《朝起きたらの子になってた。》EX. バレンタインな日のところ。
バレンタインデーに書いたものです。
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俺がの子になって數ヶ月が経過した。
そして今日はの子が勇気を出して本命やら義理やらとチョコレートを野郎共に渡す、忌まわしきバレンタインデーとかいう2月14日だ。
「はぁ、チョコほしいのぉ……」
今日は土曜日で學校が休みだ。そのこともあり、俺がチョコレートを貰うのは絶的に0に等しい。
「良いんだ、今日は一日中……」
ゲームをやるんだと言おうとした時に、勢い良くドアが開いた。
「これから、バレンタイン合戦を開始する! だから、沙雪は強制參加だ!」
「のわっ!」
急にやってきた姉貴に軽々と持ち上げられ、俺は連れ去られた。
*****
「それで、何でこんな格好をするんだ?」
臺所に連れ去られたことは良いものの、元がハート型になっているエプロンを著けさせられた。
「今日はバレンタインデー、リア充共がウキウキしている日だ」
「そうだな」
「だから、私がリア充共に毒りチョコを作り、天使と言って過言ではない沙雪がそのチョコを配り、リア充共を殲滅させようではないか」
「うん、それで本當の目的は?」
「私は誰かから貰ったチョコを食べたい。だから、作ってくれ! 幸い、今の沙雪はの子だ。何も問題はない」
「あるんだよな〜 俺もチョコ食いたいんだよな〜」
「なら、私も作ってやる。これで良いだろ?」
「マジで?」
姉貴の料理は味しい。だが、滅多に作らないので珍しさSSRクラスの料理だ。
ということで、チョコレート作りが開始……
「ーーちょーっと、待った〜〜」
されなかった。
エプロン姿の紗香が階段から降りてきた。エプロンにも見える格好だが、薄著をちゃんと著ているのでセーフだ。どこがセーフか分からないが。
「2人が楽しそうなことするなら、私もやる」
「「え……」」
俺と姉貴の戸う聲がマッチした。
「あ、これつまんないから紗香は參加しなくても良いよ」
「あぁ、ダンゴムシをずっと眺めるほどのつまらなさだ」
「そんなに作っちゃいけないの?」
「「お願いします。何も作らないで下さい」」
俺もそうだが、姉貴も敬語になるほど紗香の作った料理は不味い。インスタントラーメンを作る時だって、『これれると味くなるんだよ』と言って、キムチやらマヨネーズやらetc……。
「大丈夫よ、私が見ているから」
今までリビングにある椅子に座って寛いでいた母さんがやってきた。
「……臺所からの……いいえ、臭い匂いがすると參っちゃうのよ」
母さんは俺と姉貴に聞こえるぐらいの小さい聲で怯えていた。
経験をしているから紗香の料理の酷さをわかっているのだろう。
「じゃあ、紗香は母さんに任せて……姉貴よ、俺と勝負したいんだな」
「勝負ではないが、勝負にするか。ルールは味しいと言わせた方が勝ちだ」
「あぁ」
こうして、俺と姉貴のチョコレート対決が発した。
*****
(俺のニー……フリーター時代で得たテクを見せてやる!)
まずは、熱湯をれた大きいボールに板チョコをれた小さいボールを浮かせて溶かす。溶かし終わったチョコをアルミホイルの上に半分乗せる。その半分乗せたチョコの上にホイップクリーム、イチゴ、バナナを乗せたら、余っているチョコをその上に落としていく。
落とし終わったら、冷蔵庫にれて固まるまで待つ。
その間に、姉貴が作っているチョコを見る。
「うお……」
(うん、やばいレベルだ)
*****
冷蔵庫から固まったチョコを取り出す。
チョコとチョコの間にフルーツがチラ見えしており、味しそうだ。そのチョコを食パンを薄く縦に切ったものを両面にくっ付けて完だ。
「「「できた」」」
「じゃあ、紗香のからいこう」
俺がそう言った瞬間、姉貴が俺の首を締めてきた。
「……おい、正気か? 死ぬ気なのか」
「……姉貴のを最後にすれば助かると思う。だって、姉貴のは味いって分かってるから」
「……馬鹿だな」
(姉貴? 照れるのは可いと思うが、首を開放してくれると嬉しいんだけどな……。まぁ、姉貴のお様のが良いから許すけど)
そんなやりとりをしている間にも紗香は作ったものを紹介する。
「じゃーん、チョコレートアイス〜」
「「……」」
紹介した瞬間、靜かになった。
「姉貴、年長なんだからここは先に食っても良いぞ」
「お前は長男……じゃないな」
俺氏、の子になって良かったと思う瞬間だった。
「じゃあ、食うか……」
姉貴な死地へと向かう顔をして、紗香の作ったチョコレートアイスとやらを食べる。
「ん……食べられる」
「なんだと!」
俺も気になってチョコレートアイスをパクリ。
(味しくもなく、不味くもない)
普通のチョコレートアイスだった。母さんが疲れた顔してるけど見なかったことにする。
「じゃあ、次は俺のだ。食パンで挾んであるから、手で持って食えるで」
三等分にしてみんなに食べさせた。
「ん〜 味しい〜」
「良いお嫁さんになりそうね」
「ふ、普通だ」
紗香は良いとして母さんやい、俺は良いお婿さんと言われたかったやい。
「なら、姉貴のを食べて判別しよう」
「いいだろう、け取るがいい」
姉貴が出したのはチョコの蒸しケーキであった。
俺は早速、頂くことにした。
「もぐもぐ……ん!」
控えめなチョコの甘さからのクリームの甘みが迫る。
そして、そのクリームの中から薄くカットされているイチゴが甘酸っぱさを主張してくる。
「味しい〜〜」
「どうだ、私に勝つなんて地球がひっくり返っても……っておい、やめろ」
「お姉ちゃん味しい〜〜」
「くっ……児退行しやがった!」
あまりの味しさに俺はしばらくの間、児退行して姉貴に襲い掛かるのだった。
「お姉ちゃん私も〜」
「紗香まで來るな……」
紗香も追加で。
*****
その時の母さんは、俺達の行を微笑ましく眺めていた。
そして一言。
「戯れるなら、リビングでやってしいわ……」
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