《お姉ちゃんがしいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。》5話 実は昔の想い人だった人と勉強會! ☆
はろはろー!琴音ちゃんだよ!
ここでちょいと私の昔話をしようと思うの。と言ってもそんなに時間は取らないと思うわ。それこそあっさりですよ。ポテチうす塩味です。……舌が痛くなりそう。
男として平々凡々というか平凡以下として生きていた前世。未だに前世と言っていいのか微妙なとこだけど……私の死因なんだよ。じゃなくて、とにかく普通の男として生きていたわけです。すると男なのだからを好きになるわけですよね。好きになった人はそれなりにいますけど、その中でも特に好きだったのが馴染のみーちゃんなのです。
みーちゃんこと、瀬鈴。今の私と同じぐらいかし長いくらいの黒髪。若干癖ッなのがポイント。目はパッチリしてて可い系。勉強とかやらねばならないことに対する努力をしっかりとする頑張り屋さんだが、どこかちょっと抜けてる不思議ちゃん。それがみーちゃんだ。今のロリみーちゃんも十分可いのだけれど、大きくなったみーちゃんも可い系で顔だ。
そんなみーちゃんに男時代の私はをして悶絶したり落膽したりとせわしなかったわけだが、結局片想いなだけで終わった。良く話したり家族ぐるみで遊びに行ったり、それだけでも本當に楽しかったのですよ私は。告白もしようと何度か思ったのだけれど、彼の中に私はいないんだなぁこれが。アウトオブ眼中ってやつで、下手に告白でもしようものなら今以下の関係になる可能があり、それが怖くて言い出せなかったのです。そして気付けば23歳で死んだ目をしてたわけですね!
と、過去のお話はこんなもん。割とありふれてる悲てやつだと思います。悲ていうか……ヘタレ?うるさいやいっ!
それにしても何故今このタイミングでカミングアウトしたのか。それは私がの子になってしまったからだ。
の子になってから不思議なもので、彼に抱いていたを焦がす様な慕というのは消えてしまった。悲しいかな……。その代わりに姉妹ていうの?なんか可い妹みたいなじがするのですよね。つまり何が言いたいのかというと、私が今みーちゃんをなでなでしたり抱きしめたりするのは邪ながあってするわけではないのです!これは合法です!
「ひゃん!ちょっと!琴ちゃんくすぐったいよ〜!」
「うへへへ。これが良いのかこれが良いのか〜」
私のくすぐりにをよじらせてるみーちゃん。ここがええのかーここがええのかー。ぐへへへ、みーちゃん可いっす。ロリみーちゃん可いっす。の子同士最高だね!この瞬間だけでもの子になった甲斐があるってもんよ!役得!そこの男子諸君羨ましかろう。でも殘念!貴方がそんなことをしたら事案ですよ!お巡りさんこちらですよ!……え?私?私はの子なので大丈夫だよ!だからその手に持ってるスマホを置きなさい。……私誰にむかって言ってるんだろう。テンション上がりすぎな。
勉強はどうしたって?ちゃんとやってますよ。2時間ぐらい頑張ったんだし息抜き必要じゃない?人間の集中力は10分?15分とかだったと思うので、それを思えば結構頑張った!だからこうしてご褒……ゴホン!戯れてるわけですよ。
「ちょっと、うひっ、やめてってば!もうーこのー!」
「うひっ!ちょっ!にゃはは!反撃なん、て、ずる、ずるい!」
「ずるくないっ!おもいしれっ!」
「ひぇー!やめ、やめれー!」
意外!みーちゃんは私に反撃してきた!しかもこやつ中々にテクニシャンでいらっしゃる……!私の弱いところを的確に攻めてきて……うひぁ!
お互いに一歩も引かない攻防が10數分続いたが、ほぼ同時に力切れをし引き分け。勉強會って頭を使うだけで力は使わないと思うんだけど、私とみーちゃんは激しい運でもしていたのかとでも言わんばかり疲れきっていた。汗も凄い。いつから勉強會は格闘技みたいになったんだろう。私の中の勉強會という言葉がゲシュタルト崩壊してる気がする。
「ふー笑った笑った……琴ちゃん飲み飲む?」
「あー頂けるのであれば頂戴つかまつりたいでございます……」
「ふふ、変な言い方。じゃし待ってて、持ってくるね」
汗を結構かいて笑ったせいか、めちゃんこが渇いててなんか飲みたいなぁなんて思っていたのだけれど、みーちゃんはそんな私の心境を見事に読み取り飲みを準備してくれると言った。みーちゃんいい娘!きっといいお嫁さんになれるよ!……いや、みーちゃんは渡さない!私の嫁だ!彼氏や旦那になろうというのならばまず私を倒すんだな!
「お待たせ―。麥茶しかなかったんだけどいい?」
「全然!もらえるだけありがたいよ~」
私はみーちゃんの癒し水をごきゅごきゅと……いきたいのだが、あくまでの子らしくちびちびと飲む。むむぅもどかしい……。しかし立派なお姉ちゃんたるもの、いかなる時であろうと気を抜いてはいけない。人のうわさや聲程広がるものはないからね。百合百合するのはいいのか?はい、おkです。私が許可します。これは私が……じゃなくて、んな人が幸せになれる景なので許されます。……んな人の定義が狹そう。
「それにしても琴ちゃん、ちゃんと勉強してるんだね。私結構わからないとこあったけど、スラスラ答えてるし。しかも説明もわかりやすくて先生みたい」
「あー、そうかな?たまたまだよ」
「勉強でたまたまもあるかな~」
「あるアルヨ」
「なんでえせ中國人?」
「そんなことないアルヨ」
「あるのないのどっち……?」
みーちゃんは関心したようにそんなことを言った。私は曖昧な返事をして誤魔化す。私の場合は貯金があるだけで、本來の中學一年生の學力ではない。いわばチート行為してるわけですよね。前の人生がベータテストみたいなもんで、今が本サービスでプレイしているというところ。つまりビーターですね。とげとげ頭のオニイサンに喚かれそう。
なのでみーちゃんの純粋な賞賛というのがどうもむずがゆくて素直に喜べない。不正をして喜べるとしたらそれはただのクズですよ。……素直に喜べないだけどまんざらでもないと思っている自分がいるので、私は割とクズかもしれない、世知辛いのじゃ~。
「よーし、息抜きしたしもうちょっと頑張ろう。琴ちゃん先生よろしくっ」
「お、おう!先生に任せんさい!」
うん。不正してますけど、こうして頼られると嬉しくなっちゃうよ。琴音ちゃんやる気出ちゃうよ!お姉さんが優しく手取り足取り教えちゃうよ!一緒に頭のでくんずほぐれつだよ!いえええええええい!ふぅううう!!
「今日はありがとうね!結構苦手潰せたと思う」
「いやいやこっちこそ!一人だと勉強がはかどらないし」
「また明日もよろしくねっ、琴ちゃん先生♪」
「うむ、よかろう」
楽しい勉強會はあっという間に終わってしまった。本當楽しい時間ていうのはすぐ終わっちゃう。もうしぐらい一緒にやってたかったけど、流石にいい時間だしね。あんまり遅くなっちゃったら変な人がポップするかもしれないし。中は20以上でもは12歳の。非力オブ非力もいいところ。同い歳の男の子一人にすら腕力で負けるのだし、それが大人とかだったらひとたまりもない。なので頭脳派貧弱な私はしっかりとリスクマネジメントをしエンカウントすることを避けなけれなならないのだ。
「あ、そうだ。最近変な人が出るって聞くし気を付けてね」
……。
あの、変なフラグ立てるのやめてもらえませんみーちゃん。既にママ上がフラグ立ててくれてたんだからそこで追い打ちのように立させるのやめてほんと。まるでこれから私が襲われるのがまれているみたいなのほんともうNGです。ま、まぁ私は一流フラグクラッシャーだからね。なんてったって前世では異のフラグをことごとく打ち砕いてきたという実績があるからね。こういうのも問答無用でクラッシュしたるわ。様式から離れるのは私の得意技です。
「うん気を付けるよ。じゃあまた明日ね~」
「じゃあね~」
私はバイバイと手を振り自転車にる。もう4月とは言え、青森みたいな北國の日沒はまだ早い。18時近くになれば薄暗くなり視界は悪くなる。こうやって周りを見てみれば人通りもなく街燈もない……あれ?なんかやばくない?私もしかして襲われちゃう?様式しちゃう?
し怖くなった私は、気持ちスピードを出し帰路につく。男の子だった時はこんなこと思ったりしなかったのだけれど、これもの子になってしまったが故の変化というやつだろうか。
みーちゃんの家から私の家までは自転車で5分程。距離としては凄く近い。だが、私にとってこの距離は結構長くじた。後ろから誰か追ってきているんじゃないか?そこの曲がり角に誰かいるんじゃないか?襲われたら逃げ切れるのか?そんな不安が私を蝕んでいく。それと比例するように私の心臓は早鐘を打ち、自転車をこぐスピードも上がっていく。
はっはっと、息切れをしながら顔を上げると気付けば家についていた。私は急いで自転車を車庫にしまうと駆け込むように玄関をくぐり家の中にった。するとその音を聞いたのかお母さんが階段の上からこちらを見てきた。
「あら帰って來たんだが……ってどうしたの?」
お母さんは私の様子を見て心配そうな表を浮かべる。私はお母さんの問いかけに対して返事すらもできやしない。數秒程そうして固まっていると、お母さんは階段を降り私のところまで來て頭をポンポンとでてくれた。すると不思議なもので私の不安や恐怖が薄れていき落ち著いてきた。
「……ううん、何でもない。ちょっと運したくてめっちゃ自転車こいでたら息切れしちゃって」
なんか怖くなってとは言えなくて咄嗟に噓を吐く。本當は怖かったし不安だったと言いたかったんだけど、私の中の男の子の部分がそれを隠してしまう。つまり意地を張ってしまったのだ。男の癖にそんなことでびびってんじゃねぇよと。はの子なのだからびびって當然だとは思うのだけれど……やっぱりすぐにの子として生きるってことはできないのか。こういう深層心理ではまだまだ男としての意識が付いているようだ。
「んだの……ま、そろそろご飯だしまずは手洗ってきなさい」
「うん」
素直になれない私にお母さんは優しい聲でそう言ってくれた。私は軽く返事をすると洗面所に向かい手を洗う。ふと顔を上げて鏡を見てみる。
「……酷い顔」
泣きそうでけない顔。そりゃお母さんも心配するわ。どうやら私は思っていた以上に怖がっていたのだろう。心とがマッチしていないというか……。
私はブンブンを頭をふる。
ダメだダメだ!私はしっかりもの癒し系お姉ちゃんになるんだ!こんな顔をしてたら弟たちが不安がっちゃう。私はめる側でめられる側じゃないんだ。しっかりしなきゃ。
気分をリフレッシュするべく冷水で顔を洗う。を刺すような冷水が私の中に殘った不安や葛藤を洗い流していく。
「よしっ!」
タオルで顔についた水を吹き再度鏡を見る。そこには朝見た時のような可らしいの子がいた。さっきまでの不安そうな酷い顔はどこにもない。ニパッ☆とホーリースマイルをかましてみるが……うん、これぞ私だ。
「ご飯ー!!ちょっと手伝いなさい!!」
お母さんが聲を張り上げる。それと同時に私のお腹はク~と可らしい音を鳴らした。頭結構使ったしいい運もしたからそりゃお腹もすくわ。
「今行くー!」
私は元気よく返事をし臺所へ向かう。早くご飯が食べたい。ていうか、早く弟たちを見たい構いたい――そこまで考えて私は重要なことを思い出す。
「あっ……みーちゃんに弟がおしすぎるのが普通なのか聞くの忘れてた!」
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