《お姉ちゃんがしいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。》16話 テストってなに?味しいの?寧ろ苦いと聞きます。
はろー!ぱわふる元気ーな琴音ちゃんです!今日は遂に今生においての初のテストでございます。いやーやだね!テスト何それ味しいの?前世でも死ぬほど嫌いだったテストですが、今回の琴音ちゃんは違うぜー?きちんと毎日勉強してきましたからね!苦手もわからないとこもない!……と言い切りたいのですが、やっぱり不安なものは不安。これまでしっかりと勉強してきたことがなかったので、これで本當にいいのか?という不安がね、やっぱりあるよね。
今は朝禮前の自由時間。それなりに早くいる生徒たちはこの時間を使って雑談や勉強、はたまた読書やゲームなんかをしてる。ゲームと漫畫は持ち込み不可なんだけどね。やる人必ずいるよね。
普段の私はというと、この空き時間を使って基本は報収集に勤しむ。報収集っていうのはこのクラスの人たちについて。この人とは仲良くなれそうかなーとか、どうやったら仲良くなれるかなーていう報を人伝に聞いてはアタックをしている。おかげで新たな友達が結構増えたよね!前世でお友達だった人もいれば、今生から友達としてお付き合いしている人もいる。すると今まで知らなかったこととか知れて結構楽しいんだよね。
で、今日はというと、流石にテスト日ということがあってか大抵の人はノートや教科書をぱらつかせている。みーちゃんや一馬、誠司もそうだ。各いう私もこうしてノートをぱらつかせている。全然読んでないけどね!眺めてるだけ!落ち著かないから見てるふり!
そんなわけなのだけれど、唯一一人だけは違った。
「遂に今日テストだぜ……やべぇよ……全然勉強してない」
「そうは言いつつ勉強してるでしょ君」
「いや、マジで全然やってない」
「でたよ……」
そう、真である。真はそこが定位置であると言わんばかりに私の機に両腕を載せている。勉強道なんて持ってきていない。
真は結構頭が良い。前世では常にトップ十位にるくらいには。普段バカっぽいだけに勉強ができるってなんやねんそれってじだ。実際高校も、地元では一番と言われる高校に學しちゃってるぐらいだ。
そんな真なんだけれど、こいつ、今みたいなじで勉強してない、不安だ、みたいなことを延々と言うんですよね。當時の私はそれを聞いて「あ、真も勉強してないんだ!」みたいに安心してたらちゃっかり高得點とっててよく裏切られたものだよ。
本當!勉強してる人程勉強してないって言うからね!みんな騙されちゃダメだよ!!……まぁ中には私みたいに本當に勉強してない人もいるだろうけど。
今回はね、事前に真がどーゆー奴か知ってるからそんな手には引っかからないけどね!それに私も前世から見てこれ以上ないくらいには勉強しましたし。目指せ學年一位よ!!
「琴音はどうなんだよ。勉強した?」
「ん~?どうだろ。程ほどに、かな」
「それでもやったのか、すげぇな」
これが勉強できない詐欺の心理戦か……。まさか私がすることになるとは思いもしなかったけど、なんかこれ、めんどくさいな。しかし、ここで自分勉強してますとか言って負けたら嫌だし。真に負ける気なんてこれっぽっちもないですけどね!!
とは言え、全くしてなかったわけではないのでみーちゃんを巻き込んでやることにする。ごめんね。でもこれ長引きそうだったから。
「全然じゃない?あ、でも放課後はみーちゃんと勉強會してたよ」
「何故俺をそこに呼ばなかった!!!」
「あぁぁぁぁあああぁぁぁ、し、し、視界が、が、が、が、ゆ、ゆれ、揺れるぅー」
そこで私が勉強會をしていたことを告白する。するとどうだ。真は涙を流しそうな勢いで私の肩を摑みゆすり始めた。
真君!私の子だよっ?!そんなっ!あ、激しく!ちょ、やめ、ぐぇえええ!
思った以上に強い力に困しながら私は揺さぶられる。視界がぐわんぐわんするよー!
なんで呼ばなかったって?そりゃこの子が良くも悪くもマイペースな子だからだよ。人を惹きつけるカリスマもあるけれど、それと同時に時間の掌握も得意なんだよね。どういうことかというと、自のペースに巻き込むのがとても上手なのだ。
私が集中したい時であろうと、自の集中力が切れているば変なギャグや顔蕓を繰り返す。しかも笑うまで続けてくるのでたちが悪い。逆に自分が集中している時はそーゆーことは一切しない。ここまで言うとただの嫌なやつなんだけど、集中する時は周りも一緒に集中させてしまうのだ。
自分のペースを摑めないこっちはちょっと、いやかなり迷なんだけど、それでもきっちり集中するときは集中させるので、結果勉強は進む。それにこいつ頭いいからわからないことがあったら教えてくれたりもする。総合的に見るといいことばかりなんだけどね。
ただ!今回ばかりは外したくなかった私は、自分のペースを保ちたかったので真を呼ばなかった。べ、別にみーちゃんと二人きりでいちゃいちゃしたかったからってわけじゃないんだからね!……本當だよ!!……5割は。殘り5割はいちゃいちゃしたかったってのが理由だけど。
「まーたあそこいちゃいちゃしてるよ」
唐突に聲が聞こえてきた。その聲に真は肩を揺さぶるのを辭めてくれた。うぅ……まいへっどがしぇいくしぇいくされてすぴなー……。
「いちゃいちゃじゃねぇし。ていうか馴染だしこれくらい普通だろ?」
「えーそう?にしては君ら仲良すぎじゃない?」
「そうか?」
「そうだよ」
私を魔の手から救ってくれた主は誰ぞ?ついでに不名譽なことを言ってるのは誰ぞ?と顔を聲のした方に向ける。そこに居たのは小野田由紀だ。前世では私の初めての彼だった人で々とトラウマが蘇る人でもある。正直あまりいいは持っていない。この世界?でも彼が全く同じであるとは限らないけれど、それでも私の中の「小野田由紀」の評価はすこぶる低い。できれば近付きたくないレベル。
「ね、琴音ちゃんもそう思わない?」
何故その話で私に同意を求める!それを話の渦中の主要人に聞くとかありえないでしょ!!天然かっ!!!いや、なんちゃって天然って私知ってるからな!!君は何を思ってそんなことを私に質問してるんだい?!あれか?私と真をなんとしてでもくっつけたいのか!!生憎私にとって真はそーゆー対象じゃないし!!友達としては嫌いになれないし、寧ろそれなりにいいやつだけど、前世で親友だったけど、異としてはあうとおぶがんちゅーですぅ!!手のかかる弟みたいな気持ちですぅ!!真だって私のことそーゆー対象に捉えてないでしょうよ!!!ほんとっ!!ほんっと!!!ふぁっきゅーーーーー!!!!!
とは言えないので、ここは當たり障りのない回答で事無きを得ようと思う。
「別にそんな関係じゃないかな?馴染なだけで……そう弟みたいな覚だよ」
ふふっ、これは完璧な回答ね。ついでに余裕溢れる大人の微笑みもプレゼントだよ。多の揺はしたけれど、淑たるものお下品に取りしたりなどしませんわっ。常に余裕を持ち優であれ、ですわっ!
「お、俺が弟なのか?」
「え?違う??」
「いやいやいや、俺が兄だろ」
「寢言は寢て言うものだよ?しんちゃん?」
「は?そっちこそだろ」
「Do sleep-talk only while you're sleeping.」
「英語で言えなんて言ってねぇし。ていうか発音いいな!何言ってるかわかんなかったけど、それ多分おんなじ意味だよな」
「すごいすごい!しんちゃん英語できるんだね!」
「やっぱりか!じゃなくて!しんちゃん呼びやめろ!」
「えぇ~、可いじゃん」
「俺がいやだ」
「我儘だなぁ」
「夫婦漫才だよね」
「「誰が夫婦か!!」」
「ほら息ピッタリ」
うぐっ!折角穏便に誤解を解こうと思ったのに……!!真のやつ余計なことを言うからぁ!思わず昔の癖でやっちゃったじゃんよ!ここは黙って弟どぅえす!って言ってちゃんちゃんでしょ?!まぁ私が弟としてしてるのはけーちゃんとよーちゃんだけだけどね。浮気はしてないよっ!安心して!!……じゃなくて!あぁもう!これでまた小野田さんに余計なポイントを與えちゃったよ!!これで変な噂流れるようになるんでしょ?!『川田は荒木の嫁』とか!冗談じゃないっつーの!!こちとらまだの子として男の子を好きになるとか全然考えらんねぇから!!ホモ?!ねぇ、ホモだよ!!神的BLってやつだろ!!ムリムリムリ!!もうほんっとムリ!!え?だってアレでしょ?手つないだり、はたまた仲が進んでき、キス……したり、そのままその先までいったり……ひぃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!ムリムリムリムリ!!!ありえないっ!!!!鳥ヤバいって!!!チキンスキンなっちまうよ!!!
「いやムリ!無いから!!本當にそれないから!!百歩譲って家族みたいなもんだとしても、男としてなんて見れないから!!」
我慢できずに私はぶようにそう言った。ムキになればなるほど不名譽な誤解は進むというものだけれど、殘念ながらそこまで冷靜な思考回路は持ち合わせてないのよね。だって前世の親友だよ!?そんなやつとの仲を想像するとか無理でしょい!!
「ムキになるのが怪しい~」
ほらね!ほらね!!!そうなったよ!!!詰んだよ!!!何この外堀を埋められるじ。私この年で妻ですか?將來にwktkすることなく終了ですか?!そんなのいやー!!私はけーちゃんとよーちゃんと重婚するのー!!
「そ、そこまで否定しなくても……」
予想に反して真はしショックをけているようだ。そりゃそうか。想っていようがいまいが力強く否定されるとショックだよね。うん、気持ちはわからんでもないよ。でもね!君がそーゆー反応をするとねーー。
「おほぉ?荒木君はまんざらでもない?」
ほらぁ!ほらぁぁぁぁぁぁあああ!!
こうなったよ!そらこうなるよ!!私がミーハー子だったら絶対そう言うよ!!
私は必死に小野田さんの誤解を解こうとあーだこーだと言うが、その度に真が紛らわしい・・・・・反応をするので中々誤解が解けない。
ガラッ。
そうこうしていると教室の扉が開く音がした。しかし、誤解を解くのに夢中になっていたせいかそれに気付けなかった。だからいけなかったのだろう。
「ん?もうホームルームだぞ。夫婦漫才はそこまでにして早く席につけ」
「「先生公認?!!」」
どうやら私と真の『夫婦関係』は先生にも周知されていたようだ。そしてその言葉のせいで私は真の嫁という噂に信憑をもたせてしまったのは言うまでもない。
あーん!なんでこうなるのぉー!!
リターン・トゥ・テラ
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