《朝起きたらの子になってた。》花凜の過去 1

両親は大金持ちだ。

生活には何一つ困らず、しいは何だって頼めば手にった。お灑落だってお金に糸目を使わなかった。

お金があるのだから。

これは私が小學生の頃の話。

「ねぇ、かりんちゃん。いっしょにあそぼ〜」

「いいよ。せっかくだし、まいちゃんとるりちゃんもさそってみよ?」

「そうだね」

この頃の私はお金なんて興味も無く只々、友達と鬼ごっこをしたり、おままごとをしたりするだけで楽しかった。

友達が笑うと楽しい。私が笑うと友達も笑ってくれた。

たぶん、この様な日々が続いていけばいいな〜と呆然と考えていたのだろう。

だが、中學生になると共に友達は変わっていった。

「ねぇ、花凜。今度の休み遊びに行こう? 奢ってしいがあるんだよね〜」

「うん、良いよ」

友達は変わっていったが、私は変わっていなかった。友達が喜んでくれると私も嬉しい。幸い、両親は大金持ちでも私や妹に優しい。だから、別に困ることはなかった。

だが、ある日のこと。

放課後になって忘れをして教室に戻ろうとした時、會話が教室の中で聞こえてきた。

「……ねぇ、見て見て、このキーホルダー可くない?」

「いいなぁ〜 それ高いやつだよね。お母さんに買って貰ったの?」

「違うよ、花凜に買って貰った」

「お金借りたの?」

「違うよ。奢って貰ったの。本當に……便利・・だよ」

その一言は小さい聲で言っていた様で會話していた人には聞こえていなかったが、私には聞こえていた。

その言葉を聞いて、私は親友に裏切られた気持ちになった。そして、ブチ切れて教室にる。

「恵! 便利って何! 冗談でも、その言葉は止めてよ」

「花凜、聞いてたんだ……。まぁ、いっか。花凜はさ、良いよね? 両親がお金持ちで。私達みたいな一般人の気持ちなんて分からないよね?」

「何言ってるの?」

「はぁ、だからうざいんだよ。いつもいつもお灑落して可い子ぶってさ。それで男子でも釣る気なの? マジうざいわ」

「ごめん……でも、そんな気は」

「ーーこれからは話しかけないで貰える? ストレス溜まるから」

その一言で私は不登校になった。

*****

中學校に行かなくなった私に、両親は心配して家庭教師をつけてくれていた。それに妹の存在もあり、このままではいけないと思い、私は高校からは行くようにした。

幸い、中學校からは遠く離れた場所に験した為、知り合いは一人もいなかった。しかし、過去のトラウマもあり私は家族以外に対しては人間不信に陥っていた。そこで私は、わざと髪をぼさぼさにして伊達眼鏡を付け、読書をする地味なキャラになりきり目立たないようにした。誰も話しかけてこない様にと。

いつも休み時間の時には、本を読むフリをしていた為、流れで図書委員になった。そんなある日のこと。私は図書委員の仕事で、放課後に図書室で本を持ちながら付をしていたら、一緒に付の仕事をしている人に話しかけられた。その人は男でかっこよくもなく、ブサイクでもない、普通の人だった。

「ーーいつも、本読んでるけど何読んでるんだ?」

「え……?」

(どうしよう……)

「どれどれ」

その人は私が読んでいた(フリをしていた)本を見ようと、椅子に座っている私に近づいて來る。

「ひゃっ……」

咄嗟なことだったので、私はし聲を出して椅子を飛び上がり退く。

「そんなに驚くことないだろう。それに一応、俺先輩なんだけどな……」

「ご、ごめんなさい……」

「いいよ、それよりその本が気になって俺の左腕がぁぁぁぁぁ」

「樹、ダメでしょ。の子を脅かしちゃ。……ごめんね、うちのところの弟が失禮なことして」

「い、いえ……」

(いきなり人な人來たけど誰ぇ……)

そんな私の疑問はすぐに解決されることになった。

「また、弟が悪さするなら言ってね。私は、3-Cの上代 沙耶でこのやんちゃは、2ーBの上代 樹ね」

「お姉ちゃん様よ、誰がやんちゃだ?」

「樹でしょ。全く、何でこんな子に育っちゃったのかな……」

「俺はお姉ちゃんに育てられた覚えはない」

「私も育てた覚えないよ?」

「からかったなぁ……」

「ふふ、悔しかったら、捕まえてごら〜ん」

沙耶さんと言っていた人は、挑発する様に図書室から出て行った。

「あ、付は任せた……待て、このバカ姉〜〜」

「ちょっ、……何だったんだろう」

樹と言われた人も沙耶さんを追いかけて図書室から飛び出して行った。

これが私と樹先輩の出會いだった。

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