《お姉ちゃんがしいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。》50話 桜舞い落ち、花見をせよ乙

「いやぁ……やっぱどこも混んでるねぇ……」

「そうだな……。ま、それでも空いてるところ見つけられたんだから幸運だろうさ」

「そですね」

瀬家はもう著いてるってさ。ほら、琴、啓、遙、荷もって行くよー」

「「「はーい」」」

「なんだろ……俺に若干冷たくないか……?」

「気のせいでない?」

「……そうかなぁ」

5月3日。

やって來たるはGWの初日。あ、知ってると思うけれど、GWてGWゲートウェイの略じゃなくて、GWゴールデンウィークの略ね。いくら私が前世では社畜だったとは言え、流石にGWて見てゴールデンウィークが出て來ないなんてことないです。……ホントデスヨ?マジデスカラ。ゴールデンウィークが存在しないなんてコトナカッタデスヨ。

もし出てこないならあなたは社畜です。一刻も早く転職した方がいいです。企業は沢山あります。コツは妥協せずに々な企業と面接してみることです。

しっかりコミュニケーションを取って、自と會社が対等になれるものを探すのです。アサーティブなコミュニケーション大事!アサーティブを知らない?ならぐぐってみましょう!

閑話休題。

毎回の如く線気味になるのは様式というやつで、私たちは一人一つ荷を持って公園に向かう。

私はお姉ちゃんだし年長者だしと、し大きめのお弁當セットを持とうとしたが、そこをけーちゃんがかっさらって行ってしまった。そこそこ重いと思うのだけれど、何食わぬ顔でひょいっと。

……くふ、何この可い生。けーちゃんも男の子なんだねぇ。私嬉しくなっちゃう。お顔はの子みたいなのに、しっかり男の子なんだね。顔は可いのに!

んーむ、特に持つものが……あ、水筒は持てるかな!水筒持ってこう。

よーちゃんは相変わらずマイペースに自の荷でいっぱいいっぱいみたい。流石我が道を往く子であること。ま、それも可いのだけれど!

因みに今回はお父さんもいる。

久々に弘前に戻ってこれたのでみんなして行こうとなったのだ。前々からお母さんがってたからっていうのもあると思うけれど。

ただ、休みの日となるとどうしても寢て過ごしたいのか、今日の朝もきが緩慢で、というか中々起きないのでお腹にミサイル撃して起こしました。みんながし冷たい気がするのはそーゆーとこだと思うのよね。因みに琴音ちゃんミサイルは結構な威力があるそうで、あの中々起きないお父さんでさえ一発で起きるというね。……私そんな重くないもん!

さて、弘前公園にやってきた私たち。どこも駐車場がいっぱいなだけあってあっちゃこっちゃ人でごった返している。ちょっと注意して歩かなければぶつかっちゃうし、何より簡単にはぐれてしまう。

普段の弘前市ならこんな沢山の人は出歩かないのだけれど、イベント事となると激変だ。それこそ、歩行者天國と大差ないくらい。まぁ、県外からわざわざ來る方たちもいるぐらいだしね。

私たちは人波に飲まれないよう注意しながら目的地まで向かう。

天守閣をし超え、ちょうど公園の中程辺りだろうか。そこに広場のようになっているところがある。そこが今回の目的地。中々に良い所で、桜に囲まれ、かつ天守閣も見れるという。それだけに競爭率も高く、場所取り解からすぐにでも押さえなければすぐ様埋まってしまう。今回は瀬家のパパンが頑張ってくれました。流石!

それに比べうちのお父さんは……。

「……ん?琴音、どうした?お父さんの顔になんかついてるか?」

私のジトーとした視線に気付いたお父さんが不思議そうに聲をかけてくる。

娘のこの視線の意味に気付かないとは……これだから鈍系パパは。鈍系で許されるのはラノベ主人公くらいだよ。リアルではのーさんきゅー。

ていうか私は鈍系主人公は……やきもきしちゃうから無理。特にそれは流石にわかるだろ!ていうのを気付かないのはホント無理。ヒロイン可哀想。

「……目に桜の花びらついてるよ」

「ほんとか?って、んなわけあるか」

私はお父さんを適當にあしらうと足早に前へ進む。お父さんはちょっと寂しそうにしてるけれど、の子の機微に気付けない男は紳士にあらずなので慈悲はない。

冷たいって?

前世の私はこのおやんずお父さんにだいぶ辛酸を舐めさせられたからね。今のお父さんと過去の?お父さんはまだ違うわけだから、一緒にするのは良くないのだろうけれど、私もまだまだ子供というか、やはりすぐには割り切れない。……今の私の狀態はすぐ割り切ってるのに不思議だね。進化して不思議な草になりそう。

関係ないね!

まぁ、私とお父さんの確執(今は一方的)はまたの機會にでも語ろう。だって今は楽しみたいし、私はハッピーハッピーしてる方が好きだから。

「琴ちゃ〜ん!こっちだよ〜!」

あたかも伏線ですみたいな事を脳獨り言していると、癒しボイスが私を呼んだ。顔を見なくてもわかる。私がこんなうきうきわくわく、ほわわーんとなれるのはただ一人。

「おー!みーちゃん!お待たせ―!」

そこにいたのはみーちゃん。私の親友。前世での親友ポジであった真達を押しのけ、今生においての一番の親友の座を勝ち取ったみーちゃんである。正直いつの間にか距離が近くなってしまい、どうしてここまで心許せる存在になってしまったのか一つ謎なのだけれど、みーちゃん可いからどうでもいいやー。わはー。

「凄い良いとこだねー!流石みーちゃんのぱぱん!」

「うん~!ほんとだよ~!パパには謝だよ~」

「私もう楽しくなってきた!」

「わたしも~」

「くふふふふ~」

「うふふふふ~」

早くも私とみーちゃんのお花畑フィールドが形されてしまった。始めの方はそんなことはなかったのに、最近は隙あらば二人だけの世界を作り出しちゃうからなぁ。なんかその離れていても世界を作り上げることができそう。そうすると私とみーちゃんは創世の神なのかもしれんね。いやぁ、神様とか恐れれ。

「あんたたちほんっと仲良いわよねぇ。まさかそういう気でもあんの?」

「ま、まさか雪さん!そ、そんなことありますよー!」

「そうよね、ないわよねぇ……って、あんのかい!」

「流石雪さん!ナイスつっこみ!」

若干呆れつつも私のボケに付き合ってくれたのは、みーちゃんのお母さんの雪さん。うちのお母さんよりも更に一つ年下という、これまた若いお母さんである。見た目とか話し方はヤンママっぽいところがあるけれど、とても家族思いで優しい人だ。どうしてもその見た目と話し方のせいで誤解されちゃうんだけれど、実際にお付き合いしてみるとそんなことは微塵も思わなくなってしまう、そんなするめみたいな人だ。

うちのお母さんとは昔からの友人で、子育てでもなんでもお互いに助け合ってきた仲ということもあり、大人版の私とみーちゃんの様な関係だ。方向は違うけれど、二人もお揃いで親友どうしなのだ。親子揃って親友ってなんか慨深いよね。ある意味なるべくしてなったというじもするけれど。

ただ、それを思うと前世ではそこまで仲の良くなったみーちゃんとは、やはり異という壁が大きかったのではないだろうか。

馴染だけれど、兄妹未満。異だけれど、兄妹の様な関係。矛盾しているようで、そしてとてつもなく複雑な関係だ。これはきっと異馴染を持つ者にしかわからないだろう。

「(私は全然あり……寧ろばっちこいなんだけどなぁ~)」

「ん?なんか言った?みーちゃん」

「ううん♪何も♪」

「そっかぁ~」

「そうだよ~?」

ここ最近のみーちゃんはほんと小聲でボソボソと言うことが多い。しかもその時って漫畫みたいに顔が暗くなって表が見えなくなるっていうのがね。悪いことは考えていないと思うんだけれど……たまにゾクゾクするんだよねぇ。なんでだろう……。

「さ、取りあえず敷くもん敷いて準備しましょっか」

『はぁーい!』

お母さんが柏手を一つ打ち朗らかに言った。結構な喧噪だけれど、不思議とお母さんの聲は良く響く。故に誰一人聞き逃すことなく、皆して返事をする。

テキパキ、ワイワイと、手分けをしながら敷を敷きお弁當を広げていく。個人的にはこの瞬間が一番楽しい。これから楽しむんだぁ!ていうわくわくがとてもテンションが上がる。この気持ちわかってくれる人いるかなぁ。

「それじゃ!今日の良き日を、桜と共にかんぱーい!」

『かんぱーい!』

さぁ始まった花見。

桜ひらひら舞う中で私たちは円を作り過ごすのだ。

これからだよ!!

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