《俺の周りのは全員なんだが必ず何か重大な欠點がある!》3話 俺の不幸質は、 今日も絶賛稼働中です!

 あれから時は、 進み俺と千鶴は、 謎のに言われた通りの道を通った結果町についた。

 町は、 あまり大きくはないようだが、 一応町にる前には、 憲兵隊と思われる男が二人立っていた。

 

 「どうしたの俊? 急に立ち止まったりして」

 「いや、 初めての町にし興しているだけだよ」

 「そうなの? とにかく速く行きましょうよ」

 「わ、 わかったから! 引っ張るな!」

 こうして俺たちは町にろうとしたのだが……

 「そこの怪しい格好の二人組止まれ」

 

 ろうとした瞬間に、 憲兵に止められてしまった。

 「あの、 すみません。 町にりたいのですが……」

 「町にりたいのなら、 分証を提出してくれ」

 「なぜですか?」

 「最近この辺で殺人鬼が、 出現してな。 その犯人がいまだに捕まっていないんだ。 それでよそ者が町にる時は、 こうして確認をとっているわけだ」

 

 殺人鬼か。

 殺人鬼なら俺の隣にいるのだが、 言っても信じてもらえないだろうなぁ。

 そんなことより分証なんて持ってないぞ。

 どうしよう。

 ここは、 とりあえず正直に言うか。

 「すみません。 俺達田舎から出てきたばかりで、 分証を持ってないんです。 その場合どうすればいいですか?」

 「そうだな。 それなら今から発行してやるから簡単な質問に答えろ。 ちなみに発行するのには、 1,000プライスいるのだが、 お前金は持っているのか?」

 この世界のお金は、 金貨や銀貨ではなくプライスというものを使うらしい。

 「すみません。 お金も持ってません。 代わりに隣にいる千鶴をあげ……」

 「俊? 何か言った?」

 

 そう言いながら、 千鶴は俺にだけ見える角度で包丁をちらつかせてきた。

 

 「ん? 何か言おうとしていたが続きは言わなくていいのか?」

 「ええ、 なんでもありません。 それで明日まででいいので、 分証の代金を貸してくださいませんか?」

 「全く仕方ないな。 明日も俺は、 ここにいるから必ず返しに來るんだぞ」

 「ありがとうございます!」

 まさか、 不幸質の俺にもこんな幸運なことが起きるなんて! 

 

 「それでは、 こちらの紙に必要事項を書いてくれ」

 「あの、 すみません。 俺達字も書けないんです」

 「字もなのか! それだとお前たちが働ける仕事なんて、 冒険者しかないぞ? ああ、 でもの方は、 娼婦ならいけるか。 いや、 そんなことよりなりませんか? なったら俺。 毎日あなたをご指名しますよ?」

 

 この憲兵のおっちゃんもやはり男で、 人が相手だと言葉遣いが変わっている。

 

 「よかったじゃないか。 千鶴。 やっぱりお前は、 娼婦になるべき……」

 

 俺がそう言いかけた瞬間、 俺のに包丁が突き刺さった。

 正直かなり痛く変な汗をかき始めている。

 「おい? お前どうしたんだ? 急に汗なんてかきはじめて?」

 「実は、 今俺この隣にいるに刺され……」

 俺が、 おっさんに助けを求めようとした瞬間包丁は、 俺の腹にもう一本追加された。

 ヤバい! 超痛い! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!

 「さっきから様子がおかしいが、 大丈夫なのか?」

 「ええ! 大丈夫です! 俺は、 とても元気です!」

 多分ここで、 俺がこのおっさんに助けを求めようとした瞬間、 また包丁は増え、 俺の痛みは増す。

 それならここは、 何もしないのが正解だ。

 てか千鶴の奴! 一どんなところに、 包丁隠してんだよ!

 お前は、 慢心王が使うゲートオブ・〇ビロンでも持ってるのか!

 「バカなこと考えてないで早くこの人に書いてもらって中にりましょう?」

 「あ、 ああそうだな」

 ヤバいヤバイヤバイヤバイ! なんでこいつ俺の思考が読めるんだよ!

 「だから言ったでしょう? 私は、 俊のことならなんでもわかるんだから」

 「はははははは……」

 「おい、 やっぱりお前醫者に診てもらったほうがいいんじゃないのか?」

 「だ、 大丈夫です。 そんなことより質問をお願いします」

 「あ、 ああ」

 質問の容は、 本當に大したことはなく、 年齢だとか別。

 家族構などを聞かれた。

 「よし。 これで終わりだ。 ほれ!」

 そう言っておっさんは、 木の板を投げてきた。

 「これが分証明生ですか?」

 「ああ、 だからちゃんと管理しておけよ?」

 「わかりました。 何から何までありがとうございます」

 「気にしなくていい。 これも俺の仕事だからな」

 

 そうして、 俺たちは、 おっさんと別れを告げ町の中にろうとした。

 だが、 俺と千鶴が町にろうとした瞬間、 後ろでものすごい衝撃がした。

 そして、 俺たちは、 後ろを振り返った。

 そこには、 大きな翼をもったトカゲ。

 俺たちの世界で言うドラゴンらしきものがいた。

 ふ~やはり俺の不幸質は、 この世界に來ても治らないようだな。

 「な、 なんでこんなところにドラゴンが! 畜生俺には、 結婚を約束した人が待ってるんだ! こんなとこで死んでたまるかぁぁぁ!」

 

 そういいながら、 おっさんとは、 逆の位置にいたまだ若い憲兵がドラゴンに突っ込んでいった。

 そして、 その憲兵は、 ドラゴンの腕の薙ぎ払いにより空へと舞った。

 まあ、 そうなるとは、 わかってたけどね。

 だってあれだけ死亡フラグを立ててればそうなるよね。

 「ガゼルゥゥゥゥ!」

 「すいません。 ボストンさん」

 「バカ野郎! 死ぬんじゃない! お前には、 結婚を約束した人がいるんだろ!」

 「へへへ、 すみません。 それから、 これをティアラの奴に渡しといてください……」

 「こ、 これは……」

 ガゼルが出したのは、 指だった。

 きっと結婚指として渡すつもりだったのだろう。

 「ああ、 本當は、 自分で渡したかったんですけどね。 どうやらそれは、 葉わないようです。 ボストンさん。 後は任せ……」

 「ガゼルゥゥゥゥゥゥゥ!」

 「なあ、 千鶴。 この景見てどう思う?」

 「茶番にしか見えないわね……」

 「だよな……」

 「ガゼル。 貴様の願いしかとけ取った! だから俺は、 生きねばならない! だから、 ここは……」

 

 おいおい、 このじすごく嫌な予がするぞ。

 「逃げる!」

 や、 やっぱりだぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 あのおっさん自分の守ってる町を見捨てやがったぁぁぁぁぁ!

 「ねぇ俊。 あのドラゴンこっちの方見てない?」

 

 確かに千鶴の言う通りドラゴンは、 こちらの方向を向いていた。

 「はははは、 きっとあのドラゴンは、 俺たちの後ろにある町を狙ってるんだよ。 よしここは、俺もあのおっさんみたいに逃げるとするか」

 そう言って、 俺は、 町から離れ始めた。

 しかし、 ドラゴンの奴も顔をかしている。

 そして、 ドラゴンに視線の先には、 俺がいた。

 「あれぇ? おかしいなぁ? なんであのドラゴンは、 こっちを見てるんだろう?」

 「俊。 諦めなさい。 多分あなたあのドラゴンの標的にされてるわ。 でも安心して。 私は、 絶対に俊のことを見捨てないから」

 千鶴は、顔を赤くしながらそう言ってきたが全然嬉しくない。

 はあ、 このセリフを普通のが言ってくれたなら最高なのに。

 しかし、 俺もこのままやられるわけには、 いかない。

 「千鶴。 一つ作戦があるんだ。 聞いてくれないか?」

 「いいわよ」

 「よし。 俺の考えた作戦というのはな、 まず俺が千鶴を奴に向かって投げつける」

 「それから?」

 「後は、 簡単だ。 お前が奴に食べられている間に俺は、 逃げる。 どうだ! 完璧な作戦だろ! 我ながら自分の天才さが怖いな! ハッハハ!」

 

 俺が、 そう高らか笑っていると頭部にものすごい痛みがはしった。

 その痛みの原因は、 千鶴の奴が、 俺の頭部に包丁を突き刺したからだ。

 「千鶴さん。 いきなり何するんですか?」

 「俊が変なこと言うから悪いんじゃない」

 「俺の考えの一どこに問題があるというんだ! ドラゴンからも逃げられて、 殺人鬼からも逃げられる。 まさしく一石二鳥じゃないか!」

 俺の答えが、 千鶴は気にらなかったようで、 頭に包丁が、 五本ほど追加された。

 すごく痛いのだが、 我ながらここまでされても死なないことにある意味驚いた。

 

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