《お姉ちゃんがしいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。》32話 運會の種目決め!私の目指す姉の方向は?

一部ハプニング?があったが、平和な土日を終え今日は月曜日のお晝休み。學生も社會人も、心もも重くなるあの月曜日です。過ぎ去った至高の土日さんと泣く泣くお別れをし、過酷な1週間の始まりを知らせるにっくき月曜さん。多くの人間がこの曜日を恨みそして嘆いていることだろう。まぁ割と學生生活が楽しくじている私にとっては月曜最高ー!てなじなのだけれど、如何せん、真にあの現場を目撃されてしまったからするとある意味同じ様に憂鬱な日でもある。そんな私です。

「にしてもお前貓語なんて話せたんだな……」

「もうその話はよろしネ!」

ほら來た!いっつもそう!何かネタを見つければハイエナの如く突っ込んで來るは真君!君はぶれないね!でもね、それ土曜の話でしょ?!もう月曜だよ!話蒸し返さなくていいわっ。しつこい男の子は嫌われちゃうんだぞっ。そしてそんな面白そうな話をしていて知らんぷりできる人間がいるはずもなく――。

「貓語?なんの話?」

「ほらぁ!こーなるじゃーん!!」

みーちゃんがすかさず反応してきた。そりゃそうだよね!こんな味い話をほっておくなんてことしないよね!特に私の話が好きな?みーちゃんは、ことこういった話には必ずと言っていい程反応するもんね!

……なんかデジャヴをじる。的に言うと、うちのママ上と近い匂いがする。

前世と格は変わってないのだけれど、私に対する反応というか対応というか……そう、距離が違う。前世でも私をからかったりするのを好いていたみーちゃんではあるが、今のみーちゃんは過剰な気がするんだよね。その片鱗をじたのが例の私の寫真集なんだけど。あれね、前みーちゃんの家に遊びに行ったら、本當に金庫の中に保管してあったんだよね。しかも取り出すときとかもわざわざ手袋を裝著してから取り出してたし、あれを眺めてる時もなんか恍惚としてて……正直怖かった。みーちゃん相手に貞の危機をじたよね……。

そんなわけだから、みーちゃんにとってこのネタは外せないのだろう。今もめっちゃ笑顔でこちらを眺めてらっしゃる。すっごい可いんだけどね……目が……マジだょ?

「川田さん……貓さんと會話できるの?」

今度は澪ちゃんがやってきた。澪ちゃんもこれまた可らしい笑顔でこちらにやってくる。みーちゃんと違うのは純粋さ、だろうか。いやみーちゃんも十分純粋というか穢れ無きだと信じているんだけれどさ。澪ちゃんの周りにはお花が咲いているじがする。ぽわぽわぁ~としている。

「いやぁ……にゃんこと會話できるというか……極まってと言いますか……」

こりゃ誤魔化せないなぁと思ったので正直に答える。

仕方ないんじゃん!!

にゃんこ可いもん!可いじゃん!!ぬこ様神だよ!!

そりゃ極まって、とち狂ってにゃんにゃん言っちゃうよ!どこかのコズミックホラー的な何かみたいなじで、遭遇すると正気を失っちゃうんだもん!貓好きならこの気持ちわかるよね!?なっちゃうよね!??

「わかるよ~。私も貓さん見ちゃうとつい『ごきげんですかにゃ~?』とか聞いちゃうもん。可いよね~」

流石ちゃん澪!わかってくれてる!そしてお花畑!

「そうなんだよー!にゃんこが可すぎて……もうなんか涎でそう……」

「なんかクネついててキモイ……」

「そこ、キモイとか言うなっ!」

私が澪ちゃんと貓好きワールドを展開しようとしていると、すかさずそこに真がちゃちゃをいれてくる。君はもう!本當にもう!牛でもアイスでもないけれどもうもう言いたくなるこの気持ち理解してもらえないだろうかっ!moo!!

「琴ちゃんの癡態をモットキキタイ――じゃなかった。この後の『総合』って運會の種目決めだったよね。みんなどうするの?」

一瞬みーちゃんから不穏な言葉が聞こえた気がするけれど聞かなかったことにする。

そう言えばもう運會なんですよね。先日にも考えた通り早起きをし、朝のランニングをこなしている私ですが、種目については全然考えていなかった。

全員參加の団競技だと、綱引き、大縄跳び、二人三腳、かな。代表者のみの參加となる競技は、徒競走、走り幅跳び、リレー、借り競爭、障害競爭、パンくい競爭だったかな。

突出して特殊な競技はなかったと思うけど、強いてあげるとすればだろうか?何故かうちの學校はを推しており、毎年必ずれている。組っていうのかな?なんか音楽に合わせてかして、最後にはピラミッド作ったりするの。一応危険を考え、ピラミッドは3段までってことになっている。因みに男は別です。

前世ではこのが嫌いで嫌いで……。前世での私はピラミッドの頂點で膝立ちをしてポーズを決めたわけですけども、安定のないそこそこの高さがあるものがすごーく苦手なんですよ。なんか変な汗出てくるしがぷるぷるするし。おかげで最後のポージングなんかはすんごいへっぴり腰で引き攣った笑顔を浮かべてたもんだから家族には大笑されたよね。勿論撮影の概念と化しているママ上には嬉しくないベストショットを撮られ見事にアルバムに収められましたよ、はい。

なのでできれば今回はピラミッドの最下層がいいのです。學級ヒエラルキー的には上層の方がいいけれど、こと組においては最下層が最高であることは間違いない。奴隷のように膝まづかされ、背中にクラスメートを乗せよいしょしなければならない。ピラミッドの頂點に立つものが大手を振れるよう、最下層の私は地べたに這いつくばるのだ。

きっと人の乗りどころが悪ければ、たちまち背中を痛めるに違いない。しかしそうだとしても、私は上位ヒエラルキーにはなりとうないのである。平民は平民らしく城下町を支える大黒柱でいい。

上からの眺めがいかようであろうとも、私は下を選ぶ。だって地面素晴らしいじゃん!地面程安定した足場はないから!人間なんだし足を付けたいじゃん!

と、話がそれちゃったか。

まぁとにかくそれなりに競技はある。ここで大事なのは競技種目になるわけで、どれを選び、そしてそれでどのような果を殘すかによって私の『理想の姉』の印象が決まる。

ぶっちゃけリレー以外だとお茶目な、もしくは元気な姉ってじで終わるだろう。競技というよりも、エンターテイメントに趣を置いている競技だからね。故に1位を取ろうがビリを取ろうが、それなりに笑いをとれることだろう。まぁそれもありさね。

さて、では競技が高く最も熱くなるリレーはどうか。これで良い結果、もしくは熱い場面を魅せようものならば私の印象はカッコいいというところになるだろう。つまりそれは運もできちゃう才兼備お姉ちゃんというわけだ。

兼備の姉……。すごく響きがいいです……。ぶっちゃけ一昨日の土曜の時點では「ないない(笑)」とか思ってたけど、よく考えれば絶好のチャンスというやつではないだろうか。

実際どうだろう。勉強も運も両立できて、なおかつ頼りになるし優しくて母に溢れた姉……かなりいいと思うの。前世の私にそんな姉がいようものなら、あんな捻くれて怠け者な私にはならなかったことだろう。……逆にダメ男になってたかもしれないけれど。

とにかく、前世の自分を基準に考えればそれは凄く理想的であると言える。今生のけーちゃんもおそらく前世の私と同じ思いのはず。拠は趣味趣向が前世の私と変わっていなかったからだ。であれば、好みの年上というのも手に取るようにわかる。よーちゃんも変わってない気がするのでこちらも問題なし。

……一つ懸念事項があるとすれば、前世の私は一番上の長男であった。それ故に上に兄や姉がいるというのを験したことがない。それでこの好みだ。しかし私の弟たるけーちゃんは違う。けーちゃんには私という姉がいるのだ。最近はし仲が良くなったけれど、それでも以前の私は結構橫暴な姉であった。そんなけーちゃんが求める姉と私の理想像とする姉は果たして一緒になるのか。

本人の口からは今の姉ちゃんの方がいいと評価を頂いたので、あながちこの方向で見當違いということはないと思われる……うん。

ま、なるようになる。為せばる。

とりあえずカッコいい姉というのを目指せば良いのではないだろうか。その上で更に判斷すればいい。

というわけで、代表種目はリレーを選べればいいのだけれど……果たしてその座を勝ち取れるかどうか……。

「――琴ちゃん?琴ちゃーん?」

気付けばみーちゃんの顔がドアップで目の前に映った。映ったというか目の前にあった。ちょっと間違えればキスできちゃいそうな距離だ。

「え?あぁ!えっとなんだっけ?」

「だから琴ちゃんは代表種目出るとしたらどれに出たいのーって」

みーちゃんは困り顔でそう言った。どうやら思考の波に呑まれていたらしい。私はごめんごめーんと平謝りをし、自の出たい種目を口にする。

「そーだねぇ……私はリレーかな。今だったら部活との差はそんなにないし、出ようと思って出れる最後のタイミングだと思うからさ」

そう、リレーにおいて何が一番の弊害か。それは運部だ。一応走ることの専門とされている、現役リレー及び短距離選手が運會のリレーに參加することは止されているが、それでも運部事態の參加は止されていない。

つまり日頃からを鍛えている運部にこそアドヴァンテージがあるということ。普通ならば文化部では勝ち目などない。しかし、それも一年生であれば別だ。

會は5月に行われる。そして一年生は學して間もない。つまり文化部と運部にそれ程大きな差はないということ。であれば勝てる可能は十二分にあるのだ。寧ろこのタイミング以外では難しいだろう。

だからこそ私はここに勝負をかけるのだ。運會にはおそらくブラザーズも來る。つまりここでいいところを見せなければ「姉ちゃんって……(落膽)」となってしまう!お姉ちゃんとしてのじをここで示さねばならぬ……。

「あー、なるほどねぇ。確かに琴ちゃん運得意だもんね。でもぶっちゃけ琴ちゃんだったら來年でも再來年でもいいとこいけそうだよね」

みーちゃんが納得と言った様子で頷いている。みーちゃんだけじゃないい。真も同様だ。

あれ?そうだったっけ?私は頭を捻りそうになる。しかし、次の瞬間じんわりと頭の中に今までの景、それから自が運が大好きで得意としていたのだということを思い出し納得していく。

「まぁね~。とは言え運部は現役でしょ?流石に來年ともなれば一年分の運量の差がでそうだし厳しいかも」

「無理って言わないあたりお前らしいよな」

「ん、やる前から諦めてもしょうもないでしょ。勝てるとは言わないけど、それでも勝負になるくらいには思っておきたいじゃない」

「そだねー。ま、私は琴ちゃんを推すからリレー頑張って!」

「わ、私も川田さんに一票だよ!応援する!!」

「うん、ありがとうみーちゃん!澪ちゃん!って、まだ決まったわけじゃないんだけどね」

「あー……琴音のこと知ってるやつなら票れるだろうさ。お前小學校の時徒競走で一位以外取ったことないだろ。そんなやつ立候補しなくても推薦で無理やり選ばれるだろ」

「あははは、そうかな。そうだといいけれど」

「あー俺も子だったら琴音にれるわ」

「俺は取りあえずれてやるぜ!」

不意に別の聲がするなーと思ったら、いつの間にやら誠治と一馬も參加していた。その二人も私を推してくれるようだ。これで5票か。あとは私の熱意によるといったところかな。まぁ、初のリレーで出たい出たいなんて言う人はそうそういないだろうからまず大丈夫だと思うけれど。

私はみんなにありがとーと言い、今後のことを考える。

リレーに出ると仮定したわけだが、勿論勝たなければいけない。リレー選手は育の時間や、相談をすれば放課後も練習をさせてもらえる。運會まで殘り2週間といったところだが、この2週間をいかにうまく使うかが肝だ。

私は心の中でグツとこぶしを握りえいえいおーとぶ。理想のお姉ちゃんたるもの、イベントで手を抜くなどありえない。私の全力をここでぶつけてやろうじゃないか!

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