《従妹に懐かれすぎてる件》三月二十一日「従妹と買い」
「よーし、飯でも買いに行ってくるか」
最近はもっぱらコンビニ弁當で済ませてしまっている。一人暮らしだと自炊をしてもそこまで安上がりにならないしな。
でももうこれからは違うんだよね……。
「ゆうにぃ、またコンビニに行くの?」
「あぁ、夕飯も一緒に買おうと思ってるが」
「むぅ、たまには料理しないと駄目だよ! 食生活がれるし」
彩音は指を左右に振りながら俺に注意する。
なんだか母親に世話を焼かされてるような気分だ。
「まあ確かに彩音もいるし、今日は何か作ってみるかー」
「ちょっと待ってゆうにぃ! 料理なら私に任せて!」
煌めいた笑顔と共に答える。
そういえば彩音って料理できたっけ?
「だから買い一緒に行こ? ついでに近くのスーパーとか々教えてよ」
「そうだな。じゃあ案がてら行ってくるとするか」
ウキウキの彩音を連れて外へ出る。
「東京都~特許~きょかきょーくぅー♪」
「なんだその変な歌は」
くるくると回りながら俺の前を歩く彩音。
まるで子供のようである。……まあ子供なんだが。
「ゆうにぃはご飯何食べたい?」
「そうだな……カレーとか?」
「うーん、卻下」
「なにぃ!?」
カレーは固形のルーさえ使えば簡単に作れるのだが……。
「じゃあ焼き魚」
「卻下」
「すき焼き」
「卻下ぁー」
「野菜炒め」
「きゃっかぁー!」
「何なら良いんだよ!?」
果たして彩音に作る気はあるのだろうか。
「作る料理はもう決まってるからそれ以外は全部卻下だよ!」
「じゃあ何で俺に食べたいもの聞いたんだよ」
「それは……ただ聞いてみただけ! なんかさ、夫婦みたいなやり取りでいいじじゃん」
「なんじゃそりゃ……」
分からないでもないが……。でもリクエストを聞いてくれると思って期待したのにな。
「ゆうにぃ、スーパーってここ?」
彩音の指差す先、近所にあるお馴染みのスーパー『東友』が見えてきた。會話をしながら歩いていたため、あっという間に著いたじがする。
「彩音、お菓子は二百円までだからな」
「むーっ、それいつの昔の話? もう私高校生になるんだよ?」
「そうか……なら三百円に上げるか」
「わーいっ! ……じゃないでしょ! 金額の問題じゃないのっ!」
ぷくーっと頬を膨らまして怒る彩音。
そんな姿も凄い可くて、俺はつい笑みをこぼしてしまう。
「もー、何がおかしいの!?」
「いやすまんすまん。なんか懐かしくなってな」
お互い、は長しても中はさほど変わらない。
昔のような他もない會話ができることに俺は素直に喜んでいた。
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【第二章開始!】 ※タイトル変更しました。舊タイトル「真の聖女らしい義妹をいじめたという罪で婚約破棄されて辺境の地に追放された騎士好き聖女は、憧れだった騎士団の寮で働けて今日も幸せ。」 私ではなく、義理の妹が真の聖女であるらしい。 そんな妹をいじめたとして、私は王子に婚約破棄され、魔物が猛威を振るう辺境の地を守る第一騎士団の寮で働くことになった。 ……なんて素晴らしいのかしら! 今まで誰にも言えなかったのだけど、実は私、男らしく鍛えられた騎士が大好きなの! 王子はひょろひょろで全然魅力的じゃなかったし、継母にも虐げられているし、この地に未練はまったくない! 喜んで行きます、辺境の地!第一騎士団の寮! 今日もご飯が美味しいし、騎士様は優しくて格好よくて素敵だし、私は幸せ。 だけど不思議。私が來てから、魔物が大人しくなったらしい。 それに私が作った料理を食べたら皆元気になるみたい。 ……復讐ですか?必要ありませんよ。 だって私は今とっても幸せなのだから! 騎士が大好きなのに騎士団長からの好意になかなか気づかない幸せなのほほん聖女と、勘違いしながらも一途にヒロインを想う騎士団長のラブコメ。 ※設定ゆるめ。軽い気持ちでお読みください。 ※ヒロインは騎士が好きすぎて興奮しすぎたりちょっと変態ちっくなところがあります。苦手な方はご注意ください!あたたかい目で見守ってくれると嬉しいです。 ◆5/6日間総合、5/9~12週間総合、6/1~4月間ジャンル別1位になれました!ありがとうございます!(*´˘`*) ◆皆様の応援のおかげで書籍化・コミカライズが決定しました!本當にありがとうございます!
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