《お姉ちゃんがしいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。》13話 厳重にカギをかけた寶箱は真っ黒だった!

「うぅー……やっぱなんか違う……」

朝からダウナー系の琴音ちゃんだよ。いつもはもっと元気なんだけど、今日はちょっちダメぽ。なーんか今いち元気になりきれないんだよねぇ。所謂空元気も上手くいかないし……なーんか気分もブルーだし。私なんでここにいるんだろ……。

「琴ちゃん大丈夫?なんか朝から元気ないね」

「大丈夫だよ……元気」

「全然元気そうじゃないけど……ご飯も全然食べてないし」

し早めのダイエットだよ……」

「今ダイエットしたらんじゃうよ」

「長い目でみたらびるから大丈夫」

今はお晝休み。今日はみーちゃんと一緒にお晝ご飯を食べているんだけど……私の方のお弁當は全く手がついていない。食べないと午後の授業が危険地帯と化すわけなんだけど、胃が食べけ付けないのだ。唯一胃にれたのは來る途中で買った野菜ジュースくらいだ。普段ならそんなんじゃ全然足りないんだけど今日はもうこれが限界です。無理に食べたらリバースして滝を作っちゃいそうで……。ないすぼぉぉぉと。

案の定、いつもの私とはかけ離れた狀態にみーちゃんが心配そうに聲をかけてきた。みーちゃん優しい娘。朝の私はなんだかんだいつも通りになるっしょ、とか思っていたわけなんですけども……今日ほんとダメっす……無理っす……ちょーべリーローです……。

授業は何とか頑張って聞いてるけど、それでもいつものような集中力は無いようなじ。まだ始めの方の授業だから寢ててもわかるような容だから助かってるけど、本格的に始まってきたらやばいよね。

ちゅーわけで、午後の授業も割とピーンチ。これ晝食時間終わったら保健室行こうかな……。

「無理してもダメだよ。辛いなら保健室いかないと。ついていってあげるから行こ?ね?」

「うー、みーちゃんありがとぉ……」

私を気遣ってくれるみーちゃんマジ天使。自分の時間を削ってまで私のために行してくれるなんて本當友達思いのいい娘だよ。利己的な私とは段違いだね。

早々にお弁當を片付け、私はみーちゃんに連れられ保健室へと向かった。

「失禮しまーす」

「はいはい、どうしましたか?」

私が普段よりも數段元気のない聲であいさつをするとすぐに奧の方からが現れた。保健室の番人である宮先生だ。歳は30前後くらいかな?優しい雰囲気を醸し出す方で、実際に話し方なども優しく安心させるものがある。理想の養護教諭といったところだ。

「いえ、あの……が怠くて」

しじゃないでしょ?お晝も食べれてなかったし」

「あ、ハイ」

私が言い終わるのと同時にみーちゃんからツッコミをくらった。うぅ、笑顔なんだけど笑顔じゃないよみーちゃん。目が笑ってないよ。怖いよ。

程ね。最近そんなじなの?」

最近?最近というか今日から急にってじかなぁ。昨日とかはエネルギッシュな私でしたし。

「いえ、今日ですね」

「なるほどなるほど……。じゃあ生理は毎月來てる?」

「整理?整理整頓なら毎日してますけど……」

「あー、そっちじゃなくての方よ」

一瞬何を言われているのかわからなくてフリーズする。隣にいるみーちゃんも同じようだ。目を丸くしてポカーンとしている。

の方……の方ってなんだろ?整理だからの調子をよくする的な?にたまった老廃というか不純を取り除く為にストレッチするってことかな……。は?いやそれはないでしょい!いくら頭が回ってないからって発想が突飛すぎるよ!これが天才の考え方ってやつなのか!すいません調子に乗りました。私は天才のての字にも含まれない凡骨です、はい。

えーと、整理、せいり……生理か。って!生理か!!程ね!どうりでがダルいわけですわ。の子なんだから月のモノがあるんでしたね。すっかり忘れてました。そうだよ。の子になるってそういうことじゃん。なんで今まで気にしてなかった私……。でもどうだろう?今まで來てたのかな?ぼんやりとある今までの、琴音としての12年間にはなかった気がする。

「あの、多分初めてです……」

「なら初ね。とかは出てない?」

「はい……、まだ、特には……」

「うーん、なら今は前兆ってとこかしら。早ければ今日にでも來るかもしれないしぃ……取りあえず気分がすぐれるまではここで休んでいきなさい。それとナプキン渡しておくわね。付け方はわかる?」

「ありがとうございます。はい、多分……」

「多分ね……。まぁ付け方わからなかったら聞いて頂戴な。言い難いかもしれないけれど」

ぽへ~としている合間に宮先生は話を進めていった。そしてナプキンを渡された。付け方は……うん多分、多分大丈夫。何とかなると、思うはい。

えー、私初めてらしいです。ある意味本當の意味での子になったようです。はい。これってあれかな?お赤飯ってやつ?

「あ、それと隣の君……えーと」

鈴さんです。それと私は川田琴音です」

「ありがとう。瀬さんはまだかしら?」

「えと……琴ちゃんみたいなのは……まだ……」

「うん、ありがとう。瀬さんももしかしたら來るかもしれないから注意してね。の子にとってこれはとても大事なことなの。しでも調がよくないなとかが出てるっていうことがあったらお母さんに相談すること。もし學校でなっちゃったらここに來ること。今日はちゃんと持ってきている?」

「あ、いえ、まだ……」

「ならあなたにも渡しておくわね?いつ來るかわからないんだから普段から準備しておかないとね」

そう言うと宮先生はナプキンをみーちゃんに渡した。

「一応お母さんからは聞いているわよね?」

「あ、はい……話は」

「なら大丈夫ね。でも心配だったり不安があったら必ず相談するのよ?お母さんが言いづらいのなら私が聞いてあげるから」

「ありがとうございます」

「川田さんあなたもよ?中學1年生前後が一番多いのよ?ならしっかりと準備しておかないとダメよ?授業中にが出ちゃったりしたら大変でしょう?今後はポーチにれて持ち歩くようにしなさいね?」

「はい……気を付けます」

あー。琴音ちゃんダメ出しされちゃったよ……。そうだよ、なんで忘れてたんだろう。お母さんが言ってたじゃない。生理があるってこと。それがあるとどうなるかってこと。しっかりと言ってくれたのにどうして今まで忘れて・・・いたんだろう?

手帳や生理用品もそう。普段は使わないからって機の引き出しにしまっていたじゃない。これまでだって學校に持って行ってたのに、なんで中學にってから・・・・・・・・持って行かなくなったのだろう……不思議だ。

あれ?今……うーん?気のせい?気のせいだよね?えと、とにかく、次は気を付けないとね。琴音ちゃんは學ぶ娘なのです。

「それじゃ辛いだろうしし橫になりなさい。瀬さん申し訳ないけど川田さんのこと次の授業の先生に伝えておいてもらえるかしら」

「はい、わかりました。じゃあ私は行くね?ゆっくり休んでね」

「うん、ありがとね」

みーちゃんは心配そうにそう言うと、バイバイと手を振り保健室から出て行ってしまった。私はし寂しいな、なんて思いながらもドッと疲れが出てきてしまい、案されたベッドに橫になる。すると睡魔がいきなり襲ってきて意識を保つのすらできなくなってしまった。どうやら私は自分で思っていた以上に疲労していたようだ。おかげでこうして琴音としての自分は也を潛めてしまっている。

俺私は久々にじる自分らしさに懐かしさを覚える。間違っても男だった時の俺私はこんな格ではなかったはずだ。はず、多分。どっちかっていうと超ネガティブ。そりゃーネガティブっす。常に自分とは……みたいなじだもんね。何それメンヘラ?男でメンヘラとか終わってんな。死すべし。じとしては、それこそ今の狀態の私俺が一番近いだろう。それでもまだ私俺の方が大分明るいが。

今のこの瞬間は文字通り瞬間というやつだろう。時間にして數秒。いや數コンマかもしれない。何倍にも引き延ばされたこの空間で俺私は今まで考えてこなかったことを考えてしまう。

TSだろうが時間遡行だろうが関係ない。俺私は一誰なのか。確かには琴音のものだ。しかしそこにこうして俺私が巣くっている。果たしてそれは元居た人格を潰し俺私が上書きしてしまったのか。人格を魂と表現するならば俺私は『琴音』を殺したことになる。もしそうならば、それはよりになってしまった私俺にはあまりにも殘酷で救えない話だ。到底今の私俺には耐えられるものではないだろう。だからこそ普段はその『最悪の現実』を頭の奧の奧に厳重にカギをかけしまっているのだ。

答えは誰にもわからない。まずTSも時間遡行もする人間など現実に存在はしないだろうから。これは俺私だけの異質な問題だ。誰にも相談も打ち明けることもできやしない。これは気付いちゃいけない。気付かせてはいけない。だからまたこうしてカギをかけるのだ。

もし――これが救われる語人生だというのなら、俺は転生をし今まで前世を失っていた、そうであってしいと俺私は切に願ったのだった。

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