《お姉ちゃんがしいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。》33話 爭奪戦?!レギュラーは誰の手に!!
「あーそれじゃ今日は朝説明した通り、運會の種目決めをするぞ。じゃ、あとは委員長よろしく」
「はい。それでは種目決めをしたいと思います。黒板に書いてあるものから出場したいものを選んでもらいます。まずは立候補を取ります」
學級委員長である永田花音ながたかのん、花音ちゃんが凩こがらし先生からバトンタッチをけ進行をする。例によっては書記の澪ちゃんが、休み時間に用意しておいた黒板に並ぶ種目列の右側に立ちスタンバイ完了している。ふんすふんすと気合十分だ。
「障害競爭ですが、立候補者はいますか?」
障害競走。これはどこの學校にもあるよね。ただ走るだけではなく、ポイントごとに用意された障害をなんやかんやして乗り越え順位を競う種目。確かに良い順位を取れば運會においてポイントは大きくつくのだけれど、それ以上に障害の容と、それを乗り越える、又は翻弄される選手たちの癡態を楽しむ種目である。普通にアスレチックみたいなとこもあれば、よくわからない指令書をこなさなければならなかったりと的にもエンターテイメント敵にも高いハイブリッドな種目であると言える。お調子者にとっては絶対に外せない種目だろう。
さて、そんな障害競走だけれど……流石、立候補者が沢山いる。実際に出場できるのは男共に二人なのだけれどそれに対して9人て多いっすね。まぁ私もリレーに出ると決めていなければこれに立候補していたと思うので當然か。
ザッと誰が出るのかなぁと立候補者の顔ぶれを確認すると、そこにはやはりか真の姿があった。君こーゆーの好きだもんね。
「えぇと……立候補者9名ということで。ではあちらの方で立候補者同士話し合いをお願いします」
花音ちゃんは々戸いながらも指示を出し、次の種目に移る。
「次はパン食い競爭です。立候補者者は手を」
花音ちゃんが言い終わるのと同時に數人の男子生徒が勢いよく手を挙げる。手を挙げている連中はお調子者であったりなかったり、目立ちたがりだったりそうでなかったりとその辺は統一がない。しかし一つだけ共通していることがあった。
食い意地である。
今手を挙げておられる方々は非常に食い意地が高い。KIID食い意地力が高い彼らはこと食べが絡まるものへの執著心が半端ない。現に今手を挙げている者たちの目は走っている……怖い。
実際、パン食い競爭に出てくるパンは購買で売られているパンのように非常に味しく人気がある。それをただで、しかもお腹のすく運會中に食べられるとなればそりゃ手も挙げたくなるというもの。前世で1回だけ出場したことがある私だが、その時の出場者からあぶれた敗者たちの目が怖すぎて……今後は出場しなくていいかなと思った。正直いくら味しいパンだろうと、あんな親の仇を見るような目で見られたら味もしないよ。普通の神を持つ私には到底耐えられないので、味しいパンは普通にお金を払ってゆっくりと食べます。
「あ、ハイ。では皆さんも向こう側でドウゾ」
花音ちゃんは、立候補者のあまりの勢いに目を丸くする。驚いたせいなのか、はたまた呆れたせいなのか、次に出てきた言葉はあまりにも平坦で言葉なであった。うん、私もアレには関わりたくないし花音ちゃんの気持ちわかるよ。
「続いて、リレーです。立候補者はどうぞ」
「はいっ」
遂にやってきたリレー。私は元気よく右手を掲げる。參加人數は男ともに2名。補欠を含めると3名。そして今手を挙げているのは……6名か。あれ、すんなりじゃない?男子も子も3:3だし。もうし激戦が予想されると思っていたのだけれど、全然そんなことなく決まってしまいそうだ。
「では、補欠とレギュラー選手を決めてください。リレーの方は……こちらでお願いします」
花音ちゃんは窓側の隅を指定したので、リレーの候補者である私とその他の生徒はそこへ移する。
子立候補者は、私、小野田さん、九條さんの三人。
男子立候補者は、一馬、北原君、春藤君の三人。
男子の方はぶっちゃけどーでもいいんだけれど、子に関してはこのメンツかぁと言いたくなってしまった。九條さんは別にいいんだ。前世でも今生でも特に苦手意識はないし、ただそんなに絡まなかっただけで。しかし、小野田さんは違う。この人は私のトラウマというか、昔の心の傷が開きそうになるのであまり関わりたくない。別にイジメたいとかそんな暗ーいはないのだけれど、ただ単に近付きたくない。
あー、男子も関係あったわ。北原君がアウトだわ。
北原君は非常に明るくてムードメーカー的な存在だ。真がランクAだとすると北原君はランクBのムードメーカー。一番にはなれないけれど、一緒にいると楽しいやつってじ。前世でもそれなりに仲良くさせてもらった記憶がある。しかし北原君、実は小野田さんのことが好きなのである。つまり當時の私とは敵でもあったわけだ。紆余曲折あって私が小野田さんとお付き合いするこになったわけだけれど、そのせいで私は北原君に負い目をじる様になってしまい、それ以降絡むことはなくなってしまった。
まぁ今生では私がになってるし、そもそも小野田さんとはあまり近付きたくないと思っているのでそー言ったトラブルは起こらない、はず……なんだけれど……。私の嫌な予ソナーがビンビンに反応してらっしゃる。この二人がいるとよくないことが起こると私の勘がそう訴えている。
「取りあえずレギュラー決めようぜー。レギュラーで出たい人ー」
一馬がさっさと終わらせようぜとでも言いたげに話を進める。レギュラーとして出たい人ってことで更に手を挙げろとのことだが、うん、みんな手を挙げるよね。すんなりいくと言ったけれど、これはここで時間がかかりそうだなぁ。
「全員手挙げたら決まんなくね?」
「いや、みんな出たいからこうしてここに集まってるんだろ」
一馬がめんどくせーとでも言いたげなしかめっ面でぶーたれる。そこを北原君が何言ってんだ?と反論。そりゃそうだ。
「じゃあさ、記録順にしないか?」
「記録順?」
沈黙を保っていた春藤君が口を開く。私はオウム返しのように同じことを言うと、ウムと彼は頷いた。
「そうだ。つまりこれまでの力測定の結果から早い順にレギュラーを決めたらどうだいって話さ」
「なるほどな」
ふんふん、程。ようは力こそ全てってことね。まぁわかりやすくていいんじゃないかねぇ。リレーはエンターテイメントよりもガチな勝負の高い競技だからね。下手にお茶らけても反を買うだけ。マジモードでみんな走るわけだから、そもそもの能力も高くなければいけない。
「じゃあ俺からな。俺の6年生の時の50m走は8.1秒だ」
言い出しっぺということもあり、春藤君がトップバッターを務めた。おー。うん、前世の私・・・・よりは早いんではないだろうか。
「マジか!俺は8.2だったんだよな!負けた!」
次に一馬が悔しそうにそう言った。ぶっちゃけ0.1秒の差って誤差みたいなもんでしょ。
「あーそうすると俺が一番遅いのか、8.3秒だった」
北原君が殘念そうに言った。半面一馬はガッツポーズを取り嬉しそうだ。しかし本人の目の前でやるのやめたげてよ。ついでとばかりに弄るのもやめたげて。北原君のHPはもうゼロよ!
「じゃ、次子」
「はい!ウチは北原君と一緒で8.3でした!」
子のトップバッターを飾ったのは小野田さんだ。小野田さんはどうよ?とでも言わんばかりにこちらを見ている。うん、すごいね。ちょっとイラっとだよ。
「あたしは8.4かな」
続いて九條さんが答えた。やはりリレーに來る人はみんな足早いね。
さて殘るは私一人と。
私は小學6年生の力測定を思い出す。思い出すのは勿論『今生の琴音』としての方だ。真が言っていた通り、私は結構な俊足の持ち主だったりする。50m走で運會でもそう、短距離では常にトップを取り続けただ。生憎、今このリレー選手候補生の中には私と同じ出校の者がいないのでわからなかったようだけど。
「私は7.8かな」
『?!』
みな一様に驚いた様子でこちらを見てきた。やだっ、そんな見られたら照れちゃうっ。
そうです。私はこの場の誰よりも早いのです。ていうか、通ってた小學校に陸上部があれば間違いなくスカウトされてたよね。當時の私は何も考えてなかったけど、今思うととんでもねぇと思う。
「え?噓でしょ?ウチの學校でも7秒臺の人いなかったんだよ?!」
小野田さんが信じられないと言った顔で食って掛かってきた。
知らんがな。そっちの小學校にはいなくてもこっちの小學校にはいたんだよ。私という存在が。
「噓言ってどうするの?なんなら私と同じ學校の人から聞いてみるといいよ?運會でも負けたことないし」
一馬や春藤君はこいつすげーなみたいな顔をしている。北原君については「子にも負ける俺って……」みたいなどんよりクラウドが漂っている。うん、私も男だったらそうなってたと思う。ガンバ。
小野田さんは々納得がいってなかったようだが、取りあえずリレー班の補欠決めは決まった。他種目についても決まっていたらしい。黒板を見てみれば種目ごとに名前が記載されており、まだ記載されてなかったのはリレーだけだった。
澪ちゃんが私たちの結果をけ取り、黒板に綺麗な文字で名前を記載していく。
「ほうほう……川田は無事レギュラーか。お前のことは聞いていたからな。楽しみにしてるぞ」
「は、はい」
凩先生がレギュラーのところに私の名前が書いてあるのを見つけると嬉しそうな獰猛そうな笑みをかべながら言った。凩先生からの一杯のエールなのだけれど、雰囲気が怖すぎて普通に脅されてる覚になっちゃう……。でも、ま、こうやって見てくれる人がいる、期待してくれる人がいると思えば力が湧いてくるというもの!こりゃ琴音ちゃん頑張るしかねーっすよ!!
私はグッと何度目かになるガッツポーズを心の中で取りふんすとやる気をメラメラと燃やした。もう私は運會で如何にお姉ちゃんを発揮するかしか目がいってなかったのだ。だからいけなかったのだろう。その私を強い視線で見つめる者がいたことに……。
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