「シュン！ シュン！」

  誰だよ折角人が気持ちよく寢てるっていうのに……

 「シュン朝なのだ！ 起きるのだ！」

 なんだエルザか。 ああ、 でもまだ眠いし、 だるいし、 何もかもがめんどくさい。

 でもそんなこと言ってる場合じゃないもんな……

 「ああ……もう朝なのか？」

 「シュンおはようなのだ！」

 エルザは、 朝から元気だな。

 俺は、 朝が苦手だから朝からそんなハイテンションではいられないな。

 てかよくよく考えると今日は、 千鶴たちに侵されていないな。

 さすがに城のを壊すのは、 悪いとあいつらもじているのかな？

 そうだった場合これから俺が宿屋で寢る場合の安眠は、 約束されるな。

 「おはようエルザ。 それでなんでお前は俺を起こしたんだ？」

 「それは、 がしくなったからなのだ」

 「了解」

 俺が許可を出すとエルザは、 俺の首筋に噛みつきを吸い始めた。

 コンコン

 エルザが絶賛俺のを吸っている最中に、 部屋の扉を誰かがノックした。

 こんな朝早くに一誰だろう？

 「シュン様。 今中にってもよろしいでしょうか？」

 聲を聴く限り訪ねてきたのは、 クリスのようだ。

 「ああ、 いいぞ今カギを開け……」

 「いえ、 カギは持っているのでシュン様は、 そのままの態勢で結構ですよ」

 カチャリ

 「シュン様おはようござ……」

 クリスは俺に挨拶しながら、 部屋にってきたのだが俺がエルザにを吸われているシーンを見て固まってしまった。

 「ああ、 おはようクリス」

 「何暢気に挨拶を返しているんですか！ そんな事よりもシュン様は、 一何をさせているんですか？」

 「何ってエルザにを吸わせているだけだけど？」

 「ええ！？  なぜそちらの方は、 シュン様のを吸っていらっしゃるんですか！」

 「ああ、 クリスは知らなかったのか。 実は、 エルザって吸鬼なんだよ」

 俺がそうカミングアウトするとクリスは、 固まってしまった。

 「お～い。 大丈夫か？ 生きてるか？」

 「生きてますよ！ そんな事よりもなんで吸鬼を飼いならしているんですか！ 普通吸鬼って言ったら退治しなくてはいけない存在なんですよ！ それなのに……」

 「まあまあそんなに怒るなって。 それにこいつは、 人を襲わないよ」

 「どうしてそう言い切れるんですか！」

 「それは、 こいつが俺のに夢中だからだよ」

 「あの、 シュン様の仰っていることの意味がよくわからないのですか？」

 「俺にもよくわからんのだが、 俺のには一種の中毒があるらしくてな。 そうとは知らず俺のを吸ってしまったエルザは、 すっかり俺のにご執心というわけだ」

 「でしたらなぜシュン様は、 吸鬼を飼っているんですか！」

 「だってこいつ見た目は、 子供だろ？ そんな奴を手にかけるのは、 さすがに嫌だったしな。 それとエルザは、 飼っているんじゃない。 対等な仲間だよ。 だから今後そんな風に言わないでくれ」

 「う、 でも……」

 「まあまあ何かあったら俺が全部責任を負うから。 この答えじゃ不満か？」

 「ええ、 大いに不満があります！ だってこのままだとシュン様は、 その吸鬼の一生餌も同然じゃないですか！ しかもを吸われる行為って相當な痛みを伴う行為のはずなんですよ！」

 「ふふふ……」

 餌ね。 確かにクリスの言っていることは、 間違いじゃないな。

 てか普通吸鬼にを吸われるのって痛いんだな。

 「何を笑っているのですか！」

 「いや、 クリスが俺のを案じて怒っていることがつい嬉しくてな」

 「そんな狀態の人の事を心配しないほうがおかしいんですよ！」

 「ごもっともな意見だな。 それとお前の心配は、 杞憂だよ」

 「杞憂ですか？」

 「まずこいつのを吸う際に走る痛みだが、 そんなものは一切ない。 それにエルザは、 俺の事を餌として見ていないし、 他の人間の事も餌とは見ていない」

 「その言葉は、 本當なんですか？」

 「本當だよ」

 クリスは、 俺のその言葉を聞くと大きく深呼吸をした。

 「わかりました……シュン様がそこまで仰るならその吸鬼を退治することは、 やめます。 ただしその吸鬼がシュン様に対して吸行為以外で傷つけるようなことがあった場合は、容赦なく私が退治します」

 「それでいい。 ありがとうなクリス」

 「別にお禮を言われる筋合いは、 ありませんよ。 全くシュン様は、 本當に甘いお方ですね」

 俺は、 甘いのか？ どちらかと言うとクリスの方が甘い気がするがここでそんなことを言うと怒らせかねないから黙っておくことにしよう。

 俺がそんなことを考えている間にエルザは、 俺の首筋から口を離した。

 「ご馳走様なのだ。 今日もシュンのはとってもおいしかったのだ……」

 エルザはそう言うと放送止レベルの恍惚とした表を浮かべた。

 本當にこれだけはいつ見ても変な気分になるよな……

 「ゴクリ……」

 「あのもしかしてクリスも俺のを飲んでみたいのか？」

 「い、 いえ。 そ、 そんなことクリスは、 思っていませんよ？」

 そういうクリスの目は、 明らかに泳いでいた。

 「えっとそんなに飲みたいなら飲んでもいいぞ？ 幸い今は、 エルザが俺を吸したせいでエルザが飲みきれなかった分のが俺の首筋をしたたっているわけだし……」

 「そ、 そこまでシュン様が言うなら仕方ありませんね！」

 クリスは口では仕方ないとか言ってるくせに顔は、 とっても嬉しそうな表をしていた。

 「それじゃあ失禮して……」

 クリスは、 そう言いながら俺の首筋に近づいてきた。

 その時自然とが著する形になり、 俺とクリスは、 端から見ると抱き合っているカップルにしか見えなかった。

 ペロリ

 クリスの舌が俺の首筋を舐めたとき、 変な聲が出そうになったが必死に俺は聲がでないようにこらえた。

 「そ、 それで味は、 どうなんだ？」

 「……」

 クリスは、 俺が質問しているにも関わらず固まったままかなかった。

 「無視は、 寂しんだけど？」

 「ハッ！ すみません！ 意識がとんでいました！」

 おいおい。 意識がとんでいたってどういう狀況だよ……

 「それで味は、 どうなんだ？」

 「そうですね。 すごく鉄の味がしました」

 そりゃそうだよな。 だってだもの。

 「でもなぜかまたしくなるようなそんな気分にさせられるので！ ですから意志ではわかっていても、 が今すぐにでもシュン様を襲ってもっとがしいと訴えています！」

 そう言うクリスの顔は赤く、 鼻息が荒くて、 目がトロンとしていた。

 「おい！ クリスしっかりしろ！」

 「はあはあ。 もっとしい……」

 ヤバい！ クリスにを飲ませたのは、 完全に失敗だった！

 この狀況何とかせねば！

 「クリス悪い！」

 「へ……」

 俺は、 そう言うとクリスの首に思い切りチョップをして気絶させた。

 まさかこんな場面でこの技を使う羽目になるとは……

 クリスは、 気絶してから十分ほどで目が覚めた。

 「あれ？ 私は？」

 「よかった！ いつも通りのクリスに戻ったんだな！」

 「確かあの時シュン様のを飲んでそれから……」

 いかん！ これ以上思い出させてはいけない！

 「そんなことよりクリス！ なんでお前は、 俺の部屋に來たのか理由を教えてくれないかな！」

 「へ？ ああ、 はい。 私がシュン様の部屋に來た理由ですね」

 ふう。 何とか話を逸らすことに功したな。

 「私がシュン様の部屋に來た理由ですかが、 それはお父様がシュン様達のことを呼んでいたからです」

 あの愚王が俺達を呼んでいただと？

 なんか碌でもない予がするな。

 でも行かないわけには行かないし......

 「それで王はなぜ俺達を呼ぶよう言ったんだ？」

 「そのことについては、 玉座の間にて話すそうです」

 「わかった。 とりあえず今からその場所に向かおう。 行くぞエルザ」

 「わかったのだ！」

 「では、 私は他の方々を呼びに行ってきますね」

 「ああ、 頼む」

 そう言った後俺とエルザは、 別れ俺は玉座の間にエルザと一緒に向かった。

 あ、 そう言えば俺のってまだ止してないじゃん。

 まあどうせこの後ルビーに會うわけだし、 その時唾もらって止めるとするかな。