《お姉ちゃんがしいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。》44話 ついに始まるはリレー!私は風になる。

食べ過ぎたおかげでお腹が若干苦しいがそれでもまぁまぁ絶好調な私です。多の不調はあれど、理想の姉たるもの多の不調程度であればくじけないものだ。そもそも社畜時代はそれよりももっと酷い時でさえ、そんなものは無視してでも仕事に従事しなければならなかったので、それを思えばこの程度さしたる問題はないというもの。

とは言え、これから始まるのは私のさすお姉度を上げるための大事な大事なリレーだ。つまりこれに失敗すると一気にブラザーズからの尊敬度は下がることだろう。

勝てば軍、負ければ賊軍。

それとはまたし違うかもしれないけれど、これがハイリスクハイリターンであることは間違いない。言い方は悪いけれど、これはチームでやる以上不確定要素というものが存在するのだ。つまり、このリレーで勝つためにはチームメンバーがいかに最善を盡くせるかもってくるわけだ。そこは私の予想領域からは離れているため、対策をするのも難しい。できるとすれば、遅れた場合に私がどのようにスタートを切るか、そしてどのように巻き返すかだ。まぁどちらにせよ全力で走るのは変わらないので、文字通り全てを出し盡くすしかないのだけれどね!

しソワソワとしながらリレーの時が來るのを待つ。その間にも競技は行われているので応援することも忘れない。

今行われているのは走り幅跳び。私の大好きな競技だ。本當であればこちらにも出たかったのだけれど……思いの外立候補者が多かったのと、私は既に二つの競技を選択している関係上立候補し辛かった。運會の大前提として、ワンマンプレイを推奨するのではなく、チーム、あくまで全生徒が楽しみ、協力し合うのが目的とされているのだ。そこで私の様に利己的な考えで立候補などおこがましいにも程があるというもの。

案外立候補したら通ってしまうのかもしれないけれど、他にもやりたい!と言っている人がいる以上、それを捻じ曲げてでも出場するというのはあまりにも自分本位過ぎるだろう。それにそもそも私は花形とされるリレーにも參加している以上、他の生徒からは面白くないと思われる可能は十二分にある。

良いというものは引き際も大事だとどこかで見た気がする。理想の姉とは、だけでなく、外に対しても淑然とし好かれる存在でなければならない。あ、勿論八方人になるというわけではないよ。そーゆーは私好きじゃないし。あくまで人間としての魅力のあるになりたいというものだ。男でもでも関係なく好かれる人になれれば、それはブラザーズにとっても花が高いというものではないだろうか。

「3m55!」

3mかぁ……3mかぁ。

飛んだ君、頑張った!という思いもあるがそれ以上に……。

「(私ならまだ4mは飛べたしっ!)」

これだ!これなのだ!

走り幅跳びは飛び方のコツさえ摑めば長に関係なくある程度の距離を飛ぶことができるのだ。おそらく私でも心のび通り4mはかたくないであろう。流石に5mともなってくるとそれなりに練習とトレーニングを重ねなければならないだろうけれど。

しかしこうもみんながぴょんぴょん飛んでるところを見ているとウズウズしてくるというかもどかしいというか。正直に言えばめっちゃ飛びたいんですよね。私は鳥になりたい。一瞬の鳥になりたい。

けれどそれを蹴ったのも私。まぁ來年は立候補して思う存分鳥になろうと思う。毎年同じ競技だけ出るなんてことないだろうしね!……ないよね?

一抹の不安をじながらも私は最後の一人が飛ぶ瞬間を眺める。今度はしセンスがありそうなじだった。記録は3m90……特に練習もせずにこれならば相當センスがあると思う。是非陸上部部して頂いて上を目指して頂きたい。

『続きまして最後の競技となります。リレー選手はトラックに集まってください』

ついにきたか。

私は頑張るぞー!と小さく握り拳を作る。

「琴ちゃーん!頑張ってねー!応援してるよー!」

「川田さぁん!頑張ってー!」

みーちゃんと澪ちゃんが黃い聲援を送ってくれた。それだけで私のやる気ゲージはグングンですよ。真や誠治、一馬は春藤君のところで同じ様に応援の言葉を投げかけていた。春藤君はガッツポーズを取ってやる気満々である。

「川田さん」

トラックに向かう途中聲をかけられる。私はなんざんしょ?と振り向くとそこには小野田さんがいた。反的に顔を顰めてしまいそうになるが、この小野田ちゃんはいい娘、この小野田ちゃんはいい娘と思うことでなんとかいつも通りの笑顔を向けることができた。

「どーしたの小野田さん」

小野田さんは難しそうな顔をしながら私を見ている。何度か口を開いては何かを言い出そうとするがその度に口を開いてしまう。失禮だけれど、その様子は金魚が餌を求めてパクパクしているようにしか見えなかった。

「……川田さん、今日は、その……頑張ろうねっ」

そう言うと小野田さんはテテテーと一人だけ先に行ってしまった。

何だったんだろう。もしかして恥ずかしがり屋さん?それぐらい普通に言えばいいのに。小野田さんってそんなだったかな?と思うも、そもそも全てが前世と一緒というわけではないので、彼にも何かしらの変化があるのかもしれない。そんなことを考えながら私も所定の位置についた。

頭にはハチマキ。

やはり気合をれるならば頭にハチマキは必須でしょ。そもそもの使い方がそーゆーものだしね。こうキュッと頭を軽く締められてるじが今から戦いなのだということを教えてくれる……気がする。

一番手の春藤君がぴょんぴょんと垂直飛びをしたりと軽いアップをしている。一馬もそこから更に進んだ場所で腕や足をストレッチしている。そっからまた先に進んだ地點では小野田さんも同じ様にストレッチをしている。かく言う私も同様だ。

ふむふむ。みんな準備萬全、気合十分といったところか。練習時間はなかったが、それでも課題であったバトンのけ渡しも形にはなったし、位置配置も凩こがらし先生の慧眼により完璧だ。後は個々の力を最大限発揮しゴールを目指せばいい。

『これより學級対抗リレーを開始します。スタートの合図は現場の指示に従ってください』

開始の合図の放送に皆の顔が真剣なものになる。ちょっといきすぎて睨んでるみたいになってる人もいる。ていうかそれは私の隣の走者だった。まぁアンカーだからねぇ、顔も強張っちゃうか。

「敵同士だけど、頑張ろうねっ」

「っ、お、おう」

ここは人生の先輩としていっちょ張を解してやりますか、と隣の顔が強張った男子に聲をかける。ついでにこいつぁサービスだと聖母スマイルもプレゼントしてやった。

すると隣の男子は顔を赤くし短く返事をすると前を向いた。心なしか聲をかける前よりも顔が強張っている気がする。……おかしいな、私は彼の張を解してあげようと行しただけだったのに。ふむ、人生ってやっぱうまくいかないことばかりだ。

『パァン!』

その時、スターターピストルの音が鳴った。それはつまり遂にを洗うこのリレーが始まってしまったことを意味する。

一走者目の春藤君が好調なスタートダッシュを見せ付け暫定一位を獲得している。しかしその後ろにはすぐ赤組の生徒がくっついているため油斷はできない。春藤君も後ろが気になって仕方ないだろうが、それでも後ろを振り向かず、前の一點、一馬だけを見つめて全力で走っていた。真面目な彼らしい走りだ。

そして春藤君が第一チェックポイントに差し掛かる直前に一馬が走り出した。

春藤君はし辛そうにしながらも一馬に追いつくとバトンを手渡しそのまま流していく。逆に一馬はホイ來たとバトンをけ取ると全力で前へ前へと進んでいく。陸上部での専攻は短距離ではないと言えど、そのフォームは中々に様になっているではないか。ちょっとかっこいいぞ。

春藤君の頑張りを無駄にはしないと、一馬は後続の生徒との距離をし、またしと開けていく。そして次の走者である小野田さんのところにつくまでには獨走しているではないか。よくやった一馬!世界一や!

一馬の時同様に、小野田さんが走り出す。し違う點があるとすれば小野田さんはスタートダッシュから全力であるということだ。しかしそれはミスでもなんでもない。事前に打ち合わせた通りの行だ。一見先走りやがって!なんていうのをじるかもしれないが、そこは一馬頑張れというところだ。

実際に今までの練習でも同じことをやってきており、何度も何度も失敗はしたが、それでも上手くいく様に沢山練習してきたのだ。忘れもしないスパルタ練習……。失敗をすれば凩先生のOSHIOKIが待っていた恐ろしい練習の日々。その餌食となっていたのは大抵一馬なのだけれど。OSHIOKIの容?それは恐ろしすぎてイエマセン。

あれ?でもそんなことを回想しながら一馬を見てみると、キリッとした表というより何かに怯える草食獣の様に見える。鬼気迫った顔ですね。

そこでトラックの周りを見てみると……あ、すんごい表をした凩先生がいた。あれは正しく鬼だよ、鬼。あんなのに睨まれたら私だって鬼気迫りますよ。一馬のあの真剣そうな表というのは恐怖で歪みまくった結果、一周して真剣な表になってしまったのだろう。

あ、凩先生の瞳が険しくなった。

すると一馬は何かをじ取ったのか更にスピードが上がり小野田さんを追い越す勢いだ。しかし仕事は忘れていないようで、しっかりと小野田さんにバトンをパスしそのまま流していった。小野田さんも一馬からバトンをけ取る際に後ろを見てしまったせいか、凩先生の表を直視してしまい、ヒッとでも言いたげな表を浮かべていた。

小野田さんも早い早い。

子の中では中々早い部類であり、特に長が高く、足も長いもんだから前に進む距離が多いのだ。私にはないものを持っているので正直羨ましいところがあるというものだが、無いねだりをしたってしょうもない。私には私にしかない何かがあるっ!……はずなのです。だからいいもん。絶対後々長だってびるしないすばでぃなになれるもん。

小野田さんは走る。

ここまでは練習通りだ。皆が皆今までの練習の果を最大限に発揮できているというところだろう。それは素晴らしい。後は私が小野田さんからバトンをけ取って全力疾走すればいいだけだ。

「頑張れっ、小野田さん!」

◇◆◇

うちの番がやってきた。

これまでの練習は覚えてる。決して多いとは言えなかったけど、でも部活と一緒で一生懸命やってこれたと思う。最初はわだかまりもすっごいあったけど……今もあるけど……でも、それでも練習には打ち込めたと思う。

バトンのけ渡しもそれなりにスムーズに行く様になった。まぁそれはうちが故意にずらしてたから上手くいかなかっただけなんだけど。

あれからそれなりに悩んだ。

ていうか今も悩んでる。そう簡単に納得などできるものか。今の段階でわかることと言えば、やっぱり彼のことは相容れないというか嫌いだ。だけど、これはうちが楽しむためにも封印しなきゃいけないだ。

だって折角の運會だ。折角のリレー選手だ。折角の……みんなの応援だ。これに応えないなんてそれこそ最低だと思う。うちは既に最低なのかもしえないけど。

渡部君がバトンをけ渡さんと必死で走ってくる。

……なんかちょっと必死すぎない?なんであんなライオンに追いかけられたトムソンガゼルみたいな表をしているのだろう……っヒッ!あれはなっちゃうよ!必死になっちゃうよ!うちもトムソンガゼルだった!

うちは恐ろしいものをみてしまったので、全力ダッシュする。し早かった様な気がするけど、渡部君が驚くべきスピードでうちに追いつきバトンを渡してきた。うちはそれをけ取り、更に全力で走る。

目的の場所は川田さん。

ちょっと顔をしかめたくはなるが、それでも後ろで睨む恐ろしいモノに比べれば遙かに良いというもの。兎に角全力で、全力で、文字通り全てを吐き出す勢いでうちは走る。もう肺が苦しくて焼けちゃってるんじゃないかと錯覚するくらいに。

川田さんまで殘り數m。

殘り數十cm。

そして……。

◇◆◇

うわぁ。うわぁぁぁぁ……。

小野田さん必死だよ。めっちゃ必死だよ。なんかもう泣きそうな顔してるよ。あれ絶対凩先生のせいだよね……あ、すごい顔。まぁ、確かにあの顔はねぇ。

気持ちはわかるんだけれどね。だって春藤君も一馬も一位を守ってくれた。そして今も小野田さんが守ってくれてる。その差は開いたまま。このまま行けば間違いなく一位で通過できるのは確定的に明らかというものだ。そしてそれは裏を返せば何かあれば覆されてしまうというものでもある。だからこそ『ミスはユルサナイ』と言った恐ろしい表をしているのだろう。

うんうんわかる、わかるよー凩ちゃん。

でもね、そんな風に追い詰めちゃったら逆に失敗するんでないでしょうか?萎しちゃうよ。今の私みたいなセラミックメンタルじゃないと耐えられないねあれは。

そんなことを思っていたら小野田さんがもう目前まで來ていた。そろそろ走り出さないと。私は練習通りギリギリまで小野田さんを待ってからスタートする。そうしないと息が合わないからね。

小野田さんは息も絶え絶えという様子でバトンを私にばしてきて……。

「ぁっ……」

バトンが私の手に握られることはなかった。

けないほどに軽い音を立ててバトンは地面に落ちてしまった。それと同時に小野田さんも小さく聲をあげた。

致命的なミス。

最後の最後での一番やっちゃいけないミス。

一瞬時間が止まる。

このミスは大きい。非常に大きい。みんな頑張ったとはいえ、後続の選手との差はそれほど大きくはないのだ。拾ってから移では確実に抜かれてしまう。

きっと凩先生も酷い顔をしていることだろう。正直見たくない。小野田さんも終わったみたいな顔をしている。

だけど。

だけどそれがどうした。

良いとは……理想のお姉ちゃんとは……逆境でこそ打ち勝つもの也!

「小野田さん、だいじょーぶ!」

私は今にも泣きそうな小野田さんに笑顔でそう言うと、早速バトンを拾う。その作だけで、一人、また一人と私を置いていってしまう。だが3人目、お前には抜かせねぇよ!?

そっからはただ全力で走るのみ。確かに余計なタスクはった。仕事では効率重視の私は非効率なことは許せない。しかしそれは自分一人の場合だ。勿論そこまでには人の手もるわけで、そこまでの工數までは私の管轄ではない。それなりの仕事をしていれば怒ることなんてない。えーと話が微妙にずれたかな。

つまり、だね。今まで私たちは乗り越えるために頑張ってきた。そしてその頑張りを私も見て験してきた。それは決して非効率なことじゃないし、何より想いと熱さをじた。

土壇場のミスぅ?

ハッ!そんなものしるかい!寧ろ上手く行く方が希じゃい!

幸いにも最後の走者は知らんヤツら、小學校が一緒だったような気がするのもいるけれど……関係あるかい!全部抜けば関係ないやろ!俺が……じゃなかった、私が勝つのは必然の理!負けなどありはしない!

限界?そんなもの誰が決める?それは自分だ。自分自と向き合ってその結果決めるものだ。だったら今の私は限界か?そんなことはない。私には……私にはすべき弟たちに私の素晴らしさを、姉の素晴らしさを教えるべくを張らなければいけないのだ。そんな私に、限界など……。

私はチラリと視線を向ける。そこには弟たちの姿が、家族の姿が見える。相変わらずお母さんはんでいる。ちょっと私が引いちゃうくらい全力でんでいる。多くの喧騒の中、消えりそうにもなりながらもしかりと私の耳にってくる。よーちゃんも真剣な表で聲をあげている。

そしてけーちゃんも。

「姉ちゃーん!勝てー!!」

普段はダウナー真っしぐらなけーちゃん。私の前世の姿で彼は言うのだ。當初は自分自をかわいいと言っているようで凄く複雑な気持ちだった。見た目も聲も格も。全てが前世の私と一緒だったけーちゃん。だけれど、考えることや境遇は同じじゃなかった。多の似たり寄ったりはあれど、彼は彼だった。私じゃない。そう気付けたのはいつのことやら。気付けば私のは天元突破し、自分を好きというものではなく、彼自が、けーちゃんが、そしてよーちゃんが本當に大好きなのだとわかった。

そんな彼らからこうして応援をけようものならどうなるか?

はい、わかりますよね?

お姉ちゃん頑張っちゃいますぅぅぅぅ!もう一位以外ありえませんwww!!前を行く障害生徒?んなの全部追い抜いたるわっ!!

限界を超えて私は走る。全てを過去に置き去りにしていくかのように走る。

そして一人を抜き、殘りはあと一人。

前を行く生徒はチラリと後ろを振り向くと、ヒッと聲をあげ更に加速した。何がヒッだよ。私の顔に何かついてるかおるるぁ!

だがね、君が今振り向いてくれたおかげで多のスピードの緩みができた。それで十分よ。私と彼は橫並びになった。

あとし。

あと、し。

ゴールまでの距離はもうそんなにはない。

ここらで完全に追い越さなければ私の勝ちは怪しい。

しかし、しかし私の足は言うことを聞かない!!

おいもっと早くけってんだよ!お前ならやれる!絶対やれる!どうして限界だと諦めているんだ琴音's  legsよ!諦めんなよ!頑張れ頑張れできるできる!しじみだってとぅるるって頑張ってんだよ!もっと熱くなれよぉ!!

あ、それとも頑張れ♡頑張れ♡の方がよろしいかしら?ほらあとしだよぉ!ふぁいとぉ☆

私の心の茶番など知らぬと、無慈悲にもゴールは近付く。というより目前。このままではまずい。見せろ琴音ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇえええええええ!!!

肺も苦しいし足も苦しい。

だけれどこの一歩。たった一歩でいいから彼よりも早く前へ、前へ、前へ!!

脇目も振らず、ただただゴールだけを見て私は走る。

そして遂にゴールを抜けた。

ほぼほぼ同時に私と対抗していた子も抜ける。

どっちが勝った。

私は……勝ったのか?!

張のさなか、審判の聲を私は待つ。

『一著!白!!、二著白!、三著赤!四著赤!』

「や、やった……?」

私はぜいぜいと肩で息をしながら今の言葉をしっかりと聞き屆けた。一著白。つまり私のことだろう。

「ぃ……よっしゃぁあ!」

私は淑らしからぬ聲をあげる。

私の頑張りは報われた!あいや、みんなの努力は報われたのだ!これで、これで一週間の教室掃除を免れることができる!……じゃなくて、弟たちに私のかっこいいところを見せることができたんではないですか!ねっ!ねっ!

嬉しすぎて小躍りしそうな気分だ。息も苦しかったはずなのだけれど、そんなことを忘れてしまうくらいに嬉しかった。

しかし、ふと冷靜になってみる。

そーいえば審判が二著も白って言ってたな……えぇ!?私同じ白組と対抗爭いしてたのかいっ!ていうかどっちも白ならどっちが一位を取ったのかわからんのですけど!!

これで私が実は二位でした♡テヘペロ☆なんてなってたらどうすんのさ!もう思いっきり喜んじゃったよ!?めっちゃ気まずいよ!?小野田さんに大丈夫とか言っちゃったよ!???

私は一人頭を抱えていると、誰かが私の肩をトンとれてきた。

なんざんしょ?と顔を上げてみればそれはさっきまで一位爭いをしていたの子だ。名前は……えぇっとなんだっけ?

「川田さんすっごい早かった!途中まで一位取れるかなぁなんて思ってたけど、最後の最後で抜かされちゃったよ。悔しいけど、一位おめでとう!」

「あ、ありが、とう……」

どうやら目の前の曰く、私は最後の最後で彼を抜くことができたということだ。つまり先ほどのはぬか喜びでもなんでもなかったわけで……。

「っ……はぁあぁ、よかったぁ」

私はホッとでおろした。すると目の前のはそんな大げさなと困ったような笑みを浮かべている。それにしてもこの娘の名前なんだっけ?

「えと、ごめん……名前なんだっけ?」

「え、ひどーい!って、うそうそ!結城だよ。結城茜ゆうきあかね!まだ自己紹介してなかったから當たり前だよねー。あたしは知ってたけど。とりまよろしく!」

「茜ちゃんか、うんよろしく!」

そういえばそんな娘もいたっけ?隨分と前のことだし何より別のクラスだから忘れてた。こんな気持ち良い娘を忘れてしまうとは……失敬、かたじけなし。

私はその後茜ちゃんと一緒にし話をしてからクラスのところへ戻った。

とりあえず私はやりとげたのだ。

のハプニングはあれどやってみせた。寧ろ燃えた。多燃え盡きたあるけれど。

私はマイファミリーに向け手をふる。ほんに、うちの母かか様はせわしない人やわぁ。うち、恥ずかしくなってきますぇ?でもけーちゃんとよーちゃんは許す!もっと私を呼んで!呼んで!

お父さん?ハッ、聲が小さくて聞こえませんなぁ!!男なんだからもっと聲張り上げんかい!あ、でもあんまり大聲出さないでね恥ずかしいから。

「あの……川田、さん……」

私がマイファミリーに手を降ってると小野田さんが聲をかけてきた。その表は非常に申し訳なさそうだ。きっと彼の中には罪悪とかそーゆーのが渦巻いているはずだ。そんな時にめの言葉などもらおうものなら、きっともっと苦しくなるだろう。

だから。

「勝ったよ!小野田さんっ!」

私はとびっきりの笑顔とピースで返した。

みんなが繋いでくれた想いをついで私は無事屆けたのだ。だからこれでいい。私たちは何はともあれ一位を勝ち取ったのだ。

小野田さんはキョトンとしていたが、次第に困ったような笑顔を浮かべた。

「ごめんね、さっきは」

「なんのことー?それよりさ、渇かない?私もうカラカラだよー」

「あ、ならうちのとこにおいでよ。ここからすぐ近くだからさ」

「本當!ならいただこっかなー!」

「いいよー」

私と小野田さんは軽い調子聲をかけあう。

これでいい。

だって運會は楽しくやるものだもの。ちょっとのミスで妙な責任じる必要なんてナンセンス過ぎるっしょ。だから終わりよければ全て良しということで楽しく、笑顔で、ハッピーでおk!

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