《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第27話 怒り発な件
〜オルオブ村、村役場〜
「改めてよろしくな、リノ」
「こちらこそなのだ、翔太!」
元気よく返事を返すリノ。こいつの見せる笑顔は本當に可いものだ。
俺とリノのやり取りを見ていたルイとシリアも、俺に続いてあいさつした。
「よろしくお願いします、リノさん」
「よろしくね〜、リノちゃん」
二人のあいさつに、リノも笑顔で返事をした。
さて、改めてリノと和解した俺たちだが、今どこにいるか分かるだろうか。
分からないだろうな。
俺たちは今、このオルオブ村の役所的なところに來ている。
なぜそんな所にいるかって?
ふふふ……報酬をもらいに來たのだよ。スライム討伐クエストのな。
「楽しみだな……」
俺はポツリと呟き、それから辺りを見渡した。
役所はとても人が多い。例えるなら、大型デパート店くらいの人口度だ。
とても綺麗に掃除されており、洋館のような裝だ。
「何してるんですか翔太さん?早く行きますよ」
「おお、悪いな」
しばし足を止め、ボーっと役所を眺めていた俺は、ルイに早く行くよう急かされた。
ちょっと離れたところでルイ達が喋りながら俺を待っている。
俺は小走りでみんなのもとに向かった。
「遅いわよ、迷人」
「そこまで言わなくてよくね!?」
リーナがマジ顔で言ってくるもんだから、思わずツッコンでしまった。
すると、リーナの隣にいたシリアが笑いだす。
「確かに、あれだけ格好良くたんか切っておいて、お兄ちゃん実際何もしてないよね」
「ぬあああああ!!それを言わないでくれええええ!!」
そう、俺、寺尾翔太は、スライム討伐の際、格好良く出てったは良いものの、特に何もできていないのである。
くそっ!それだけは忘れようと頑張ってたのに!
「これだから迷人は」
「言い返せないのが悔しいわこの野郎!」
リーナに見下される俺。くそむかつく。
はあ……。何で俺はこんなに弱いんだ。くそぅ……。
俺が泣き目でを震わせていると、リーナが俺の肩にぽんと手を置いた。
そして、優しい聲でこう言った。
「翔太。あんたの気持ちくらい分かってるわよ。私たちを守ろうとしてくれたんでしょ?」
……やばい、リーナ先輩優しすぎる。
俺は我慢できず、ポロポロと涙を流した。
リーナは優しい聲で続ける。
「それでも、ダメな時くらい誰でもあるわよ。大丈夫、いつかできるわ」
なんなんだ今日のリーナ。さっきまでとは見違えるほど優しいやつだ。
そして、リーナは言った。
「でもね翔太。そういうの、ありがた迷って言うのよw」
鼻で笑われた。
うん、もう無理。制不可能。寺尾、いきまーす。
「さっきまでの返しやがれやーーーー!!」
「ゴフッ!!」
俺は思い切りリーナの腹に拳を叩き込んだ。
床に倒れこんだリーナがピクピクと震えている。
「あんたねぇ、に手え出すとか頭いかれてんじゃないの!?」
怒りの形相で言ってくるリーナ。
そんなリーナに俺は言い返す。
「うるせえ!大いつもいつも俺をムカつかせやがって!ここまで耐えた俺を褒めてしいくらいだ!!」
ぎゃあぎゃあと言い合う俺とリーナ。
そんな俺たちを、周りを通る人たちが冷たい目で見ている。無論、ルイ達も含めてだ。
「……もう行きましょうか」
「お兄ちゃんとリーナは置いてこう」
「それが賢明な判斷なのだ……」
いまだぎゃあぎゃあと言い合っている俺たちを置いて、三人は去って行った。
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