俺は今、ルイに腕を引っ張られながら小屋へ向かっている。

「なあルイ、俺まだそのルールとやらがいまいち分からないんだけど？」

「その話はセーフティールームに著いてからです！」

「そんな怒らなくても……」

ルイはムスッとした顔で、俺に目も合わせずに歩いている。

なんだかなあ……。

俺は上を向きながらため息をついた。

「……ん？」

ふと、視線の先に人影が見えた。

この森はたくさんの木が茂っている。木の高さは大20メートル程ある。そんな木がまっすぐにびているのだが、その木の上の方の枝に人が座っているように見えた。

「あんなところに人が……どうやって登ったんだ？」

俺は人影が見えた方を指差しながらルイに聞いた。

「え？人って………！」

「ぐおっ！？」

突如、ルイは驚きの表を浮かべ、俺を突き飛ばした。

『ドシュッ！』

俺が突き飛ばされた直後、俺が立っていたところを緑のレーザーのようなものが橫切った。

「ぐっ！」

餅をついた俺は、慌ててレーザーがびてきた方向に目をやった。

レーザーを放った主は、俺が見た、木の上に座っていた人影だった。

『シュウ～』

ふと、レーザーが當たった木を見た。

「……！？」

その木はシュウ～と音をたて、溶けていた。

「翔太さん！早く逃げて！」

ルイが険しい表で、木の上の人影を見ながらんだ。

「どどど、どういうことだ！？」

俺は同様を隠しきれなかった。

立ち上がろうとするが、溶けていく木を見た瞬間、恐怖で腰が抜け、立ち上がることができない。

「反応だけは相変わらず良いな、ルイ」

木の上に立つ人影がそう言いながら、その場をジャンプし、そのまま地面へ落ちていった。

『トッ』

あの高さから落ちたにも関わらず、無傷で、ほとんど音をたてずに著地した。

「……！」

その人影は、著地したと同時に俺たちに歩み寄ってくる。

だんだんとその人影が鮮明になっていく。

そして、俺達から5メートル程離れたところで立ち止まった。

「……？」

目の前に立っているのは、俺と同い年位のの子だった。

金髪のくせっを肩まで垂らし、魔のような服裝をしていて、顔がとても可いだった。

「久しぶりだな、ルイ」

金髪のが、不敵な笑みを浮かべながら言った。

そんな彼を、ルイは険しい表で睨み付けていた。

「何でここにいるんですか？アリサ」

強張った口調で、ルイは金髪のに言った。

「え～と……お前ら知り合いなのか？」

いまだに腰が抜けている俺が、ルイに聞いた。

やべえ、俺めっちゃだせえ。

すると、ルイが金髪のを睨み付けたまま言った。

「彼の名前はアリサ。私の元仲間です」

「……元？」

元っていうことは、つまり……。

「はい、今は私の敵です」

それから、ルイはアリサについて々と説明してくれた。

要約すると、アリサはルイの元仲間で、5人組のうちの一人だったそうだ。魔法を使うのに長けていて、この世界でも5本の指にる程だそうだ。

そんなアリサは、今、異世界からの侵者を抹殺する軍隊にはいっているそうで、さっきの俺達の會話を聞いて、俺を殺しに來たというわけだ。

この世界で5本の指にるような魔法使いが俺を抹殺しに來た、か。

……詰みましたね。

無理無理無理！！人生最大の無理ゲーポイントだろ！

何！？俺なんか悪いことした！？してないよね！ねえ！してないよね！？

「大丈夫です翔太さん、落ち著いてください」

無理ですね！どうあがいても無理ですね！

ルイは、右手で緑にる球を作っていた。おそらく魔法だろう。

それを見たアリサは前屈みなった。

「分かってんのかルイ？私を止めるってことはあんたも犯罪者だぜ？」

アリサの言葉に、ルイはし間をあけてから言った。

って何！？犯罪者！？なんで！？？

「……ええ、承知のうえですよ」

そう言って、ルイは右手に作っていた球の魔法をアリサめがけて放った。

「リーフカット！！」