《朝起きたらの子になってた。》旅行 part23
しばらく、紗香にお腹をぷにられながらスマホをいじっていると部屋のドアが開いて姉貴が帰ってきた。
「もう帰ってきたのか」
「何だ?悪いのか?」
「悪くはないな」
姉貴は俺の枕元に牛がっているビンを2本置いて冷蔵庫からビールを取って奧側のスペースにある椅子に座って寛ぎだした。
「お兄ちゃん」
「ありがと」
紗香にビンを取ってもらい開けようとするが中々、開かない。蓋の部分が紙なので開いたかと思えば、紙の表層部分だけが剝がれて開かない。
(もどかしすぎるぞ)
それもあるが爪も短いので引っ掛からない。
(うがぁぁぁぁぁ)
「開けてあげるよ」
紗香は俺の手からビンを取り、紙の真ん中部分に親指を當ててしずつ力をれて押し込む。そうすると、縁の部分がズボッと開いた。その開いた部分に爪を引っ掛けて簡単に蓋が取れた。
「そう開けるのか」
「うん。でも、力れ過ぎると蓋が中にっちゃうよ」
「そりゃ、そうだ」
俺は紗香にビンを返して貰い、牛を飲む。
(うん、味しい。風呂上がりの牛は良いね。……風呂から上がってから大分、経つけどな)
牛を飲み終えるとビンを枕元に戻して布団の中に戻る。
(あぁ〜これでやる事は無くなった。では、さらば)
母さんは長風呂で帰ってきてないが、俺は寢る。紗香にお腹をぷにられようが、俺は寢る。
そんな事を考えて瞼を閉じる。
「おやすみ〜」
だが、夜はまだ始まったばかりと紗香も布団の中に戻ってきて、俺のお腹をぷにるのではなく、擽って睡眠の邪魔をする。
「やめてくれ〜」
「まだ、寢かせてあげない」
そして紗香は俺をゴロンと回転させた。そうされると、紗香を背にして転がっていた俺は、紗香の顔を間近に捉える事になった。
「えへへ、お兄ちゃん」
紗香の頬がし赤くなっている。
「な、なんだ?」
「呼んだだけ」
そう返事をして微笑む。
「かわいい……」
無意識に呟き、そのまま俺はつられる様に紗香の背中に手を回す。
「な、何?お兄ちゃん?」
「あ、悪い」
思わず紗香に抱きついてしまった事に気が付いて、俺は紗香の背中から手を離そうとする。
しかし───
良いよ……お兄ちゃん。
紗香も俺の背中に手を回してきた。
布団の中でお互いに抱きついて著度が増した。
そして、紗香の命の鼓をじる事が出來る。それに寢巻き越しだが、俺のちっぱい様と紗香のお様がくっ付いて、なんだか気持ちいい。
「お兄ちゃんに包まれて、何だか安心して眠気が……」
紗香は気持ち良さそうに瞼を閉じて、俺より先に夢の中に旅立っていく。
(ちょっ……先に寢かさないぞ)
それを追いかける様に、俺も瞼を閉じるのだった。
*****
「痛ってぇ」
朝になった。
俺はまだ寢ていた筈だったのだが、紗香が寢相で俺の頭にヘディングを決めてきて起きてしまった。
仕方なくを起こそうとするが……起きられなかった。
左腕に紗香の両手が巻き付き、左足には紗香の両足が巻き付いてコアラの様に摑まっていた。自由になっているのは右半だけだ。
「起きれねぇ……」
「起きたのね」
母さんの聲が聞こえてきた。
「母さん、戻ってきてたのか」
「私が戻ってきた頃には、貴方達はぐっすりと寢ていたわね。私もすぐに寢たけれど」
母さんは帰る為に荷の整理をしている。
「姉貴は?」
「沙耶は、酔って椅子で寢ていたから布団で寢かせたわ」
姉貴は、紗香の隣の布団で姿勢正しく寢ていた。
(態度は荒いが、寢相だけは良いな)
「沙雪、まだ早いから寢ていなさい」
「マジで?じゃあ、おやすみ〜」
そうして俺は2度寢をするために再び眠りに就くのだった。
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