の構造上、浴室はあるけど所はない。だから、麗華さんには、僕がっている間、部屋に居てもらうようにお願いしておいた。そうしないと、著替えとか見られちゃうからね。

そんな彼がなんで來たのか不思議だったのだけれど、湯加減を聞くために來たと分かって安心。麗華さんは前園さん同様気が利くんだね。さすが新生代表。

「うん。いいじだよ。わざわざお湯を張っていてくれてありがと」

僕がジョギングしている間に彼がお湯を張ってくれていたから、僕はこうしてお湯に浸かることができている。僕一人だけだったら、いくら休みの日でもシャワーだけで済ますところだったよ。

「ううん。いいのよ。これは彼として當然のことだし、將來の旦那さまのために……」

「ごめん麗華さん。最後なんて言ったの?」

ドア1枚を挾んで會話をしているせいか、いつも凜とした聲の麗華さんの聲はクリアには聞こえず、しまいには聞き取れなかった。

「なんでもないわ!それより」

ガチャリ。

と、ドアが空き、麗華さんが浴室にインしてきた。

「一緒にってもいい?」

そして、聞いてきる。

僕の目に映るのは、制服や、もちろんエプロンなんてものは付けていない、そのまんまの、素材本來の、生まれたままの姿の麗華さんだった。

あの時とは違う、何もつけてない狀態の麗華さん。

スラリとびる腳に、ムチムチとしている太もも。恥ずかしいのか、部は手で覆っていていや、手を後ろに組み直して部はって!何を実況しているんだ!

くびれのある腰に、恐らく同年代になら負けていないであろう大きさのは、重力に逆らい宙に浮いているようにすら思える。先端は鮮やかな桜で、白いに付いているそれは、雪の上に咲く桜のようって、だからなにを解説してるんだ!

つまり、お手本のような綺麗なをした麗華さんが僕の前に立っていた。

……うん。普通なら興して、襲っちゃうかもしれないシチュエーションだけど、僕はただただ、びっくりしている。人間、ほんとうに訳が分からなくなったり、どうして?って思うと、呆然とするのが分かったよ。麗華さんといると新たに知識が加わるから、僕は將來博士にでもなれるんじゃないかって違う!

違うよ!僕!ととと、とにかく落ち著くんだ!

何かをいえ!何かを言うんだ!

「いや、って來てから聞くのは遅いと思うよ?」

違う!何かを言えって自分で自分に言ったけど、違うでしょ!僕!合ってるには合ってるけど!

……思った以上に揺している。

「あっ、うん。そうよね。ごめんなさい」

若干頬を赤くした麗華さんが謝る。

「でも、っちゃたらしょうがないわよね?」

「しょうがなくない!しょうがなくないよ!と、とにかく一回出て!すぐにお風呂にりたいのなら、僕すぐに出るから!」

「ダメよ。太くん。それじゃ一緒にお風呂にれないじゃない!」

々と問題があるでしょ!」

「それに関しては大丈夫よ。なんの問題もないから」

「え?」

「この空間は日本國憲法は通用しないから♪」

「あの張り紙はそう言う事だったのかー!」

「さぁ!一緒にの洗いっこをしましょう!あわよくば、その延長戦もやりましょうね!」

「洗いっこの延長戦ってなに!?」

「え?の子である私からそれを言わせる気なの?この変態!」

「明らかに僕が変態でないことだけは確信できる!」

「まぁ太くんに拒否権は無いんだけどね。私の下僕なんだから♪」

「今それをいう!?」

「それに、彼氏彼ならこれくらい、授業中に保健室でえ○ちをするくらい普通よ!」

確かに、彼氏彼なら授業中に保健室で……いや、授業中に保健室は普通じゃない!けど、麗華さんの言う通り、彼氏彼なら普通だ……と思う。本當の彼氏彼なら。

「待って麗華さん。確かに彼氏彼なら普通かもしれないけど」

「そうよね!」

「うん。本當の彼氏彼ならね。でもさ、僕らの関係は……!」

「…………」

僕の言葉に彼は黙り込んだ。

「普通の彼氏彼ならいいと思うだ。けどさ、僕らの関係はそう言った彼氏彼の関係とは違うじゃん?だから、こういうのは」

「若妻や、私のったスポーツドリンクを飲むのはいいのに?」

俯きながら彼はいう。

どれが、セーフでどれがアウトかなんて僕にも分からない。けど、今のこの狀況は違うと思う。

本心で彼がしたいと思っているのならいいけれど、僕が彼に弱みを握ってるのと同じように、僕もまた彼を知っている。

が僕にそのを言われたく無いがために、こんなことをやっているのならそれは違う。

「うん」

「嫌がる私を無理やり犯して、自分のを果たしたのに?」

「うん。それはやってやってないよね?」

「そう……太くんは私とえ○ちなこととかしたいとは思わないの?」

當然したいと思ってる。

僕だって思春期の高校生だ。の子のあんなことやこんなことの一つや二つしたいと思ってる。

「それは……その……うん」

それに、の麗華さんにしたくないなんて思うわけが無い。

「なら、いいじゃない!」

「えぇ〜!!」

「太くんにその気持ちがあるのならOKよね?というかあなたの言い分なんて知らないわ。だって今この空間は日本國憲法は通用しないのも」

「日本國憲法とか関係ないと思うんだけど!」

個人の意思が関係あると思うんだけど!

「なんだ。太くんもそう思ってるんじゃない」

「違う!そういう意味じゃない!」

あれ?さっきまでシリアスな流れだったのに、シリアスな展開はどこに行ったんだ!?

「さぁ!まずは浴槽から出なさい!私が太くんを隅々まで洗ってあげるから!」

「待って!待って麗華さん!腕引っ張らないで!」

「何を言ってるの?今日は初めてのデートをするって言ったじゃない!まさか斷るの?」

「デートは行くけど!」

「なら出なさい!デートの日は彼氏彼はえ○ちしてからデートに行くって聞いたんだから!」

「たぶんするとしたら順番がおかしいと思う!」

この後、僕はなんとか浴室から出することに功し、貞を守ることが出來た。

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