《従妹に懐かれすぎてる件》三月二十七日「従妹と朝食」
朝の報収集タイムを終えた俺はゴミ収集員によるゴミ収集タイムに間に合わせるため、ゴミ袋を両手にアパートの口に來ていた。
普段と変わらない日課だが、唯一異なる點としてゴミの量が挙げられる。先週までは片手一袋だったのが彩音がやって來て両手二袋に……ってどうでもいいか。
暖かい春の日差しを浴び、ポストの扉を開く。
壽司宅配のチラシにピザ宅配、オードブル……。
ああもうなんでこいつらは単者しか住まないような狹いアパートにまで懲りもなく宣伝をぶち込んでくるかね。
頼む訳無いだろうがっ! ……今は分からないけど。
一人で愚癡をこぼし、雑な手つきでチラシを捲めくる。
どれも見飽きた容ばかりだったが、ふと一枚の紙切れに目が止まった。
「しがない珈琲屋『ろーれらい』ねぇ……」
自的な言葉を使うとは斬新な売り込み方だな。
半ば心しつつ、チラシに目を落としたまま部屋に戻る。
「ゆうにぃ! 目玉焼き焦がしちゃったよぉ……って何見てるの?」
「あぁ、ちょっと珍しいチラシがっててさ」
「ふーん、で、何? 宗教の勧とか?」
「違う違う。……近所に喫茶店ができたらしいんだ」
ぼそっと一言。
すると彩音は目のを変え、きらきらと輝かせながら俺に向かって
「行こう! 今から!」
「え? でも朝飯が」
「喫茶店だから軽食もあるんでしょ? ほら、新しいカフェで朝ご飯って素敵だと思わない?」
俺に詰め寄って熱く語る彩音。
そんなに喫茶店に行きたいのか?
でも今日の朝飯は彩音が作ってくれてたはずだったけど……。
……ってちょっと待て。さっき何か重大な発言をしてたような気が……。
「彩音。目玉焼きを作ってくれたんじゃなかったっけ?」
「それは……。こっち來て」
彩音は照れくさそうに微笑みながら手招きする。
彼について行き狹いキッチンへ向かうと、そこには原形を留めていない真っ黒な塊が二つ皿に並べてあった。
「……これを食えと?」
「いやいやそんな事したら、ゆうにぃ病気になっちゃうよ! でもごめんね。私本當に料理は不用で……」
不用ってレベルじゃねぇぞ!
ツッコミたくなる気持ちは山々だったが、彩音の申し訳無さそうに謝る姿を見ていたら、とてもじゃないが責める事はできない。
「頑張って作ってくれてるし寧ろ謝しているよ。……今日は仕方ないしここへ行ってみるか」
「本當!? ありがと、ゆうにぃ!」
太にも負けない晴れ晴れとした笑顔を見せる彩音。
この子は本當にがかで可らしいな。
思わず俺はニヤけてしまい、彩音は不思議そうに首を傾げる。
飯はまだだけど、々お腹いっぱいになった。
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