《朝起きたらの子になってた。》妹とG退治 Last

しがないゴキブリのゴキこと俺は、右足を引き摺りながら、母さんとリーブの元へと帰って來た。

「どうしたの、ゴキ!」

「人間に見つかった。親父は俺を助けるために……」

「う、噓よね……? パパは殺られてなんて……」

母さんは親父の死に否定の言葉を呟き出す。

しかし、俺は親父の仇を取らなければならない。だから、俺は折れてはいけない。

「母さん、俺が親父の仇を」

「やめて! ゴキにも死なれたら私は……」

母さんは一杯、俺にり寄ってくる。

「大丈夫だ、母さん。俺は……」

ーー兄さん?

その時、リーブが病気で痩せ細ったを引き摺りながら、俺と母さんがいる所まで來た。

「リーブ! どうしていて……」

「えっとね、もう、私ダメみたい……」

「何を……」

ドサッ!

「「リーブ!」」

俺と母さんが倒れたリーブの元に駆け寄る。

「しっかりしてリーブ!」

母さんがリーブを抱き起す。

「ねぇ、お母さん、兄さん……。私ね、人間に憧れてるんだ……。お灑落したり、可くなったり、楽しんだり……。でもね、今の生活はすごく辛いの」

「リーブ……」

「人間は私達が嫌い。姿を現わすだけで嫌悪じさせちゃうの。私はそんなことさせたくないのに……。こんなところでコソコソと暮らさないでもっと大きな……」

「リーブ?」

「ごめん、もう最後みたい……。お母さん、目閉じてて貰ってもいい?」

「わ、わかったわ」

母さんはリーブに言われた通り、目を閉じる。

「兄さん、もっと寄って……」

「あ、あぁ」

俺はリーブとれ合えるほどの距離に移する。

そして、

ーー兄さん、大好き

小さな甘い聲と共に襲ってくるリーブの

「な……」

俺はあまりの出來事に言葉を失う。

「……私ね? 寢込んでる時に好きな人は何だろうって考えていた時があったの。こんなご時世だから、男の人は兄さんとお父さんしか知らなかった。お父さんが好きかって言われると好きだって言える。でも兄さんが好きかって言われると、大好きだって言えるの」

「ッ!」

俺はその事を聞いてが高鳴るのをじた。

「兄さんは私が病気になった時、すごく悲しそうな顔をしてた」

「當たり前だろ……」

「そして私も兄さんにすごく心配されてるのをじて、すごく嬉しかった。この時はまだこの気持ちには気付いてなかったの」

「じゃあ、いつなんだ」

「さっき」

「え?」

(リーブはさっき気付いて俺に告白を?)

「兄さんが傷だらけで帰ってきたのを見た時、すごく心が締め付けられた。でも、生きてて良かったって安堵した。その時に気づいたの……」

リーブは言い終えると恥ずかしそうにもじもじとする。

(お、俺はどうしたら? 正直、リーブに大好きと言われて嬉しいと思った。だから……)

俺はリーブの顔を見據える。

「俺もリーブのことが大……」

ザザザザ〜〜〜

俺が妹に思いを伝えようとした時、俺達が隠れているビニール袋の場所をかされた。

*****

「お、いたいた……って3匹おる」

「さ、3匹! は、早く殺して! 生き埋めにして!」

「生き埋めって……」

紗香が後ろで騒な言葉を連呼する中、俺はG退治に掛かる。

「悪いな、別に俺はG嫌いな訳じゃないが、ズボンの為だ」

何故かかない2匹を俺は近くにあったビニール袋にれる。そして、殘りの1匹はどうしてかビニール袋に自らって行った。

(こんなこともあるんだな)

俺はG3匹がビニール袋にっているのを確認して袋を閉じる。

「はぁ、終わっ……「貸して!」うおっ」

紗香はGがった袋を俺から奪い、ダッシュで階段を降りて玄関まで行き、靴を履いて外に出て行った。

(ん? 何か忘れて……あ)

俺はそのある事・・・に気付いた瞬間、ハンガーに掛けられている紗香のコートを掻っ攫って、紗香を追いかける。

靴を履いて外に出ると、紗香は家から50メートルほど離れた場所にある川付近にいた。

遠目から見て紗香は俺から奪ったビニール袋を持っていない。おそらく、川に流したのだろう。

(って、そんなことは置いといて……)

俺は紗香の元までガチダッシュする。

音に気付いてこちらを振り返った紗香は俺に問いかけてくる。

「あ、どうしたの、沙雪?」

「とりゃぁぁぁ」

俺はそれを無視して持ってきたコートを紗香の頭に被せた。

「何するの」

「下著姿・・・で50メートル離れた所にある川でGを捨てた妹を連れ戻しにきた」

「あ……」

紗香はその事実に気付いて、俺が頭に被せたコートを素早く著る。

その後家に帰った後、紗香は思い出しては頬を真っ赤にする日々が続いた。

これは自業自得の結果なのだろう。

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